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09 ヒバリの活躍
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コジカマドカは急用が出来たとかで、夜のうちにいなくなっていた。
エリカ先生はしばらく裏方で忙しくなったので、わたしたちは自主練習をしている。
ここで、ヒバリが才能を見せた。確かにまえに並ぶ順番について遠慮がちに言って来たのを採用して、都会の子達に褒められたのだが、ある日ヒバリが、わたしたちの前に立った。驚いたことにマナブが力づけるようにそばに立っている。
「背景を描いて来たから、前に立ってくれない?」え?いいけど立てばいいのよね。とわたしたちは、その前に立った。見学者を意識してちょっとポーズを決めたりして。
すると見学者が
「そっちの方がいい」と拍手した。それでヒバリにいろいろ聞くと、衣装はこんな色で行きたいとかあるらしい。
わたしたちは、お互いを見てうなづいた。
「任せるよ、ヒバリさん。舞台の見た目を全部。見栄えのいい舞台にしてくれ」とハヤトが言った。
マナブがこっそりヒバリの親指を立てていた。へっへっへ。見たぞ!!
ハヤトのおかあさんはサチヨの着る衣装のお直しをしてくれた心強い味方だ。おかあさんはハヤトの話を聞くと学校に来てヒバリと細かく打ち合わせをした。
やがて、生徒のなかの希望者がおかあさんの指導の元、普段着を衣装に変えるお仕事を始めた。
ヒバリが舞台をかっこよくし始めるとカスミが、そばをうろちょろし始めた。
「そういう風に変えたのね」いかにも自分の提案をヒバリが取り入れたと言った振り。
「それもいいやり方ね」「さすがね、ヒバリ」自分の存在をアピールしている。
「あんな事するようになるとか、痛々しいね」とミヨコが言った。心を読まれたようで驚いた。すぐにミヨコは
「独り言よ」と付け足した。ミヨコの学んでいるんだ。
「あんな事しなくても充分目立っているのに」とわたしも独り言。
練習する日々はとても楽しくて、ずっとこれが続くといいのにと思っていた。二度と戻らない今、この瞬間。
煌く時間。
そして今日は本番と同じ事をやる。練習をずっと見てきた人たちに見せるから新鮮さがないかも知れないけど・・・
いつもは「どうもーー」とか「こんにちは」とか言いながら、勝手に入って来る人たちが、外に並んでいる。
レイナが外の人たちの様子をみながら、準備の具合を確認して、外の人にもちょこちょこ、声をかけている。
ヒバリが、照明の具合を見てにこにこ笑って、お礼を言っている。その隣でカスミがごちょごちょ言っているが、ヒバリ以外無視している。ヒバリだけが「そうだね」とか答えてあげている。人がいい・・・
そしてお客様をなかに入れてた。形ばかりの楽団が音合わせをしている。音の大部分は、CDにお任せなのだ。
楽団もヒバリの意見で着替えるし、場面によっては舞台に上がる。これが彼らに好評で、ヒバリのファンが増えた。
そして、幕が上がった。
最後に思いがけない事が起こった。劇の終盤、町の人が見に来る場面。町の人は全員でやるんだが、半透明は絵を描いて一人が二体持って出るのだが、なんと観客が舞台にあがってきたのだ。半透明はどうした!存在感ありまくりだ。
観客全員が舞台に上がれなかったが、皆で最後に歌い、ステップを踏んで盛り上がって最後の練習が終わった。
そして、マサトがこの模様を新聞社に送ったのだ。するとまるで映画のような事が起きた。
わたしたちは、演劇の全国大会に特別枠で招待されたのだ。
なんだか、政治の思惑もあるみたいだが、地方に目を向けてますってことらしい・・・でもそんなことはどうでもいい。
この楽しい日々が終わらないこと。勉強もまだしなくていいこと。そして大会は首都であることで大喜びした。
エリカ先生はしばらく裏方で忙しくなったので、わたしたちは自主練習をしている。
ここで、ヒバリが才能を見せた。確かにまえに並ぶ順番について遠慮がちに言って来たのを採用して、都会の子達に褒められたのだが、ある日ヒバリが、わたしたちの前に立った。驚いたことにマナブが力づけるようにそばに立っている。
「背景を描いて来たから、前に立ってくれない?」え?いいけど立てばいいのよね。とわたしたちは、その前に立った。見学者を意識してちょっとポーズを決めたりして。
すると見学者が
「そっちの方がいい」と拍手した。それでヒバリにいろいろ聞くと、衣装はこんな色で行きたいとかあるらしい。
わたしたちは、お互いを見てうなづいた。
「任せるよ、ヒバリさん。舞台の見た目を全部。見栄えのいい舞台にしてくれ」とハヤトが言った。
マナブがこっそりヒバリの親指を立てていた。へっへっへ。見たぞ!!
ハヤトのおかあさんはサチヨの着る衣装のお直しをしてくれた心強い味方だ。おかあさんはハヤトの話を聞くと学校に来てヒバリと細かく打ち合わせをした。
やがて、生徒のなかの希望者がおかあさんの指導の元、普段着を衣装に変えるお仕事を始めた。
ヒバリが舞台をかっこよくし始めるとカスミが、そばをうろちょろし始めた。
「そういう風に変えたのね」いかにも自分の提案をヒバリが取り入れたと言った振り。
「それもいいやり方ね」「さすがね、ヒバリ」自分の存在をアピールしている。
「あんな事するようになるとか、痛々しいね」とミヨコが言った。心を読まれたようで驚いた。すぐにミヨコは
「独り言よ」と付け足した。ミヨコの学んでいるんだ。
「あんな事しなくても充分目立っているのに」とわたしも独り言。
練習する日々はとても楽しくて、ずっとこれが続くといいのにと思っていた。二度と戻らない今、この瞬間。
煌く時間。
そして今日は本番と同じ事をやる。練習をずっと見てきた人たちに見せるから新鮮さがないかも知れないけど・・・
いつもは「どうもーー」とか「こんにちは」とか言いながら、勝手に入って来る人たちが、外に並んでいる。
レイナが外の人たちの様子をみながら、準備の具合を確認して、外の人にもちょこちょこ、声をかけている。
ヒバリが、照明の具合を見てにこにこ笑って、お礼を言っている。その隣でカスミがごちょごちょ言っているが、ヒバリ以外無視している。ヒバリだけが「そうだね」とか答えてあげている。人がいい・・・
そしてお客様をなかに入れてた。形ばかりの楽団が音合わせをしている。音の大部分は、CDにお任せなのだ。
楽団もヒバリの意見で着替えるし、場面によっては舞台に上がる。これが彼らに好評で、ヒバリのファンが増えた。
そして、幕が上がった。
最後に思いがけない事が起こった。劇の終盤、町の人が見に来る場面。町の人は全員でやるんだが、半透明は絵を描いて一人が二体持って出るのだが、なんと観客が舞台にあがってきたのだ。半透明はどうした!存在感ありまくりだ。
観客全員が舞台に上がれなかったが、皆で最後に歌い、ステップを踏んで盛り上がって最後の練習が終わった。
そして、マサトがこの模様を新聞社に送ったのだ。するとまるで映画のような事が起きた。
わたしたちは、演劇の全国大会に特別枠で招待されたのだ。
なんだか、政治の思惑もあるみたいだが、地方に目を向けてますってことらしい・・・でもそんなことはどうでもいい。
この楽しい日々が終わらないこと。勉強もまだしなくていいこと。そして大会は首都であることで大喜びした。
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