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休暇が開けて 剣術大会
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休暇が終わり、寮に戻るとバージルが待ち構えていた。そのまま食堂まで連れて行かれた。
あの食堂の個室で商会のやつらが待っていた。
「すぐに父も来るけど、先に頼みたいことが・・・・あの付与なのだが、温めることもできるだろ。次はそれを頼みたい。契約も・・・・それから浄化の肌着はその・・・・・肌がすべすべになる効果があるのか?古い傷跡が薄くなった者、消えた者もいるのだが・・・・君が肌のことを契約にいれていたから・・・・」
「あぁ効果は時間がかからないと立証できないし、その効果を気にしたら面倒になりそうなので、あの形を取った。逆に肌が荒れた者はいなかったか?苦情は?」
「いや、苦情はないが、問い合わせが入っている」
「そうか。大勢に使って貰うとそういった所を確認できるな。・・・・で次は温める効果を付与か・・・・・」
「冷感の売れ行きもすごくて・・・・貴族からの圧力も来たりしたが・・・まぁ侯爵家だし・・・・なんとか。商品を転売するものもでるし・・・・店の前に行列ができて・・・・君の行方を捜したけど・・・見つからなくて」
「お待たせした。フレデリック殿」と言いながら侯爵が入ってきた。契約書を持って。
◇◇◇
驚いた事にラムが留学してきた。
「驚かしたくて連絡しないで来た」
「それなら、大成功だ。驚いたよ」
「見聞を広めようと思ってな」
「見聞か、ここの図書館は物足りないかも知れないぞ」
「見たいのは人間。フレデリックに絡む人間」
「そうか?俺って研究対象になるのか?俺にも観察記録を見せてくれ」
「いいぞ。それに図書館なら俺は王宮の図書館にはいれるから問題ない。一緒に行くか?」
「いいのか?行きたいと思っていたんだ」
クラスも同じだというので連れ立って教室に入った。俺がひとりじゃないことに皆が驚いていた。
俺はラムと一緒に過ごすことが多くなった。ラムは積極的に級友と交遊するので俺もなんとなくそれに加わるようになって来た。
俺は人間を観察できるから歓迎だった。それにしてもラムはすごいと思った。どんな話題がでてもきちんと受け答えしている。なにも知らない馬鹿に耐えている。対したもんだ。見聞を広めるといるのはこういうことなのだろうか?
見習わねばならない。
いろいろ楽しく過ごしていると、剣術大会の日程が発表された。面倒なことに全員参加らしい。まぁいい俺は早々に負けて嫌がらせに専念しよう。
選手を決める予選で俺は相手が、打ちかかって来たので二度程受けて尻餅をついた。
周りが爆笑するなか負けとなった。ラムの野郎は拍手しながら笑ってやがる。この野郎決勝戦に出してやる。
さて剣術大会に出場する選手が決まった。壁に対戦表が張り出してある。エドワルドも第二王子も俺に絡んでくる連中もちゃんと選手になっている。いい子達だ。俺は知り合いの試合にはすべてちょっかいを出すことにした。
そして大会が始まった。復讐相手とその対戦相手の剣に速度鈍化の付与をかけながら見学する。
俺は鈍臭いので、普通の速度では目で追えないのだ。対戦相手が勝ちそうになる度に、足に直接重力増加の付与をしていく。
そうやってどうにかエドワルドを勝たせて行く。俺の見る目も鍛えられて動きを追えるようになってきたが、疲れてきた。
一息いれようと持参のサンドイッチを出して食べながら、試合を見た。目線を感じて第二王子の方を見ると俺をじっとみている。
目をそらすのも腹立つので見返しながら、大口をあけてサンドイッチにかぶりついた。
さて、次はエドワルドだ。俺は手の平を大げさに動かすとエドワルドに向けた。すると俺のまわりに人が増えた。
今回の付与は剣が軽く動く付与だ。ちょっとした重心の変化、握りの強弱で動き回る付与だ。
エドワルドの剣は右に左に上に下に動き回る。エドワルドも剣に引きづられて動き回る。対戦相手はエドワルドの変な動きから逃げ回っている。
対戦相手に速度増加の付与をかけてあげた。これで安全に逃げられる。でもゴメン君はここで退場ね。
エドワルドに重量増加をかけて動きを封じる。それから対戦相手を転ばせるとエドワルドをゆっくりと動かし、首に剣を向けさせる。・・・・疲れたがエドワルドが勝った。
王子は単純に相手の動きを鈍らせておいた。
ラムは勝ち上がり、決勝戦にコマを進めた。エドワルドと第二王子どちらか勝った方がラムと戦う。
俺はいやがらせのネタも尽きたし飽きたのでなにもせず見物することにしました。俺のまわりには王子の護衛やバージル、エドワルドの友人などが座っている。俺はおおげさな動作でエドワルドに手の平を向けた。
『魔力なし』がなにかするとほんとに思っているのだろうか?
