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11 夜会の準備
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社交シーズン最初の夜会が近づいた。前回は大商人のお嬢さんにロザモンドが、失礼な振る舞いをして後が大変だった催しだ。
お詫びの手紙を何通も書いて、実際に会ってお詫びとなると着るものがなくて、頭を下げて既製のドレスを取り寄せて貰うという情けない思いをしたのだった。
なんて自分は愚かだったのかと今にしてエリザベートは思う。
参加すらしていないエリザベートの、どこに責任があったというのだ。と言う事で今回は参加して見張ることにした。
そして、エリザベートは王太子に装身具を強請ることにした。持ってないから。
婚約している時に貰った物はすべてロザモンドが持っている。それを強要してきた母親。それを知ってもなんにもしてくれなかった婚約者。
確かに奪われっぱなしのわたくしもよくなかったと反省して、その分今回貰いましょうとエリザベートは王太子のもとを訪ねた。
手伝った執務の書類をキャリーに持たせて。
王太子の執務室に行くと護衛が慌てている。
「エリザベート妃殿下、あの・・・王太子殿下は・・・」
「執務もしないでロザモンドの所ですね」
「はい。あっいえその・・・・」
「キャリー」と言うとキャリーは書類を護衛に見せた。
「届けに来たんですが・・・本人に渡したいですね。ロザモンドの所に行きます。さっさと知らせてあげて」
そういうとロザモンドの所へ向かった。
歩いていると王太子が向こうから歩いて来た。知らせを聞いて慌てている。
「エリザベートどうしたのだ?」
「夜会のことでご相談がございまして」
「ゆっくり茶でも飲みながら話そう」
そう言いながら中庭に出て行く。エリザベートは二人で会うなんて何年ぶりかしらと思っていた。
「宝石が欲しいのか?」と王太子が言うと
「欲しいというより必要です」とエリザベートが、顎をあげながら答えた。
「持っているであろう。贈り物はないのか?」
「誰からの贈り物ですか?」とエリザベートが優しく答えた。
「親からと・・・・俺からも」
「子供の頃に親から貰った物を夜会には使えません」
「俺からも度々」
「勘違いしないで下さい。あなたはロザモンドには贈ってますが、わたくしには贈っていません」
きつい口調でそう言った。
「なぜ・・・ロザモンドに贈るんだ」と王太子が憤慨して言うと
「わたくしにわかるとでも?」と呆れた口調でエリザベートが答えた。
「そういえば、婚約破棄・・・・婚約解消の席でドレスがどうのこうのって・・・・まるで贈り物をたくさんしたような言い方でしたね」
そばの侍従を見て
「こういう勘違いはきちんと是正しておいて下さいね。お金の使い道はきちんと誰になにを贈ったかは記録してますよね。調べて殿下に教えて差し上げて下さいね」
それから王太子を見て
「夜会で使う宝石を買ってください」とエリザベートは勝ち誇って言った。
「わかった。好きに揃えろ」と王太子が言うと
「ありがとうございます」とバウンドを大きく切って口に入れると素早く咀嚼して飲み込み
「ほんとに惨めでしたよ。自分の婚約者が帰ったあと、妹から贈り物を自慢される日々でしたから」と続けるとお茶をゆっくりと飲んだ。王太子がなにやら言いたそうなのを無視して、バウンドを食べ終わるとクッキーを皿にとり、
「美味しいですね」と食べた。
食べ終わり、お茶を飲み終わった所に
「リック!急にどこに行ったの」と大声と共にロザモンドがあらわれた。
「わたくしは殿下としか呼べませんでした、リックと呼べるロザモンドが羨ましかったですわ」と言うと
「ロザモンド、ごめんなさいね。ちょっと急ぎだったの。ごゆっくりね」とロザモンドに笑いかけると
エリザベートは去って行った。
フレデリックはその姿をじっと見送った。
お詫びの手紙を何通も書いて、実際に会ってお詫びとなると着るものがなくて、頭を下げて既製のドレスを取り寄せて貰うという情けない思いをしたのだった。
なんて自分は愚かだったのかと今にしてエリザベートは思う。
参加すらしていないエリザベートの、どこに責任があったというのだ。と言う事で今回は参加して見張ることにした。
そして、エリザベートは王太子に装身具を強請ることにした。持ってないから。
婚約している時に貰った物はすべてロザモンドが持っている。それを強要してきた母親。それを知ってもなんにもしてくれなかった婚約者。
確かに奪われっぱなしのわたくしもよくなかったと反省して、その分今回貰いましょうとエリザベートは王太子のもとを訪ねた。
手伝った執務の書類をキャリーに持たせて。
王太子の執務室に行くと護衛が慌てている。
「エリザベート妃殿下、あの・・・王太子殿下は・・・」
「執務もしないでロザモンドの所ですね」
「はい。あっいえその・・・・」
「キャリー」と言うとキャリーは書類を護衛に見せた。
「届けに来たんですが・・・本人に渡したいですね。ロザモンドの所に行きます。さっさと知らせてあげて」
そういうとロザモンドの所へ向かった。
歩いていると王太子が向こうから歩いて来た。知らせを聞いて慌てている。
「エリザベートどうしたのだ?」
「夜会のことでご相談がございまして」
「ゆっくり茶でも飲みながら話そう」
そう言いながら中庭に出て行く。エリザベートは二人で会うなんて何年ぶりかしらと思っていた。
「宝石が欲しいのか?」と王太子が言うと
「欲しいというより必要です」とエリザベートが、顎をあげながら答えた。
「持っているであろう。贈り物はないのか?」
「誰からの贈り物ですか?」とエリザベートが優しく答えた。
「親からと・・・・俺からも」
「子供の頃に親から貰った物を夜会には使えません」
「俺からも度々」
「勘違いしないで下さい。あなたはロザモンドには贈ってますが、わたくしには贈っていません」
きつい口調でそう言った。
「なぜ・・・ロザモンドに贈るんだ」と王太子が憤慨して言うと
「わたくしにわかるとでも?」と呆れた口調でエリザベートが答えた。
「そういえば、婚約破棄・・・・婚約解消の席でドレスがどうのこうのって・・・・まるで贈り物をたくさんしたような言い方でしたね」
そばの侍従を見て
「こういう勘違いはきちんと是正しておいて下さいね。お金の使い道はきちんと誰になにを贈ったかは記録してますよね。調べて殿下に教えて差し上げて下さいね」
それから王太子を見て
「夜会で使う宝石を買ってください」とエリザベートは勝ち誇って言った。
「わかった。好きに揃えろ」と王太子が言うと
「ありがとうございます」とバウンドを大きく切って口に入れると素早く咀嚼して飲み込み
「ほんとに惨めでしたよ。自分の婚約者が帰ったあと、妹から贈り物を自慢される日々でしたから」と続けるとお茶をゆっくりと飲んだ。王太子がなにやら言いたそうなのを無視して、バウンドを食べ終わるとクッキーを皿にとり、
「美味しいですね」と食べた。
食べ終わり、お茶を飲み終わった所に
「リック!急にどこに行ったの」と大声と共にロザモンドがあらわれた。
「わたくしは殿下としか呼べませんでした、リックと呼べるロザモンドが羨ましかったですわ」と言うと
「ロザモンド、ごめんなさいね。ちょっと急ぎだったの。ごゆっくりね」とロザモンドに笑いかけると
エリザベートは去って行った。
フレデリックはその姿をじっと見送った。
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