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メラニー

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お姉さまは、どんくさくて要領が悪い。だからわたしはよく注意してあげてた。

仕事だって早く終わらせないからショーンを待たせて、迷惑をかけていた。わたしがそれをカバーしているうちにショーンがわたしの魅力に抗えなくなり、わたしたちは愛し合うようになった。

愛し合う同士が情熱に負けて、子供ができた。

それを打ち明けるとうちの両親もショーンのご両親もたいそう喜んだ。

そうだよね、あんなどんくさい、もっさりした女より若くて可愛いわたしが嫁のほうがうれしいよね。

おなかが目立つまえに結婚式をあげないといけないから忙しい。でも多分一生結婚できないお姉さまに準備する楽しみをあげようと思い手伝わせてあげた。

お姉さまが編んだベールはとても綺麗でわたしはいっぱい褒められた。

やがて可愛い女の子が生まれた。子供をメイドに預けてお芝居を見に行った。子供が心配だからちょっと服を買ってお茶しただけで帰ったのに、すごく責められた。嫁いびりは醜いからはっきり教えてあげた。


それなのに、産後のわたしを労わる事なく仕事を押し付けられるようになった。

やれ、帳簿をつけろ。できるわけない。商品に値札をつけろ。適当につけたら損をしたとヒステリーを起こされた。

店の掃除?寝言だよね。

おまけに給料がないと???お姉さまも貰ってなかった?当たり前でしょ。どんくさいんだから。でもわたしは違う。

昼間はシリウスの女軍団と戦って、夜はショーンを問いただす日々が続いた。そしてそんな日々が終わった。

お姉さまが・・・・あんな酷いことをするなんて・・・・


結局、わたしは実家に・・・・・元の屋敷じゃなく・・・小さな家だけど。そこに戻って両親と子供と暮らす事にした。
お父様とわたしはそこを売って都会に行こうと言ったけどお母様はがんとして売ることを拒んだ。

ショーンは自分の商会を買い取った所で働き始めた。わたしを置いて行商して働いてお金を送ってくれた。

まぁそれくらいしてもらわないとね。わたし騙されて子供作らされたし・・・

そして、いつもそばにいてくれる彼と一緒にいるとき、急に帰ってきて大騒ぎして、あげく殺されたりして・・・・


やがて、お父様が亡くなった。

わたしとお母様は商会で雑用をして暮らしている。子供は商会が奨学金をだしてくれて、町の学校に行った。

畑に水をやっていて、ふとみたら教会に人が来ていた。もしかしてお姉さま?

わたしは領主様のペンダントを持つと、その人のところに急いだ。これは譲って貰ったものではない、借りたものだ。ちゃんと返す。

急いだけど、その人の車は行ってしまった。

ペンダントを見る。お姉さまから借りたあの日、きらきらしていたそれは、わたしの手の中で鈍く沈んでいた。




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