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クラスメートのサイモン・マクミラン侯爵令息は驚いた
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教室にはいると
「お前って魔力なしの『余り物』のくせに弟を虐めて使用人を虐めて親にだって殴りかかって勘当されるそうじゃないか。このクラスの恥なんだよ。でかい顔してんじゃないよ」
といきなり怒鳴り声が聞こえた。確かあいつは子爵家次男のイルム・バードだ。
「確かに俺は『余り物』だよ。だけど顔のサイズは普通だよ。弟をいじめたりしてないよ。ほとんど顔をみることもなかったし」
とフレデリックが答えている。
「お前、馬鹿にしてるのか?」
「してないよ、どこで俺が君を馬鹿にしてるって判断したの?」
「・・・・・」
フレデリック・ブルークリフのことはお茶会で聞いたことがある。ブルークリフ伯爵夫人が愚痴をこぼしていたんだ。
「今日こそ、フレデリックを連れてきたかったんですが、あの子と来たら服をみんな切り裂いてしまって・・・・」
「大変でしたね。でもエドワルド様がいらっしゃるから・・・・」
「エドワルドもいろいろ大変な目に合っていて」
伯爵夫人はその後もいろいろ話していて、皆はフレデリックの恐ろしさに震え上がったのだ。
自己紹介の時、初めてフレデリックがだれか分かった。すごいびっくりした。だって僕はその人をみてなんて綺麗なんだと思って、出来れば親しくなりたいと思っていたから。
皆は僕も含めて彼を遠巻きにしていたが、どうしても惹きつけられてしまう。綺麗に整った顔と小柄で華奢な体。銀色の髪は角度によって緑が混じる。紫の瞳。凶暴で愚かで言葉が通じない獣だという部分がないのだ。
そして剣術の時間、彼はとても弱かった。剣の持ち方すら知らないようだった。そして騎士の人もなにも教えずに放置していた。あんなに軟弱でどうやって乱暴者にもなれるのだろうか・・・
と思っている間にイルムが魔力を練り始めた。それをフレデリックは見ていた。ちょっと驚いている。
そしてなにも起こらなかった。
いや、なにかがイルマに起こったかも知れない。練っていた魔力が消えるとイルマが床にのびていた。
教師が入ってきてイルマをみてなにか言おうとした時、イルマがギギーと擬音が聞こえるような動作で起きた。
イルマは起き上がるとギクシャク歩いて席に座ってそのままじっと動かなかった。
イルマはそのおかしな状態のまま食堂に行き、テーブルについた。それから急に立ち上がりあたりをキョロキョロとみてフレデリックを見つけると
「お前、なにをした」とフレデリックに怒鳴りつけた。
「なにもしてないよ。俺は『魔力なし』の『余り物』だよ。その俺が誰かになにかできると思うの?君は『魔力なし』からなにかされる程弱いのかい?」
「確かにそうですわ。この者はブルークリフ家の恥さらしですわ」と他のクラスの女子生徒が言った。
「そうですわ、ブルークルフ伯爵夫人がお茶会でお話なさったと母も言っておりました。『魔力なし』の『余り物』のことを」とそばにいた別の女子生徒が言った。
「『魔力なし』の『余り物』と俺のことを伯爵夫人が言い回っていることが。確かに今お二人のおかげで伯爵夫人が自分のうちの恥を言い回ったことがわかったけど・・・・・まぁどうでもいいけどね。で、イルマに確認したいんだけど君は俺がなにかしたと思っているんだね。『魔力なし』で『余り物』になにかされるほど。君すごく弱いんだね。もしかして頭とか」
「貴様ーー」
イルマはフレデリックに殴りかかったが、その場に転んだ。
「伯爵家にいるときは食べ物に不自由してたから食事はとても大切なのに、迷惑なんだよな。『魔力なし』の『余り物』でそのうえなんだっけ・・・そうだ『ブルークリフ家の恥さらし』なんてほおっておいて欲しいんだけどね。俺がなにをしようとお前になんの関係もないだろ」
