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計画
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俺は伯爵家が俺のお金を泥棒している事を告発するのを、利用して王子を一人潰すことにした。
ラムもそこに目を付けた事を褒めてくれた。
多分、平民の俺が伯爵家の事を告発しても揉み消されるだろうし、俺の命を狙ってくるだろうから、何度か攻撃されてから、第二王子に助けを求める事にする。
呆れたことに、俺が命を狙われる事に関して、ラムが全然心配しない。そりゃわかるけど、棒読みでいいから心配して欲しい。
そしてある日、俺は授業を休んで役所に遺産を盗まれたと告げ口をしに行った。
担当者は書類と俺をしげしげと見ると、書類を預かろうとした。
そこで俺は、書類をその場で複製した。ちなみに書類はあの日、金庫から盗んだ母が俺に財産を残すと手続きをした証明書。年金の手続書。魔力なしを理由とした俺の廃嫡証明書。魔力なしの証明書。
俺は担当者に書類を渡すと、書類の預り証を出して担当者に署名させた。
「あの、魔力がないのですか?」とおずおずと担当者は言うので
「えぇ、きちんと証明書があるように『魔力なしです』と大きな声で答えた。
魔力なしの証明書にある国王のサインを目立つように光らせながら・・・・・
さて二週間後に俺はその後どうなったのか聞きに役所に行った。二週間も開いたのは野営訓練に行っていたからだ。
魔物と戦うのは夏の休暇で隣国に行く途中で襲ってきたのを護衛と一緒に迎え撃って以来だったが、すごく楽しかった。
さて、俺は役所の窓口で用件を述べたが、とても冷たい対応をされた。あまりに予想通りで拍子抜けした。
そもそも俺の告訴自体、なかったことにされていた。
それで俺は預り証などと見せて抗議したが、書類を見もしないで俺をたたき出そうとした。こんなに物事がうまく運んでいいのだろうか?
「つまり貴族は平民の財産を取り上げる事ができるとマイケルさんは言うんですね」とマイケルさんの部分を大きめの声でわめいた。
「そんなこと言ってないだろ。『魔力なし』め」
「マイケルさんは俺を『魔力なし』と言うんですね」
「そうだろ、この証明書を見ろ。きちんと国王陛下の署名があるだろ」
「確かに国王陛下は俺を魔力なしと認めてくれたんだ」と言いながら俺はマイケルの頭の上に
(担当のマイケルです)と看板を出してあげた。
「わかりました。担当のマイケルさん。これで帰ります」
そう言って寮に戻った。
寮に戻ると第二王子から部屋に来るように連絡がはいっていた。
俺はラムと一緒にこっそりと部屋を訪ねた。
「呼びつけて悪かったね」
第二王子は気さくに話し始めた。
「そろそろ、お願いに上がろうと思ってました」と俺は丁寧に言ったが、ちょっと足りなかったみたいで、部屋にいる男がむっとした顔をした。
「君は伯爵家の育ちだと聞いているが・・・」
「あぁそうですけど、使用人にすら侮られて、使用人以下の扱いでしたので、なんの教育も受けていませんよ。母が生きている間はそれなりでしたが、五歳の時母は死にましたので」
「なるほど、ただ君はなんとなく偉そうだね」
「そうですか?ラム、俺って偉そう?」
「どうだろうね。前からその感じだけどでもそれより話すことあるだろう」さすがラムきちんと会話の軌道を修正してくれた。
「知ってると、思うけど母の遺産を横取りされてるのと、年金を横取りされているのを取り戻そうと思って、恐れながらと訴えたんだけど・・・・握りつぶされちゃって・・・・」
「もちろん知ってる。取り戻すのは簡単だからその件はもう終わりと思っていい。そのかわり・・・」
「うん、王位が欲しいってことだよね。それも早めに。協力するつもりだよ」
「助かるが、そんなに簡単な事かい?グリニッジ君」
「バートラムと」
「私個人とこの国のパイプを太くしたいと思いまして」
