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30 いけないことをやりましょう
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「やめますわ。やはりわたくしの才能を活かす場所じゃ、なかった」こうバーバラ・ジェーンが言った時
「そう来ましたか?ですが、もう少し官僚の身分を維持したほうが、それも王妃殿下の情けにすがった方が」とバージルが言った。
「馬鹿にしないで下さい。能力の評価も出来ない所で働きたくありません。わたくしにあんな雑用ばかりさせて・・・でもやめると困るでしょうね。困ればいいのです。王妃殿下の所もあんなお茶会。子供の遊びですか?相手は大司教だそうですが、貧しい生まれの貧乏臭い老人が繰り言を言うのをありがたく聞いて・・・」
「困りましたね。自信がない人間も困るが、勘違いを正すのは・・・難しいな。理解させるのではなく、力で抑えることしか出来ないな」とバージルはバーバラ・ジェーンを無視して話しだした。
「その娘は所詮届かない。理解できる所まで来れない。今後の楽しみに」と王妃は言ったが、最後の呟きはバージルにしか聞こえなかった。
「バーバラ・ジェーン。やめるということですね」とバージルが言うと
「そうよ」
「荷物はこちらで人を使ってすぐに届けます。侍女さんがまとめるでしょうから、あなたはすぐに退城して下さい。馬車乗り場まで送ります」とバージルはエスコートの手をバーバラ・ジェーンに差し出した。
二人の後ろ姿を見ながら、王妃はこらえきれずに笑った。
「さて、バーバラ・ジェーンの横領をどう処理するか?」とバージルが言った。
バーバラ・ジェーンの持ち込んだ机がなくなって広く感じる執務室だった。
「王妃殿下の予算というより、教会へ寄付するものを横取りしたって大きいですよ」とミックが言うと
「モルフィ侯爵家も追い落としたい所でしたし、侯爵家の意向ってことで押しましょう。残念ながらモルフィ家のほうは、証拠が抑えられなくて、あの娘がやっていた馬車同士の言いがかりくらいですね」とライリーが書類を見ながら言った。
「なんていうか喧嘩売って、言い負かして、勝ったぞ。すごいぞってやってるんだろ。なんか凄い背景があると思ったら子供じみたアホだよな。今回、王妃とぶつけてみて王妃がねじ伏せたが・・・なんか物足りないなぁ」
「考えてみたが、バージル。この娘がやっていたのと同じことをしてやればいいんだ。だがどうやればいいのか、考えつかない」
「寄付するのを横取りしたって言うのを大げさに言い立てれるってことだよな」
そこにジュディがやって来た。
「もう、殿下が怒って首切るって言ってるんですよ。本当に切る方です。合法的に、いちゃもんつけろって。いちゃもんって・・・要は冤罪ってことですよね。もう、なにやらせたいのでしょう。せいぜい出来ることって、王妃と教会の間に不信の種を蒔こうとした。とかそんな罪ですね」
「なるほど、その線で行くなら人のいい王妃が寄付しようとしたお金でドレスを作ったって言い立てる?」とミックが言うとジュディが言い出した。
「皆さん、わたくしが勘違いしているかも知れないので、確認します。モルフィ侯爵家を潰そうと思ってますか?
