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60 神殿を訪ねる
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わたしとアーネストはまた神殿を訪ねる。わたしにポーションの作り方を教えてくれて道具をくれた人が神官長だと聞いたとき、なんだか納得してしまった。何故だろう。今日、会えばそれがわかるだろうか?
馬車が神殿に近づく。こんな建物だったのかと思う。
ここを出るときは不安と不満で一杯で、まわりを見る余裕もなく、馬車に乗り込み馬車の壁だけを見ていた。
王都でもわたしの行動範囲に神殿はなかった。
見覚えのある薬草畑で神官長は待っていた。
「お久しぶりです」とわたしが挨拶すると
「お元気だったようで・・・お顔を見て安心しました」と返って来た。
アーネストは黙って頭を下げた。
神官長は
「彼も部屋で待っています」とアーネストに言った。アーネストは軽くうなづいた。
部屋では鑑定士が待っていた。わたしは無言で彼を見た。
すすめられた椅子に座って窓の外を見て黙っていた。
「なにも言わないのか?」と神官長が彼に言った。
「誰に頼まれてわたしに能力がないと言ったの?」とわたしが聞いた。
「誰からも・・・」
「どうしてわたしに能力がないと言ったの?」
「見えないから」
「そう、見えないと、ないは同じ意味なの?」
「それは・・・」
「今も見えないの?」
「見えません」
「見えない相手は馬鹿にしていいのね、神殿はないとみえないと同義と思うの?」
と神官長に言った。
「改めて考える事ですね」
「彼は見えなかった」
わたしはアイテムボックスから、錬金窯を出した。
「「え?」」と鑑定士と神官長の二人が驚いた。
「これが見えなかった。どうかしら、見えるように鍛えたら?彼の身柄を貰いたいの」と言うとアーネストも
「それが良いだろう。次の召喚で粗末な鑑定をされても困るだろう」と静かに言った。
「鑑定ができる人って魔力がそれなりにあるのでしょ?」と言いながら魔石を出して
「どの魔石が長時間使える?出力に違いは?」と聞くと、彼は驚いたようだが
「出力と言うと強さですか?えーーとバンと出る力ですか?」と質問して来た。
察しがいいのだろうか? 頭良いような?
「そうです。だっと最初にでる力、持続しなくてもいいけど、バンって」
彼は魔石を並べると
「バンはこの順番」それから並べ直して
「時間はこの順番」と言った。
研究塔へ連れて行こうと思った。
鑑定士は下がって貰った。いろいろ言いたいけど面倒だし、多分ガイツがかまうだろうから、まかせよう。
「お二人が並ぶとしっくりしてますね。別々に見ている時、この感じは想像できませんが・・・不思議ですね。
王が変わるのは大きな騒動だと思いましたが、それ以外が大きすぎて・・・水汲みがなくなり、下水道のおかげで町がきれいになり・・・番が来ると変化があると言われてますが、ほんとうに大きな変化です。
神が望んだ以上なのではないかと恐ろしくもあります。例外が・・・サミーさんにポーション作りを教えたのも例外ですしね」と神官長が半分独り言のように言うが、あまり意味がわからない・・・だけどアーネストは理解っているようだ。
多分、あとで質問しても教えてくれない・・・でもそれでいい。
わたしは、準備してこの世界に来た。召喚された時のまわりの声は悲惨だったから・・・お肉、解凍してた人。アマゾンが来る予定の人とか・・・準備していたことも例外・・・
だけど、あの時、番と出会えることに胸をときめかせたのは、お茶のせいだとしても本当だと思う。
最初、アーネストを見た時は、かっこよくて、心惹かれる相手だけどヘタレだと思った。
奴隷のほうがはるかにいいと思ったけど・・・なぜか頼れる人に見えて来た。お茶の効果は切れているはずなのに。
考えることはあるし、疑うこともあるけどわたしは神の手のひらの上で幸せにすごすのだ。
馬車が神殿に近づく。こんな建物だったのかと思う。
ここを出るときは不安と不満で一杯で、まわりを見る余裕もなく、馬車に乗り込み馬車の壁だけを見ていた。
王都でもわたしの行動範囲に神殿はなかった。
見覚えのある薬草畑で神官長は待っていた。
「お久しぶりです」とわたしが挨拶すると
「お元気だったようで・・・お顔を見て安心しました」と返って来た。
アーネストは黙って頭を下げた。
神官長は
「彼も部屋で待っています」とアーネストに言った。アーネストは軽くうなづいた。
部屋では鑑定士が待っていた。わたしは無言で彼を見た。
すすめられた椅子に座って窓の外を見て黙っていた。
「なにも言わないのか?」と神官長が彼に言った。
「誰に頼まれてわたしに能力がないと言ったの?」とわたしが聞いた。
「誰からも・・・」
「どうしてわたしに能力がないと言ったの?」
「見えないから」
「そう、見えないと、ないは同じ意味なの?」
「それは・・・」
「今も見えないの?」
「見えません」
「見えない相手は馬鹿にしていいのね、神殿はないとみえないと同義と思うの?」
と神官長に言った。
「改めて考える事ですね」
「彼は見えなかった」
わたしはアイテムボックスから、錬金窯を出した。
「「え?」」と鑑定士と神官長の二人が驚いた。
「これが見えなかった。どうかしら、見えるように鍛えたら?彼の身柄を貰いたいの」と言うとアーネストも
「それが良いだろう。次の召喚で粗末な鑑定をされても困るだろう」と静かに言った。
「鑑定ができる人って魔力がそれなりにあるのでしょ?」と言いながら魔石を出して
「どの魔石が長時間使える?出力に違いは?」と聞くと、彼は驚いたようだが
「出力と言うと強さですか?えーーとバンと出る力ですか?」と質問して来た。
察しがいいのだろうか? 頭良いような?
「そうです。だっと最初にでる力、持続しなくてもいいけど、バンって」
彼は魔石を並べると
「バンはこの順番」それから並べ直して
「時間はこの順番」と言った。
研究塔へ連れて行こうと思った。
鑑定士は下がって貰った。いろいろ言いたいけど面倒だし、多分ガイツがかまうだろうから、まかせよう。
「お二人が並ぶとしっくりしてますね。別々に見ている時、この感じは想像できませんが・・・不思議ですね。
王が変わるのは大きな騒動だと思いましたが、それ以外が大きすぎて・・・水汲みがなくなり、下水道のおかげで町がきれいになり・・・番が来ると変化があると言われてますが、ほんとうに大きな変化です。
神が望んだ以上なのではないかと恐ろしくもあります。例外が・・・サミーさんにポーション作りを教えたのも例外ですしね」と神官長が半分独り言のように言うが、あまり意味がわからない・・・だけどアーネストは理解っているようだ。
多分、あとで質問しても教えてくれない・・・でもそれでいい。
わたしは、準備してこの世界に来た。召喚された時のまわりの声は悲惨だったから・・・お肉、解凍してた人。アマゾンが来る予定の人とか・・・準備していたことも例外・・・
だけど、あの時、番と出会えることに胸をときめかせたのは、お茶のせいだとしても本当だと思う。
最初、アーネストを見た時は、かっこよくて、心惹かれる相手だけどヘタレだと思った。
奴隷のほうがはるかにいいと思ったけど・・・なぜか頼れる人に見えて来た。お茶の効果は切れているはずなのに。
考えることはあるし、疑うこともあるけどわたしは神の手のひらの上で幸せにすごすのだ。
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