剣を合わせた途端エドワルドの剣が飛んで行って試合が終わった。エドワルド弱すぎだろ。
決勝戦は王子とラムだ。これもなにもしなくてもラムが勝つだろう。王子がここまできたのが間違いだからな。
ラムは会場に出てくると俺に向かって手を振った。俺も手を振った。
王子はなかなかの腕前だったが、ラムは適度に相手をして綺麗に勝った。王子は礼儀正しくラムを祝福して観衆は二人の健闘を讃えた。
あの食堂の個室で商会のやつらが待っていた。
「すぐに父も来るけど、先に頼みたいことが・・・・あの付与なのだが、温めることもできるだろ。次はそれを頼みたい。契約も・・・・それから浄化の肌着はその・・・・・肌がすべすべになる効果があるのか?古い傷跡が薄くなった者、消えた者もいるのだが・・・・君が肌のことを契約にいれていたから・・・・」
「あぁ効果は時間がかからないと立証できないし、その効果を気にしたら面倒になりそうなので、あの形を取った。逆に肌が荒れた者はいなかったか?苦情は?」
「いや、苦情はないが、問い合わせが入っている」
「そうか。大勢に使って貰うとそういった所を確認できるな。・・・・で次は温める効果を付与か・・・・・」
「冷感の売れ行きもすごくて・・・・貴族からの圧力も来たりしたが・・・まぁ侯爵家だし・・・・なんとか。商品を転売するものもでるし・・・・店の前に行列ができて・・・・君の行方を捜したけど・・・見つからなくて」
「お待たせした。フレデリック殿」と言いながら侯爵が入ってきた。契約書を持って。
◇◇◇
驚いた事にラムが留学してきた。
「驚かしたくて連絡しないで来た」
「それなら、大成功だ。驚いたよ」
「見聞を広めようと思ってな」
「見聞か、ここの図書館は物足りないかも知れないぞ」
「見たいのは人間。フレデリックに絡む人間」
「そうか?俺って研究対象になるのか?俺にも観察記録を見せてくれ」
「いいぞ。それに図書館なら俺は王宮の図書館にはいれるから問題ない。一緒に行くか?」
「いいのか?行きたいと思っていたんだ」
クラスも同じだというので連れ立って教室に入った。俺がひとりじゃないことに皆が驚いていた。
俺はラムと一緒に過ごすことが多くなった。ラムは積極的に級友と交遊するので俺もなんとなくそれに加わるようになって来た。
俺は人間を観察できるから歓迎だった。それにしてもラムはすごいと思った。どんな話題がでてもきちんと受け答えしている。なにも知らない馬鹿に耐えている。対したもんだ。見聞を広めるといるのはこういうことなのだろうか?
見習わねばならない。
いろいろ楽しく過ごしていると、剣術大会の日程が発表された。面倒なことに全員参加らしい。まぁいい俺は早々に負けて嫌がらせに専念しよう。
選手を決める予選で俺は相手が、打ちかかって来たので二度程受けて尻餅をついた。
周りが爆笑するなか負けとなった。ラムの野郎は拍手しながら笑ってやがる。この野郎決勝戦に出してやる。
さて剣術大会に出場する選手が決まった。壁に対戦表が張り出してある。エドワルドも第二王子も俺に絡んでくる連中もちゃんと選手になっている。いい子達だ。俺は知り合いの試合にはすべてちょっかいを出すことにした。
そして大会が始まった。復讐相手とその対戦相手の剣に速度鈍化の付与をかけながら見学する。
俺は鈍臭いので、普通の速度では目で追えないのだ。対戦相手が勝ちそうになる度に、足に直接重力増加の付与をしていく。
そうやってどうにかエドワルドを勝たせて行く。俺の見る目も鍛えられて動きを追えるようになってきたが、疲れてきた。
一息いれようと持参のサンドイッチを出して食べながら、試合を見た。目線を感じて第二王子の方を見ると俺をじっとみている。
目をそらすのも腹立つので見返しながら、大口をあけてサンドイッチにかぶりついた。
さて、次はエドワルドだ。俺は手の平を大げさに動かすとエドワルドに向けた。すると俺のまわりに人が増えた。
今回の付与は剣が軽く動く付与だ。ちょっとした重心の変化、握りの強弱で動き回る付与だ。
エドワルドの剣は右に左に上に下に動き回る。エドワルドも剣に引きづられて動き回る。対戦相手はエドワルドの変な動きから逃げ回っている。
対戦相手に速度増加の付与をかけてあげた。これで安全に逃げられる。でもゴメン君はここで退場ね。
エドワルドに重量増加をかけて動きを封じる。それから対戦相手を転ばせるとエドワルドをゆっくりと動かし、首に剣を向けさせる。・・・・疲れたがエドワルドが勝った。
王子は単純に相手の動きを鈍らせておいた。
ラムは勝ち上がり、決勝戦にコマを進めた。エドワルドと第二王子どちらか勝った方がラムと戦う。
俺はいやがらせのネタも尽きたし飽きたのでなにもせず見物することにしました。俺のまわりには王子の護衛やバージル、エドワルドの友人などが座っている。俺はおおげさな動作でエドワルドに手の平を向けた。
『魔力なし』がなにかするとほんとに思っているのだろうか?
剣を合わせた途端エドワルドの剣が飛んで行って試合が終わった。エドワルド弱すぎだろ。
決勝戦は王子とラムだ。これもなにもしなくてもラムが勝つだろう。王子がここまできたのが間違いだからな。
ラムは会場に出てくると俺に向かって手を振った。俺も手を振った。
王子はなかなかの腕前だったが、ラムは適度に相手をして綺麗に勝った。王子は礼儀正しくラムを祝福して観衆は二人の健闘を讃えた。
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