王妃はわたくしですよ

朝山みどり

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15 ジュディ目線

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帝国行きの馬車のなかでわたしは、今までのことを思い出し、整理していった。
実家での辛い日々。母が死んですぐにやって来た義母と義妹。本来わたしのものであるべき後継の座を奪われた。
母のお兄様もそれを受け入れて、お祝いしていた。あのときはわからなかったけど、事業の協力などは誰が跡取りでも関係ないし争うこともなかったのだろう。姪の生活なんてどうでもいい・・・大事なのは自分の生活だよね。理解できるけど、許せない。

王妃の仕事ってなんだろう?別にいなくても困ってなかったようだし・・・
国はわたしが殺されるようなことをやらかすつもりなのだろうか?領土に攻め入る?すぐ負けるだろうが、わたしの命で解決?領土が増える?いやいや、わたしが帝国の為政者なら王室全員の首を貰い、領土を占領するだろう。王妃の命なんてそうだね・・・最後の晩餐を豪華にする位?毒杯を美味しくとか?味見できないけど・・・

「最後の情けだ。その毒杯は飲みやすいぞ」とか言うのか?あれ?声を出して笑ってしまったようね。
バージル様がこちらを見た。いけない。おすまし、おすまし。
わたしが王位をついで都合がいいのは、帝国?わたしを利用してパルメラ王国を手に入れる?
いや、いらないだろう・・・利益はない。だけど・・・わたしも国などいらないなぁ
帝国が支配したほうが王国も発展しそうだしなぁ!
王位についたら適当なところで退位して、のんびり暮らせたらいiな。
少なくとも食事はきちんと取れるような生活をしたいかな。
勉強する機会は嬉しいし、文官の仕事の応用が王妃の仕事?いや、王妃だもん。仕事なんて好きに出来るでしょ!いや、好きにしていいよね。いや、人任せでのんびりしてもいいのかな?

いい、ジュディ。騙されたらだめ。バージル様だってわたしを利用しようと考えてるから、わたしも利用してやるのよ。

「ジュディ、疲れただろ。もうすぐ休憩する。美味しい店があるからたくさん食べるといい」
とバージル様が話しかけられて、ついにこにこしてしまった。

よしよししっかり利用できてる。この調子でいこう。
わたしは、馬車から降りると鳴りそうなおなかを押さえて歩き出した。

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