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12 犯人は? 彼女としか・・・
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玄関で待っているとカスミが帰って来た。
「あら、キリコ。その人、この前の人だよね。うまく捕まえたんだね。おめでとう」と言うと、なかに入ろうとした。
なにか言ってやろうとしたが、声が出ない。そこにサチヨがやって来た。いきなりカスミに平手打ちをすると
「この最低な女」と罵った。
「なにするのよ。わたしじゃないわよ」とカスミが言うが、そのセリフ白状したのと同じじゃない?
「サチヨさん、行きましょう。お祖母ちゃんが楽しみ待ってる」とポールが割り込んだ。そして合図をすると車がすっと近寄って来て止まった。
「なに?衣装買いに行くの? ずるい。お金で解決とか」とカスミが言うとサチヨも気がついたみたい。そして間抜けぶりに毒気を抜かれたみたいで
「うん、行きましょう。お願いします」と言うと車に乗り込んだ。
走り出した車のなかでサチヨは
「なんだか、もういいやって思った」と言った。わたしも「そうだよね」と答えた。
「この問題に僕は、僕たちは口を出さないけど、なにかあったら、頼って、相談して。ね!」とポールが言った。
人懐こさが増した笑顔にわたしも精一杯の笑顔で答えた。
お祖母ちゃんの家は古いかっこいいお家だった。
そこで、おばあちゃんは椅子にかけていたが、お手伝いさんが二人待っていて、サチヨを連れて行った。
しばらくして三人はそれぞれ腕に服をたくさん抱えて戻って来た。
それをサチヨは端から試着した。お祖母ちゃんをそれを見てついつい昔話をしそうになりながら、
「いやいや、ダメよね」とか言いながら見て、サチヨの衣装は決まった。
後でサチヨに聞くと、歌う歌はなにと聞かれて、これと言ったら年代はこのへんかなとかお手伝いさん二人が出して来てそれを、持って来て試着したらしい。
もう服がたくさんあって、驚いたそうだ。
「あの大きなショッピングセンターにあるよりたくさんある」と断言されたのは信じなかったけど・・・
それからわたしにも用意してくれて
「そちら様にはこれをどうぞ」と渡されたのは、おじさんと組む時ようの衣装だった。
思わずそれを胸に抱きしめた。
「それじゃ、お祖母ちゃん。慌ただしくてごめん。また来るよ。彼女たちが疲れないように今日は帰るね」とポールは言うなり、わたしたちをうながしてお暇したのだった。
宿舎に戻ると皆、戻っていた。ポールとはここで別れたが、おかしな雰囲気だったけど誰もカスミを責めていなかった。
あれ?と思っているとマサトが、
「姉ちゃん」と寄って来た。小声で
「とりあえず、犯人さがしはなし。一応警察には言った。俺とレイナさんと先生が話をする。疑っているが証拠もないし、疑いを誰も口に出していない」
「へ?」
「民度が高いよな」
「間抜け、腑抜けって事よ」
「劇が大事だからな」
「わかった」
その夜は、衣装を皆自分の部屋に持ち込んだ。
わたしはあまり眠れなかった。他の人はどうなのだろう?
明日はリハーサル。明後日は本番だ。部屋で衣装を着るとホールに向かった。
「あら、キリコ。その人、この前の人だよね。うまく捕まえたんだね。おめでとう」と言うと、なかに入ろうとした。
なにか言ってやろうとしたが、声が出ない。そこにサチヨがやって来た。いきなりカスミに平手打ちをすると
「この最低な女」と罵った。
「なにするのよ。わたしじゃないわよ」とカスミが言うが、そのセリフ白状したのと同じじゃない?
「サチヨさん、行きましょう。お祖母ちゃんが楽しみ待ってる」とポールが割り込んだ。そして合図をすると車がすっと近寄って来て止まった。
「なに?衣装買いに行くの? ずるい。お金で解決とか」とカスミが言うとサチヨも気がついたみたい。そして間抜けぶりに毒気を抜かれたみたいで
「うん、行きましょう。お願いします」と言うと車に乗り込んだ。
走り出した車のなかでサチヨは
「なんだか、もういいやって思った」と言った。わたしも「そうだよね」と答えた。
「この問題に僕は、僕たちは口を出さないけど、なにかあったら、頼って、相談して。ね!」とポールが言った。
人懐こさが増した笑顔にわたしも精一杯の笑顔で答えた。
お祖母ちゃんの家は古いかっこいいお家だった。
そこで、おばあちゃんは椅子にかけていたが、お手伝いさんが二人待っていて、サチヨを連れて行った。
しばらくして三人はそれぞれ腕に服をたくさん抱えて戻って来た。
それをサチヨは端から試着した。お祖母ちゃんをそれを見てついつい昔話をしそうになりながら、
「いやいや、ダメよね」とか言いながら見て、サチヨの衣装は決まった。
後でサチヨに聞くと、歌う歌はなにと聞かれて、これと言ったら年代はこのへんかなとかお手伝いさん二人が出して来てそれを、持って来て試着したらしい。
もう服がたくさんあって、驚いたそうだ。
「あの大きなショッピングセンターにあるよりたくさんある」と断言されたのは信じなかったけど・・・
それからわたしにも用意してくれて
「そちら様にはこれをどうぞ」と渡されたのは、おじさんと組む時ようの衣装だった。
思わずそれを胸に抱きしめた。
「それじゃ、お祖母ちゃん。慌ただしくてごめん。また来るよ。彼女たちが疲れないように今日は帰るね」とポールは言うなり、わたしたちをうながしてお暇したのだった。
宿舎に戻ると皆、戻っていた。ポールとはここで別れたが、おかしな雰囲気だったけど誰もカスミを責めていなかった。
あれ?と思っているとマサトが、
「姉ちゃん」と寄って来た。小声で
「とりあえず、犯人さがしはなし。一応警察には言った。俺とレイナさんと先生が話をする。疑っているが証拠もないし、疑いを誰も口に出していない」
「へ?」
「民度が高いよな」
「間抜け、腑抜けって事よ」
「劇が大事だからな」
「わかった」
その夜は、衣装を皆自分の部屋に持ち込んだ。
わたしはあまり眠れなかった。他の人はどうなのだろう?
明日はリハーサル。明後日は本番だ。部屋で衣装を着るとホールに向かった。
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