フレデリックはお盆を持つと離れた場所に移った。そして食事を始めた。
「お前って魔力なしの『余り物』のくせに弟を虐めて使用人を虐めて親にだって殴りかかって勘当されるそうじゃないか。このクラスの恥なんだよ。でかい顔してんじゃないよ」
といきなり怒鳴り声が聞こえた。確かあいつは子爵家次男のイルム・バードだ。
「確かに俺は『余り物』だよ。だけど顔のサイズは普通だよ。弟をいじめたりしてないよ。ほとんど顔をみることもなかったし」
とフレデリックが答えている。
「お前、馬鹿にしてるのか?」
「してないよ、どこで俺が君を馬鹿にしてるって判断したの?」
「・・・・・」
フレデリック・ブルークリフのことはお茶会で聞いたことがある。ブルークリフ伯爵夫人が愚痴をこぼしていたんだ。
「今日こそ、フレデリックを連れてきたかったんですが、あの子と来たら服をみんな切り裂いてしまって・・・・」
「大変でしたね。でもエドワルド様がいらっしゃるから・・・・」
「エドワルドもいろいろ大変な目に合っていて」
伯爵夫人はその後もいろいろ話していて、皆はフレデリックの恐ろしさに震え上がったのだ。
自己紹介の時、初めてフレデリックがだれか分かった。すごいびっくりした。だって僕はその人をみてなんて綺麗なんだと思って、出来れば親しくなりたいと思っていたから。
皆は僕も含めて彼を遠巻きにしていたが、どうしても惹きつけられてしまう。綺麗に整った顔と小柄で華奢な体。銀色の髪は角度によって緑が混じる。紫の瞳。凶暴で愚かで言葉が通じない獣だという部分がないのだ。
そして剣術の時間、彼はとても弱かった。剣の持ち方すら知らないようだった。そして騎士の人もなにも教えずに放置していた。あんなに軟弱でどうやって乱暴者にもなれるのだろうか・・・
と思っている間にイルムが魔力を練り始めた。それをフレデリックは見ていた。ちょっと驚いている。
そしてなにも起こらなかった。
いや、なにかがイルマに起こったかも知れない。練っていた魔力が消えるとイルマが床にのびていた。
教師が入ってきてイルマをみてなにか言おうとした時、イルマがギギーと擬音が聞こえるような動作で起きた。
イルマは起き上がるとギクシャク歩いて席に座ってそのままじっと動かなかった。
イルマはそのおかしな状態のまま食堂に行き、テーブルについた。それから急に立ち上がりあたりをキョロキョロとみてフレデリックを見つけると
「お前、なにをした」とフレデリックに怒鳴りつけた。
「なにもしてないよ。俺は『魔力なし』の『余り物』だよ。その俺が誰かになにかできると思うの?君は『魔力なし』からなにかされる程弱いのかい?」
「確かにそうですわ。この者はブルークリフ家の恥さらしですわ」と他のクラスの女子生徒が言った。
「そうですわ、ブルークルフ伯爵夫人がお茶会でお話なさったと母も言っておりました。『魔力なし』の『余り物』のことを」とそばにいた別の女子生徒が言った。
「『魔力なし』の『余り物』と俺のことを伯爵夫人が言い回っていることが。確かに今お二人のおかげで伯爵夫人が自分のうちの恥を言い回ったことがわかったけど・・・・・まぁどうでもいいけどね。で、イルマに確認したいんだけど君は俺がなにかしたと思っているんだね。『魔力なし』で『余り物』になにかされるほど。君すごく弱いんだね。もしかして頭とか」
「貴様ーー」
イルマはフレデリックに殴りかかったが、その場に転んだ。
「伯爵家にいるときは食べ物に不自由してたから食事はとても大切なのに、迷惑なんだよな。『魔力なし』の『余り物』でそのうえなんだっけ・・・そうだ『ブルークリフ家の恥さらし』なんてほおっておいて欲しいんだけどね。俺がなにをしようとお前になんの関係もないだろ」
フレデリックはお盆を持つと離れた場所に移った。そして食事を始めた。
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