冤罪でもかまわない。潰すって思ってますか?バーバラ・ジェーンも一緒に」
「その通り。だが、冤罪じゃないんだ。ただ、証拠が揃わない。揃わないが犯罪者たちだ。ちっぽけな虚栄心を満たすために・・・誰かを踏みにじった。善意につけこんだ。心情的に許せない」とライリーが答えると
「わかりました。わたくしもやります」
「おぉやってくれるか」
「はい」
「衣装については、衣装を公開すればいいと思います。庶民の入れる場所で昼間でも照明がいる所に展示しましょう。装身具も靴も。高価なものだから護衛をつけて」
「なるほど、王妃の予算に手をつけて、教会との関係を悪化させようとしたバーバラ・ジェーンだったが」とライリーが芝居がかって言うと
「賢明な王妃が誠意を見せた。また機知に富んだ会話で堅物の大司教の心を開かせたってことで行くか」とバージルが言った。
ジュディが拍手して
「それで行きましょう」と言った。
「そう来ましたか?ですが、もう少し官僚の身分を維持したほうが、それも王妃殿下の情けにすがった方が」とバージルが言った。
「馬鹿にしないで下さい。能力の評価も出来ない所で働きたくありません。わたくしにあんな雑用ばかりさせて・・・でもやめると困るでしょうね。困ればいいのです。王妃殿下の所もあんなお茶会。子供の遊びですか?相手は大司教だそうですが、貧しい生まれの貧乏臭い老人が繰り言を言うのをありがたく聞いて・・・」
「困りましたね。自信がない人間も困るが、勘違いを正すのは・・・難しいな。理解させるのではなく、力で抑えることしか出来ないな」とバージルはバーバラ・ジェーンを無視して話しだした。
「その娘は所詮届かない。理解できる所まで来れない。今後の楽しみに」と王妃は言ったが、最後の呟きはバージルにしか聞こえなかった。
「バーバラ・ジェーン。やめるということですね」とバージルが言うと
「そうよ」
「荷物はこちらで人を使ってすぐに届けます。侍女さんがまとめるでしょうから、あなたはすぐに退城して下さい。馬車乗り場まで送ります」とバージルはエスコートの手をバーバラ・ジェーンに差し出した。
二人の後ろ姿を見ながら、王妃はこらえきれずに笑った。
「さて、バーバラ・ジェーンの横領をどう処理するか?」とバージルが言った。
バーバラ・ジェーンの持ち込んだ机がなくなって広く感じる執務室だった。
「王妃殿下の予算というより、教会へ寄付するものを横取りしたって大きいですよ」とミックが言うと
「モルフィ侯爵家も追い落としたい所でしたし、侯爵家の意向ってことで押しましょう。残念ながらモルフィ家のほうは、証拠が抑えられなくて、あの娘がやっていた馬車同士の言いがかりくらいですね」とライリーが書類を見ながら言った。
「なんていうか喧嘩売って、言い負かして、勝ったぞ。すごいぞってやってるんだろ。なんか凄い背景があると思ったら子供じみたアホだよな。今回、王妃とぶつけてみて王妃がねじ伏せたが・・・なんか物足りないなぁ」
「考えてみたが、バージル。この娘がやっていたのと同じことをしてやればいいんだ。だがどうやればいいのか、考えつかない」
「寄付するのを横取りしたって言うのを大げさに言い立てれるってことだよな」
そこにジュディがやって来た。
「もう、殿下が怒って首切るって言ってるんですよ。本当に切る方です。合法的に、いちゃもんつけろって。いちゃもんって・・・要は冤罪ってことですよね。もう、なにやらせたいのでしょう。せいぜい出来ることって、王妃と教会の間に不信の種を蒔こうとした。とかそんな罪ですね」
「なるほど、その線で行くなら人のいい王妃が寄付しようとしたお金でドレスを作ったって言い立てる?」とミックが言うとジュディが言い出した。
「皆さん、わたくしが勘違いしているかも知れないので、確認します。モルフィ侯爵家を潰そうと思ってますか?
冤罪でもかまわない。潰すって思ってますか?バーバラ・ジェーンも一緒に」
「その通り。だが、冤罪じゃないんだ。ただ、証拠が揃わない。揃わないが犯罪者たちだ。ちっぽけな虚栄心を満たすために・・・誰かを踏みにじった。善意につけこんだ。心情的に許せない」とライリーが答えると
「わかりました。わたくしもやります」
「おぉやってくれるか」
「はい」
「衣装については、衣装を公開すればいいと思います。庶民の入れる場所で昼間でも照明がいる所に展示しましょう。装身具も靴も。高価なものだから護衛をつけて」
「なるほど、王妃の予算に手をつけて、教会との関係を悪化させようとしたバーバラ・ジェーンだったが」とライリーが芝居がかって言うと
「賢明な王妃が誠意を見せた。また機知に富んだ会話で堅物の大司教の心を開かせたってことで行くか」とバージルが言った。
ジュディが拍手して
「それで行きましょう」と言った。
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