「なるほど・・・・そういうことにしておこうか。特等席を用意するから・・・」
「どうも」とラムが答えた。すごくかっこよかった。
ラムもそこに目を付けた事を褒めてくれた。
多分、平民の俺が伯爵家の事を告発しても揉み消されるだろうし、俺の命を狙ってくるだろうから、何度か攻撃されてから、第二王子に助けを求める事にする。
呆れたことに、俺が命を狙われる事に関して、ラムが全然心配しない。そりゃわかるけど、棒読みでいいから心配して欲しい。
そしてある日、俺は授業を休んで役所に遺産を盗まれたと告げ口をしに行った。
担当者は書類と俺をしげしげと見ると、書類を預かろうとした。
そこで俺は、書類をその場で複製した。ちなみに書類はあの日、金庫から盗んだ母が俺に財産を残すと手続きをした証明書。年金の手続書。魔力なしを理由とした俺の廃嫡証明書。魔力なしの証明書。
俺は担当者に書類を渡すと、書類の預り証を出して担当者に署名させた。
「あの、魔力がないのですか?」とおずおずと担当者は言うので
「えぇ、きちんと証明書があるように『魔力なしです』と大きな声で答えた。
魔力なしの証明書にある国王のサインを目立つように光らせながら・・・・・
さて二週間後に俺はその後どうなったのか聞きに役所に行った。二週間も開いたのは野営訓練に行っていたからだ。
魔物と戦うのは夏の休暇で隣国に行く途中で襲ってきたのを護衛と一緒に迎え撃って以来だったが、すごく楽しかった。
さて、俺は役所の窓口で用件を述べたが、とても冷たい対応をされた。あまりに予想通りで拍子抜けした。
そもそも俺の告訴自体、なかったことにされていた。
それで俺は預り証などと見せて抗議したが、書類を見もしないで俺をたたき出そうとした。こんなに物事がうまく運んでいいのだろうか?
「つまり貴族は平民の財産を取り上げる事ができるとマイケルさんは言うんですね」とマイケルさんの部分を大きめの声でわめいた。
「そんなこと言ってないだろ。『魔力なし』め」
「マイケルさんは俺を『魔力なし』と言うんですね」
「そうだろ、この証明書を見ろ。きちんと国王陛下の署名があるだろ」
「確かに国王陛下は俺を魔力なしと認めてくれたんだ」と言いながら俺はマイケルの頭の上に
(担当のマイケルです)と看板を出してあげた。
「わかりました。担当のマイケルさん。これで帰ります」
そう言って寮に戻った。
寮に戻ると第二王子から部屋に来るように連絡がはいっていた。
俺はラムと一緒にこっそりと部屋を訪ねた。
「呼びつけて悪かったね」
第二王子は気さくに話し始めた。
「そろそろ、お願いに上がろうと思ってました」と俺は丁寧に言ったが、ちょっと足りなかったみたいで、部屋にいる男がむっとした顔をした。
「君は伯爵家の育ちだと聞いているが・・・」
「あぁそうですけど、使用人にすら侮られて、使用人以下の扱いでしたので、なんの教育も受けていませんよ。母が生きている間はそれなりでしたが、五歳の時母は死にましたので」
「なるほど、ただ君はなんとなく偉そうだね」
「そうですか?ラム、俺って偉そう?」
「どうだろうね。前からその感じだけどでもそれより話すことあるだろう」さすがラムきちんと会話の軌道を修正してくれた。
「知ってると、思うけど母の遺産を横取りされてるのと、年金を横取りされているのを取り戻そうと思って、恐れながらと訴えたんだけど・・・・握りつぶされちゃって・・・・」
「もちろん知ってる。取り戻すのは簡単だからその件はもう終わりと思っていい。そのかわり・・・」
「うん、王位が欲しいってことだよね。それも早めに。協力するつもりだよ」
「助かるが、そんなに簡単な事かい?グリニッジ君」
「バートラムと」
「私個人とこの国のパイプを太くしたいと思いまして」
「なるほど・・・・そういうことにしておこうか。特等席を用意するから・・・」
「どうも」とラムが答えた。すごくかっこよかった。
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