12 / 17
第三章 ある破局
02 それって問題なんだ
しおりを挟む
昼食がすむとマギーは散歩に行くからとおこづかいを要求して出かけて行った。
襟元を飾っているのはエリサのネックレスだった。
日々は過ぎてエリサはやつれていき、ダリル夫人も心配したがなにもできなかった。
エドワードが荒れているのを団員も気づきはじめたが誰も口にださず、団長のフレデリックはエドワードの配置替えを考え始めた。
ちょうどその頃、隣の町で盗賊が出て、盗賊の大半は山に逃げるという事件が起こった。
団長はこんなときにエドワードが家を離れるのは良くないと思ったが、頼れるのはエドワードだけだった。
心で詫びながら部下を半数つけて隣町の手伝いに送り出した。
エドワードがいない間、マギーは自分の友達をエリサの家に招待した。出発準備のどさくさでエドワードに「うん」と言わせエリサには友達が家についてから話した。
マギーと友人達の傍若無人振りに近所の住民は呆れた。
住民の一人が、団の顔見知りにこのことを伝えた。
フレデリックは部下との雑談でこの問題を知ったが、本人は隣町にいて確認できない、しかし気になるので休みの日に私服でエドワードの家のあたりをウロウロしてみた。
するとある一軒の家から着飾った女性が3人出て来た。話し声が大きいので声が聞こえた。
「エドさんの奥さんって・・・・・・うるさい・・・・」
「ほんと・・偉そうにして・・・・」
「貸してくれたって・・・・」
エドはエドワードのことか?3人のうち誰が奥さんか?と思いながら見送っていると
隣のうちのドアが薄く開いているのに気がついた。
不信に思われぬようさりげなく通りすぎながら観察しているとドアが開き女性が出てくると3人が出てきた家をノックした。
ノックに答えてでてきた女性を隣の女性はかかえるように自分のうちに招き入れた。
問題があることがわかったが、どこが問題なのかフレデリックはよくわからなかった。
とりあえず、エドワードをこの町に戻すことにした。
エドワードが戻ってきたが相変わらず荒れているので、フレデリックはあの隣の夫人の家に行って話を聞きたいと思った。
どういう口実で行けばいいのか知恵を絞ったが思いつかなかった。
そんなある日事件が起こった。
買い物中のダリル夫人に走っていた子供がぶつかり、夫人が足をくじいたのだ。
夫人は詰所に運ばれ手当を受けたが、運のいいことにフレデリックがちょうど詰所にいた。夫人は駆けつけてきて真っ青になって詫びる子供たちの親を、快く許しお見舞いのお菓子だけを笑って受け取った。
そしてフレデリックが夫人を家まで送って行った。
彼は夫人をお姫様抱っこでソファに座らせた。フレデリックは台所を借りてお茶を入れた。二人はお見舞いのお菓子を食べながら話をした。エドワードの家の問題も教えてもらった。
事情はわかったが解決の方法は思いつかなかった。
フレデリックはため息をつきながら、深まる秋の涼しさのなかゆっくり馬車を走らせて詰所に戻った。
襟元を飾っているのはエリサのネックレスだった。
日々は過ぎてエリサはやつれていき、ダリル夫人も心配したがなにもできなかった。
エドワードが荒れているのを団員も気づきはじめたが誰も口にださず、団長のフレデリックはエドワードの配置替えを考え始めた。
ちょうどその頃、隣の町で盗賊が出て、盗賊の大半は山に逃げるという事件が起こった。
団長はこんなときにエドワードが家を離れるのは良くないと思ったが、頼れるのはエドワードだけだった。
心で詫びながら部下を半数つけて隣町の手伝いに送り出した。
エドワードがいない間、マギーは自分の友達をエリサの家に招待した。出発準備のどさくさでエドワードに「うん」と言わせエリサには友達が家についてから話した。
マギーと友人達の傍若無人振りに近所の住民は呆れた。
住民の一人が、団の顔見知りにこのことを伝えた。
フレデリックは部下との雑談でこの問題を知ったが、本人は隣町にいて確認できない、しかし気になるので休みの日に私服でエドワードの家のあたりをウロウロしてみた。
するとある一軒の家から着飾った女性が3人出て来た。話し声が大きいので声が聞こえた。
「エドさんの奥さんって・・・・・・うるさい・・・・」
「ほんと・・偉そうにして・・・・」
「貸してくれたって・・・・」
エドはエドワードのことか?3人のうち誰が奥さんか?と思いながら見送っていると
隣のうちのドアが薄く開いているのに気がついた。
不信に思われぬようさりげなく通りすぎながら観察しているとドアが開き女性が出てくると3人が出てきた家をノックした。
ノックに答えてでてきた女性を隣の女性はかかえるように自分のうちに招き入れた。
問題があることがわかったが、どこが問題なのかフレデリックはよくわからなかった。
とりあえず、エドワードをこの町に戻すことにした。
エドワードが戻ってきたが相変わらず荒れているので、フレデリックはあの隣の夫人の家に行って話を聞きたいと思った。
どういう口実で行けばいいのか知恵を絞ったが思いつかなかった。
そんなある日事件が起こった。
買い物中のダリル夫人に走っていた子供がぶつかり、夫人が足をくじいたのだ。
夫人は詰所に運ばれ手当を受けたが、運のいいことにフレデリックがちょうど詰所にいた。夫人は駆けつけてきて真っ青になって詫びる子供たちの親を、快く許しお見舞いのお菓子だけを笑って受け取った。
そしてフレデリックが夫人を家まで送って行った。
彼は夫人をお姫様抱っこでソファに座らせた。フレデリックは台所を借りてお茶を入れた。二人はお見舞いのお菓子を食べながら話をした。エドワードの家の問題も教えてもらった。
事情はわかったが解決の方法は思いつかなかった。
フレデリックはため息をつきながら、深まる秋の涼しさのなかゆっくり馬車を走らせて詰所に戻った。
151
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

嘘をありがとう
七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」
おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。
「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」
妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。
「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。


美人な姉と『じゃない方』の私
LIN
恋愛
私には美人な姉がいる。優しくて自慢の姉だ。
そんな姉の事は大好きなのに、偶に嫌になってしまう時がある。
みんな姉を好きになる…
どうして私は『じゃない方』って呼ばれるの…?
私なんか、姉には遠く及ばない…

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる