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「皆様、本日はお忙しいなかお集まりいただきまして、ありがとうございます。わたくしは司会のウエヤマ・イチロウです」
ここは拍手かなって思ったけど、顔を見合わせてやめた。
「コジカ・マドカさんの申し立てで、本日も学校関係者のみなさまが集まってくれています。ありがとうございます」
どうしようかと思った時、レイナがすっと立ち上がった。真似してみんな立ち上がった。レイナは取材の人に向いた。わたしたちはその意を汲んだ。全員が揃ってお辞儀をした。頭をあげたレイナは次にコジカ・マドカにお辞儀をした。
わたしたちは同じタイミングで頭をあげると黙って座った。
司会の人はにっこり笑うと
「こちらのコジカ・マドカさん、そしてマドカさんを心配したミズムラ・タツヤさんが駆けつけました」
ふーーん、ミズムラさんかと思った。
「えっとミズムラさんはご存知のようにコジカ・マドカさんと多くの作品で共演され、私生活でも共に歩んだ時期がございました」
わすれないようにしっかりと司会のウエヤマさんを見てわたしは覚えようと頑張った。
「離婚という選択をしたお二人ですが、お互いをおもいやる気持ちに変わりはなく、ミズムラさんはコジカさんを支える為に本日駆けつけたそうでございます」
なるほど・・・離婚しても友達ってことか、芸能人は違うね・・・と思った。
みんなも同じように思ったみたいで
「離婚しても思いやるって芸能人は違うのね」とミヨコがルミコに言っている。
「ほんとだよね。この前、お向かいさんが離婚したけど、つかみあってた」と言ってる。ほんと、あの時は騒ぎだったわ。
司会者はわたしたちがざわざわしたせいか、ちょっと声を大きくして話していた。しまった。ちょっと聞き漏らした。
「・・・コジカさんの主張は変わらず誠意を込めた謝罪とみなさまとの共演」
「待て、おれも主演をするぞ」と往年の・・・ミズムラさんが割り込んだ。
「はい、コジカさんとミズムラさんを主演。お二人を囲んで生徒さんが踊り、振り付けを提供したコジカさんへの感謝をして欲しいと言うことです」
「慰謝料は払わなくていいんですか?」とマサトが言った。
そう、確か、昨日は慰謝料とか言ってたよね。
司会がコジカさんを見ると、おじさんが
「慰謝料の請求はございません」と答えた。
「わかりました。それで振り付けを指導したとか教えたと言ってますけど、それは勘違いだと思います」
「なんですって!!勘違いってなによ・・・人をボケ老人扱いして」
「いえ、ボケたと思っていません。意識して振り付けを教えたと言ってますか?」とマサトが答えている。
「えぇ、教えたかた教えたと。振り付けもわたしが考えて指導したのよ」とコジカが答えている。
マサトはおじさんのほうを見て
「間違いないですか?」と言った。するとミズムラさんが
「君、大人相手に失礼だよ」と言った。
「いえ、相手が大人でも子供でも関係ないですし、最初に生徒会の僕が話すと言ってます。そうでないと全員が話すと収拾がつかなくなります。これでも僕たちディベートを学んでおりますので今日は実践授業のつもりで来ております。ね?先生単位に含まれますよね」と最後はエリカ先生のほうを向いた言った。
「もちろんです。機会があれば全員に一言って出来ますか?」と先生は司会を見た。
「承知しました。それでは、みなさんは挙手して下さい」と司会はわたしたちの方を見て言った。
「はい」と何人かが手をあげた。
「はい、そちら」と指されたのは、ハヤトだった。
「はい、あの振り付けですが、あれってDVDのパクリだけど・・・音楽だってCDだし・・・おばあちゃんが出てくるのは、振り付けが緩いから、ステップとか多めに踏むようにしたり、回るのを増やしたりしてるけど、パクリだよ。
それを練習してるときに来ただろう。覚えてないのか?」とハヤトが言うと
「なにを言ってるの。ダンスのステップはある程度決まりがあるけど、それを組み合わせるには経験とセンスがいるのよ。わたしにはそのどちらもあるの。あなたたちを指導して励ましたのを忘れたとは言わせないわ」
「そうか・・・そっちの人も」と言いかけたハヤトに「ミズムラ」と誰かが教えた。
「ミズムラさんはコジカさんの言い分を信じるのか? 俺たちの踊りを見てないよな?」とハヤトが言うと
