28 / 48
23 通し稽古通しの後で
しおりを挟む
エリザベートはロザモンドの所へは後で行く事として、お茶を飲むこととした。
「あのう、エリザベート様」とガーベラが珍しく言いにくそうにしている。
「なあに?もしかしてセリフを増やしたい?」とエリザベートが言うと
「いえ・・・それは・・・・」とガーベラは周りに助けを求めた。
「その、あの」とフリージアが話し出して
「剣をかっこよく使いたいです」
(汝が使う美しく、猛き剣を誰がために使うや)
(我が心の乙女は何処へ)とフリージアが答えると
「その言葉は自分で?」
「組み合わせました」
「大したものです」とエリザベートは褒めた。
「剣をかっこよく・・・・かっこいいようだけど・・・・」とエリザベートが言うと
「もっとかっこよくなって王妃殿下を・・・その・・・」とフリージアが言いよどむと
「わかりました。確かに王妃殿下を引き立てるのは大事な事・・・・王太子殿下に伝えるよう、ロザモンドにあなた方が頼みなさい」
「「「ありがとうございます」」」と返事が揃っていて、エリザベートは笑った。
彼女たちがロザモンドの部屋へ行くと、ロザモンドはラズにマッサージされていた。
「あーー脳みそが溶けて流れそうだった・・・・皆、上手でびっくりしたわ。お姉様に叱られる。キャリーにも悪いわ。ずっと教えてくれてるのに・・・・勉強しないと」と言っているのが聞こえて、全員がクスッとなった。
「ほら、もっと力を入れてそれじゃ、ロザモンド様がゆっくりできないわ」とケイトの声が聞こえて、全員がむっとなった。
ガーベラが文句を言いに行こうとするのを、ジャスミンが止めた。
「ほんとうに演劇の練習を初めて皆さん、浮ついて・・・・わたしが引き締めますから」とケイトがロザモンドに言ったが返って来たのは寝息だった。
目で合図しあった彼女たちは、静かに部屋に入るとガーベラが
「浮ついているってどういう事なの?」とロザモンドの眠りを妨げないように静かに聞いた。
「そのままよ」
「演劇は王妃殿下のお心にかなう事だし、ロザモンド様のお勉強にもなるし、皆が忙しいけど、和気あいあいとしてるわ」
「それはそうとケイト。あなた、いつも王太子殿下の所に行ってるみたいだけどなにしに?」とガーベラが言うと
「手紙を届けに」とケイトが答えると
「誰の手紙を」とガーベラが言うと
「エリザベート様の」とケイトが答えた。
「なぜ、主人でもない人の手紙を届けるの?」とジャスミンが不思議そうに聞くと
「わたしはエリザベート様の侍女・・・・・」とケイトの言葉が途中で消えた。
「あの人いつもここにいるよ」とフリージアがアネモネに囁いた声が皆に聞こえた。
「ねぇラズ、この人は誰に仕えてたの?」とガーベラが聞くと
「ロザモンド様です」とラズが答えた。相変わらず優しく、ロザモンドの頭をマッサージしている。
「誰に仕えてるの?」とガーベラがケイトに尋ねると
「ロザモンド様」
「誰の手紙を届けたの?」
「エリザベート様だけど、誤解しているようだから説明するけど、エリザベート様に頼まれて王太子殿下に手紙を届けていたの。そして王太子殿下にお願いして」
バシっと音がしてケイトがよろめいた。
起き上がったロザモンドが、ケイトの頬を叩いたのだった。
◇◇◇
「妹がいらないと言った婚約者は最高でした」
新作をあげました。読んで見て下さい。
「あのう、エリザベート様」とガーベラが珍しく言いにくそうにしている。
「なあに?もしかしてセリフを増やしたい?」とエリザベートが言うと
「いえ・・・それは・・・・」とガーベラは周りに助けを求めた。
「その、あの」とフリージアが話し出して
「剣をかっこよく使いたいです」
(汝が使う美しく、猛き剣を誰がために使うや)
(我が心の乙女は何処へ)とフリージアが答えると
「その言葉は自分で?」
「組み合わせました」
「大したものです」とエリザベートは褒めた。
「剣をかっこよく・・・・かっこいいようだけど・・・・」とエリザベートが言うと
「もっとかっこよくなって王妃殿下を・・・その・・・」とフリージアが言いよどむと
「わかりました。確かに王妃殿下を引き立てるのは大事な事・・・・王太子殿下に伝えるよう、ロザモンドにあなた方が頼みなさい」
「「「ありがとうございます」」」と返事が揃っていて、エリザベートは笑った。
彼女たちがロザモンドの部屋へ行くと、ロザモンドはラズにマッサージされていた。
