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16 その日、ルミコは間にあわなかった
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拍手されて照れている間に、話し合いは明日にしましょうと言うことになった。
コジカ側との打ち合わせは、マサトとレイナがやったようだ。そして解散となった時、ルミコたち三人が戻って来た。
会場の様子を見て、関係者の人がルミコに向かって黙るように合図をして、あの合図ね、唇に人差し指を当てるあれをすると、マサトたちのところへ行って様子を見ていた。見ているとルミコが泣き出したが、マサトがすぐにかけつけてなにか話すと少しルミコが笑い、それを見たアキラがほっとしていた。
わたしたちは関係者に送られて、宿舎に戻った。宿舎には軽食が用意されていて、それを見たわたしたちはすごくおなかが空いていることに気がついた。
レイナが、おなかいっぱい食べるのは美容に悪いから少しだけね。そして明日はゆっくり起きればいいから、ベッドでぐずぐずしてね。と言った。レイナ流石だ。
翌朝、お昼すぎには全員が部屋から出てきた。ゆっくり寝て気分転換できた。
「みんな、揃ってるわね。ゆっくり眠れた? 昨日はむかついたわね」とレイナが話し始めた。
「むかつくってどういうこと?コジカさんは大物よ。さからわずに言うことを聞いたほうが賢いわ」とカスミが言った。
「うるさい黙って」とレイナが言うと
「「「ほんと、ほんと」」」と言う声が聞こえた。
「ダンスを見せるって話しになっていたけど、コジカさんの体調が悪いそうなの。心労だそうよ」とレイナが言うと
「「「「ほんとかな?」」」」と「「おばさんだもんな」」わたしたちは言い合った。
「あなたたち、現実を見た方がいいわよ」とカスミが言うと
「出て行って」とレイナがあっさり言った。
「いいの?後悔するわよ」とカスミが言ってもレイナは、平気でもう一度
「出て行って、嫌がらせしか言わないでしょ。あなたが言ってることって単なる嫌がらせ。意見じゃない。謝ろうってことになったら、謝ることないって言うでしょ。迷惑で面倒くさいから黙って。出来ないなら出て行って」と言った。
さすがのカスミも涙ぐんだけど
「今、時間がないから泣いても慰めることはできない。だいたい自業自得を慰めて貰えると思うほど甘くないよね」とレイナが切って捨てた。
ちょっと怖いと思った。レイナごめん。
「それで、今日も話し合いだけど希望者は一緒に行きましょう。ダンスを見せるかもなので、準備もよろしく。三十分後に出発です」
その声でわたしたちは、さっと立ち上がるとやる気まんまんでステップを踏みながら部屋を出ようとしたが、カスミが目に入った。
カスミはなにかつぶやいているのか、小さく口が動いていた。同情したよ。辛いだろうし、口惜しいだろうって、だけど人にそういう思いをさせてきたのはカスミ。自業自得。そう思って声をかけなかった。
今日は昨日より少し狭い部屋が準備されていた。それなのに、取材の人たちは増えていた。さすがコジカ・マドカってことなのかな?
「生徒の写真はとらないで下さい。一般人です。学校は生徒会のぼくとこちらのレイナが話をします。それと先生ですね」とマサトが取材陣に向かって言っている。
こいつ随分なれてるな・・・田舎の貧乏な庶民のくせに・・・弟の分際で姉ちゃんより偉いとは・・・
わたしたちが席について、三十分ほどしてからコジカ一行が現れた。人数が増えていた。
随分、派手な格好の人だけど笑ったとき、歯が目立ったから芸能人だとわかった。
多分、往年のなんとかだろう・・・自己紹介するだろうから覚えておいて町の人に教えてあげなきゃ。
コジカ側との打ち合わせは、マサトとレイナがやったようだ。そして解散となった時、ルミコたち三人が戻って来た。
会場の様子を見て、関係者の人がルミコに向かって黙るように合図をして、あの合図ね、唇に人差し指を当てるあれをすると、マサトたちのところへ行って様子を見ていた。見ているとルミコが泣き出したが、マサトがすぐにかけつけてなにか話すと少しルミコが笑い、それを見たアキラがほっとしていた。
わたしたちは関係者に送られて、宿舎に戻った。宿舎には軽食が用意されていて、それを見たわたしたちはすごくおなかが空いていることに気がついた。
レイナが、おなかいっぱい食べるのは美容に悪いから少しだけね。そして明日はゆっくり起きればいいから、ベッドでぐずぐずしてね。と言った。レイナ流石だ。
翌朝、お昼すぎには全員が部屋から出てきた。ゆっくり寝て気分転換できた。
「みんな、揃ってるわね。ゆっくり眠れた? 昨日はむかついたわね」とレイナが話し始めた。
「むかつくってどういうこと?コジカさんは大物よ。さからわずに言うことを聞いたほうが賢いわ」とカスミが言った。
「うるさい黙って」とレイナが言うと
「「「ほんと、ほんと」」」と言う声が聞こえた。
「ダンスを見せるって話しになっていたけど、コジカさんの体調が悪いそうなの。心労だそうよ」とレイナが言うと
「「「「ほんとかな?」」」」と「「おばさんだもんな」」わたしたちは言い合った。
「あなたたち、現実を見た方がいいわよ」とカスミが言うと
「出て行って」とレイナがあっさり言った。
「いいの?後悔するわよ」とカスミが言ってもレイナは、平気でもう一度
「出て行って、嫌がらせしか言わないでしょ。あなたが言ってることって単なる嫌がらせ。意見じゃない。謝ろうってことになったら、謝ることないって言うでしょ。迷惑で面倒くさいから黙って。出来ないなら出て行って」と言った。
さすがのカスミも涙ぐんだけど
「今、時間がないから泣いても慰めることはできない。だいたい自業自得を慰めて貰えると思うほど甘くないよね」とレイナが切って捨てた。
ちょっと怖いと思った。レイナごめん。
「それで、今日も話し合いだけど希望者は一緒に行きましょう。ダンスを見せるかもなので、準備もよろしく。三十分後に出発です」
その声でわたしたちは、さっと立ち上がるとやる気まんまんでステップを踏みながら部屋を出ようとしたが、カスミが目に入った。
カスミはなにかつぶやいているのか、小さく口が動いていた。同情したよ。辛いだろうし、口惜しいだろうって、だけど人にそういう思いをさせてきたのはカスミ。自業自得。そう思って声をかけなかった。
今日は昨日より少し狭い部屋が準備されていた。それなのに、取材の人たちは増えていた。さすがコジカ・マドカってことなのかな?
「生徒の写真はとらないで下さい。一般人です。学校は生徒会のぼくとこちらのレイナが話をします。それと先生ですね」とマサトが取材陣に向かって言っている。
こいつ随分なれてるな・・・田舎の貧乏な庶民のくせに・・・弟の分際で姉ちゃんより偉いとは・・・
わたしたちが席について、三十分ほどしてからコジカ一行が現れた。人数が増えていた。
随分、派手な格好の人だけど笑ったとき、歯が目立ったから芸能人だとわかった。
多分、往年のなんとかだろう・・・自己紹介するだろうから覚えておいて町の人に教えてあげなきゃ。
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