「信じるともよ。コジカ・マドカを」と答えが返って来た。
ここは拍手かなって思ったけど、顔を見合わせてやめた。
「コジカ・マドカさんの申し立てで、本日も学校関係者のみなさまが集まってくれています。ありがとうございます」
どうしようかと思った時、レイナがすっと立ち上がった。真似してみんな立ち上がった。レイナは取材の人に向いた。わたしたちはその意を汲んだ。全員が揃ってお辞儀をした。頭をあげたレイナは次にコジカ・マドカにお辞儀をした。
わたしたちは同じタイミングで頭をあげると黙って座った。
司会の人はにっこり笑うと
「こちらのコジカ・マドカさん、そしてマドカさんを心配したミズムラ・タツヤさんが駆けつけました」
ふーーん、ミズムラさんかと思った。
「えっとミズムラさんはご存知のようにコジカ・マドカさんと多くの作品で共演され、私生活でも共に歩んだ時期がございました」
わすれないようにしっかりと司会のウエヤマさんを見てわたしは覚えようと頑張った。
「離婚という選択をしたお二人ですが、お互いをおもいやる気持ちに変わりはなく、ミズムラさんはコジカさんを支える為に本日駆けつけたそうでございます」
なるほど・・・離婚しても友達ってことか、芸能人は違うね・・・と思った。
みんなも同じように思ったみたいで
「離婚しても思いやるって芸能人は違うのね」とミヨコがルミコに言っている。
「ほんとだよね。この前、お向かいさんが離婚したけど、つかみあってた」と言ってる。ほんと、あの時は騒ぎだったわ。
司会者はわたしたちがざわざわしたせいか、ちょっと声を大きくして話していた。しまった。ちょっと聞き漏らした。
「・・・コジカさんの主張は変わらず誠意を込めた謝罪とみなさまとの共演」
「待て、おれも主演をするぞ」と往年の・・・ミズムラさんが割り込んだ。
「はい、コジカさんとミズムラさんを主演。お二人を囲んで生徒さんが踊り、振り付けを提供したコジカさんへの感謝をして欲しいと言うことです」
「慰謝料は払わなくていいんですか?」とマサトが言った。
そう、確か、昨日は慰謝料とか言ってたよね。
司会がコジカさんを見ると、おじさんが
「慰謝料の請求はございません」と答えた。
「わかりました。それで振り付けを指導したとか教えたと言ってますけど、それは勘違いだと思います」
「なんですって!!勘違いってなによ・・・人をボケ老人扱いして」
「いえ、ボケたと思っていません。意識して振り付けを教えたと言ってますか?」とマサトが答えている。
「えぇ、教えたかた教えたと。振り付けもわたしが考えて指導したのよ」とコジカが答えている。
マサトはおじさんのほうを見て
「間違いないですか?」と言った。するとミズムラさんが
「君、大人相手に失礼だよ」と言った。
「いえ、相手が大人でも子供でも関係ないですし、最初に生徒会の僕が話すと言ってます。そうでないと全員が話すと収拾がつかなくなります。これでも僕たちディベートを学んでおりますので今日は実践授業のつもりで来ております。ね?先生単位に含まれますよね」と最後はエリカ先生のほうを向いた言った。
「もちろんです。機会があれば全員に一言って出来ますか?」と先生は司会を見た。
「承知しました。それでは、みなさんは挙手して下さい」と司会はわたしたちの方を見て言った。
「はい」と何人かが手をあげた。
「はい、そちら」と指されたのは、ハヤトだった。
「はい、あの振り付けですが、あれってDVDのパクリだけど・・・音楽だってCDだし・・・おばあちゃんが出てくるのは、振り付けが緩いから、ステップとか多めに踏むようにしたり、回るのを増やしたりしてるけど、パクリだよ。
それを練習してるときに来ただろう。覚えてないのか?」とハヤトが言うと
「なにを言ってるの。ダンスのステップはある程度決まりがあるけど、それを組み合わせるには経験とセンスがいるのよ。わたしにはそのどちらもあるの。あなたたちを指導して励ましたのを忘れたとは言わせないわ」
「そうか・・・そっちの人も」と言いかけたハヤトに「ミズムラ」と誰かが教えた。
「ミズムラさんはコジカさんの言い分を信じるのか? 俺たちの踊りを見てないよな?」とハヤトが言うと
「信じるともよ。コジカ・マドカを」と答えが返って来た。
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