「あーー脳みそが溶けて流れそうだった・・・・皆、上手でびっくりしたわ。お姉様に叱られる。キャリーにも悪いわ。ずっと教えてくれてるのに・・・・勉強しないと」と言っているのが聞こえて、全員がクスッとなった。
「ほら、もっと力を入れてそれじゃ、ロザモンド様がゆっくりできないわ」とケイトの声が聞こえて、全員がむっとなった。
ガーベラが文句を言いに行こうとするのを、ジャスミンが止めた。
「ほんとうに演劇の練習を初めて皆さん、浮ついて・・・・わたしが引き締めますから」とケイトがロザモンドに言ったが返って来たのは寝息だった。
目で合図しあった彼女たちは、静かに部屋に入るとガーベラが
「浮ついているってどういう事なの?」とロザモンドの眠りを妨げないように静かに聞いた。
「そのままよ」
「演劇は王妃殿下のお心にかなう事だし、ロザモンド様のお勉強にもなるし、皆が忙しいけど、和気あいあいとしてるわ」
「それはそうとケイト。あなた、いつも王太子殿下の所に行ってるみたいだけどなにしに?」とガーベラが言うと
「手紙を届けに」とケイトが答えると
「誰の手紙を」とガーベラが言うと
「エリザベート様の」とケイトが答えた。
「なぜ、主人でもない人の手紙を届けるの?」とジャスミンが不思議そうに聞くと
「わたしはエリザベート様の侍女・・・・・」とケイトの言葉が途中で消えた。
「あの人いつもここにいるよ」とフリージアがアネモネに囁いた声が皆に聞こえた。
「ねぇラズ、この人は誰に仕えてたの?」とガーベラが聞くと
「ロザモンド様です」とラズが答えた。相変わらず優しく、ロザモンドの頭をマッサージしている。
「誰に仕えてるの?」とガーベラがケイトに尋ねると
「ロザモンド様」
「誰の手紙を届けたの?」
「エリザベート様だけど、誤解しているようだから説明するけど、エリザベート様に頼まれて王太子殿下に手紙を届けていたの。そして王太子殿下にお願いして」
バシっと音がしてケイトがよろめいた。
起き上がったロザモンドが、ケイトの頬を叩いたのだった。
◇◇◇
「妹がいらないと言った婚約者は最高でした」
新作をあげました。読んで見て下さい。
125
お気に入りに追加
4,618
あなたにおすすめの小説
亡くなった王太子妃
沙耶
恋愛
王妃の茶会で毒を盛られてしまった王太子妃。
侍女の証言、王太子妃の親友、溺愛していた妹。
王太子妃を愛していた王太子が、全てを気付いた時にはもう遅かった。
なぜなら彼女は死んでしまったのだから。
あなたの子ではありません。
沙耶
恋愛
公爵令嬢アナスタシアは王太子セドリックと結婚したが、彼に愛人がいることを初夜に知ってしまう。
セドリックを愛していたアナスタシアは衝撃を受けるが、セドリックはアナスタシアにさらに追い打ちをかけた。
「子は要らない」
そう話したセドリックは避妊薬を飲みアナスタシアとの初夜を終えた。
それ以降、彼は愛人と過ごしておりアナスタシアのところには一切来ない。
そのまま二年の時が過ぎ、セドリックと愛人の間に子供が出来たと伝えられたアナスタシアは、子も産めない私はいつまで王太子妃としているのだろうと考え始めた。
離縁を決意したアナスタシアはセドリックに伝えるが、何故か怒ったセドリックにアナスタシアは無理矢理抱かれてしまう。
しかし翌日、離縁は成立された。
アナスタシアは離縁後母方の領地で静かに過ごしていたが、しばらくして妊娠が発覚する。
セドリックと過ごした、あの夜の子だった。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで
みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める
婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様
私を愛してくれる人の為にももう自由になります
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。
アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。
今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。
私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。
これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる