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彼女の死後 1
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一回目です
エリザベートが執務室で冷たくなっているのを発見されたのは、その日の夕方だった。
早朝、ロザモンドの侍女が執務室に、スピーチの原稿を取りに来た。
間違いが起きないようにきちんと、清書するように言いつけられた彼女は、丁寧に書き写した。
『前に名前を間違えたのよね。あの女が変な署名をして・・・・』と一字一句間違えないように慎重に写した。
『最後の署名がエリザベートだって、またあの女こんな事をわたしが見破ってやったわ』と侍女は署名をした。
ロザモントラウブルと
朝、執務室にやって来た侍従は、エリザベートを見て、さぼってると思い、自分も溜まり場に行った。
ケイトはエリザベートの部屋に誰もいないのを見て、すぐにロザモンドの所に行った。
そしてロザモンドが隣国の客とのお茶会に出る為の着替えるのを手伝った。
ケイトはポケットから、エリザベートに渡された装いに関する注意書きを取り出した
「隣国では百合は葬儀に用いる花です。刺繍や装身具に使わないように」
それを皆の前で読み上げると
「ばかばかしい。ほんとに口うるさい」と言いながら、ポイとゴミ箱に捨てた。
その日のロザモンドのドレスの裾模様は新作の百合をモチーフにしたもので、髪飾りの意匠はブーケで小花が中心の百合を取り巻いているものだった。
ロザモンドが侍女とにぎやかに部屋をでた後で、掃除の為に部屋に入った少女はゴミ箱の書き付けを見つけ、字の練習の手本にしようと大事にポケットに入れた。
隣国との貿易交渉は、エリザベートの草案の通りに話を進めて、あとは条約の締結だけになった。
ここで、休憩も兼ねてお茶をご一緒にとロザモンドが合流した。
隣国の一行には、第二王子殿下が入っていた。彼は最近、幼馴染の婚約者をふいの事故で亡くしていた。
仕事に没頭して悲しみを忘れようとこの条約を一歩進めて平和条約にできればと意気込んでいたが、ロザモンドの装いを見て、顔色を変えた。
それまでのなごやかな雰囲気は一変した。しかしそれに気づかないロザモンドは得意げに原稿を読み上げた。
最後の ロザモンド・ラウブルまで・・・・・
第二王子だけが、パチパチパチパチパチと拍手して
「メンドーサ王太子妃殿下、素晴らしいお声ですね。わたしはずっと覚えています」と冷たく言った。
「どうもありが・・・・・」ロザモンドでも最後まで言えなかった。
「少し、部屋で休ませていただきます」とお茶に口もつけずに一行は席を立った。
「なに、あの人。わたしがなにしたって言うの!!」ロザモンドの叫びは一行の耳に届いた。
「お前、なんてことを・・・・・ロザ・・・・・・エリザ・・・・」ドアを開けるなり叫んだ王太子フレデリックの声は不自然に途切れた。
フレデリックは抱き起こしたエリザベートの冷たさと細さに愕然とした。
「エリザベートの侍女を呼べ」とフレデリックが言うと・・・・・・
「侍女はいないかと・・・・」と侍従が震える声で答えた。
「セントクレア侯爵夫妻を呼べ。夫人だけでも先に」と言うフレデリックの声に無言で一人が走り去った。
エリザベートが執務室で冷たくなっているのを発見されたのは、その日の夕方だった。
早朝、ロザモンドの侍女が執務室に、スピーチの原稿を取りに来た。
間違いが起きないようにきちんと、清書するように言いつけられた彼女は、丁寧に書き写した。
『前に名前を間違えたのよね。あの女が変な署名をして・・・・』と一字一句間違えないように慎重に写した。
『最後の署名がエリザベートだって、またあの女こんな事をわたしが見破ってやったわ』と侍女は署名をした。
ロザモントラウブルと
朝、執務室にやって来た侍従は、エリザベートを見て、さぼってると思い、自分も溜まり場に行った。
ケイトはエリザベートの部屋に誰もいないのを見て、すぐにロザモンドの所に行った。
そしてロザモンドが隣国の客とのお茶会に出る為の着替えるのを手伝った。
ケイトはポケットから、エリザベートに渡された装いに関する注意書きを取り出した
「隣国では百合は葬儀に用いる花です。刺繍や装身具に使わないように」
それを皆の前で読み上げると
「ばかばかしい。ほんとに口うるさい」と言いながら、ポイとゴミ箱に捨てた。
その日のロザモンドのドレスの裾模様は新作の百合をモチーフにしたもので、髪飾りの意匠はブーケで小花が中心の百合を取り巻いているものだった。
ロザモンドが侍女とにぎやかに部屋をでた後で、掃除の為に部屋に入った少女はゴミ箱の書き付けを見つけ、字の練習の手本にしようと大事にポケットに入れた。
隣国との貿易交渉は、エリザベートの草案の通りに話を進めて、あとは条約の締結だけになった。
ここで、休憩も兼ねてお茶をご一緒にとロザモンドが合流した。
隣国の一行には、第二王子殿下が入っていた。彼は最近、幼馴染の婚約者をふいの事故で亡くしていた。
仕事に没頭して悲しみを忘れようとこの条約を一歩進めて平和条約にできればと意気込んでいたが、ロザモンドの装いを見て、顔色を変えた。
それまでのなごやかな雰囲気は一変した。しかしそれに気づかないロザモンドは得意げに原稿を読み上げた。
最後の ロザモンド・ラウブルまで・・・・・
第二王子だけが、パチパチパチパチパチと拍手して
「メンドーサ王太子妃殿下、素晴らしいお声ですね。わたしはずっと覚えています」と冷たく言った。
「どうもありが・・・・・」ロザモンドでも最後まで言えなかった。
「少し、部屋で休ませていただきます」とお茶に口もつけずに一行は席を立った。
「なに、あの人。わたしがなにしたって言うの!!」ロザモンドの叫びは一行の耳に届いた。
「お前、なんてことを・・・・・ロザ・・・・・・エリザ・・・・」ドアを開けるなり叫んだ王太子フレデリックの声は不自然に途切れた。
フレデリックは抱き起こしたエリザベートの冷たさと細さに愕然とした。
「エリザベートの侍女を呼べ」とフレデリックが言うと・・・・・・
「侍女はいないかと・・・・」と侍従が震える声で答えた。
「セントクレア侯爵夫妻を呼べ。夫人だけでも先に」と言うフレデリックの声に無言で一人が走り去った。
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