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58 フィルさん
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即位式の案内に元王太子のフィルさんが隣国に行ったが、なんとそこで番が見つかったそうだ。
アーネストがキューピットじゃないかと思ったが、黙っている。番さんは皇帝の姪にあたるお姫様だと言う事で即位式にはその人が出席するらしい。
どんな人かと楽しみに待っていたら、華やかな美人だった。お互いにそつのない付き合いが出来たと思う。
即位式の前に招待客を招いた夜会を催したが、ウィルヘルムはまだ成人前の子供なので、最初だけで、ほとんどはアーネストとわたしが、お招きした形となってとっても大変だった。ダンスの練習とか、ダンスの練習とか・・・
それが終わると、挨拶を受けたが、笑顔で顔が痛くなったほどずっと笑っていた。疲れた。
ウィルヘルムだが、水関連の事で平民の人気がものすごい事になっているし、下位の貴族も助かっているらしい。
そしてわたしは、馬車でのパレードをすると思っていたが、王都に五箇所ある広場に、観覧席を作りそこを転移陣で回って挨拶というか・・・殺陣を見せるらしい・・・
それって、アイドルがやるあれ?って思ったけど、魔石を思う存分使える魔法士たちが、いろいろ考えたそうだ。
国威高揚とか?? 遊んでいるとしか思えないが・・・まぁ楽しいならそれでいいかって事で。
最初の会場は招待客と貴族が観客ということで、演出も凝っているらしい!
長いこと研究できなかった人たちが、研究にかける意欲は本当に素晴らしい。
そして今日、フィルさんがアーネストに会いにやって来た。番の美人さんは街を見学していると言う事で一人でやって来た。
わたしはアーネストのすすめで別室から覗き。
「やぁフィル。番とはどっちに住むの?」
「向こうだよ」
「え? マークとクロエはどうするの?」
「面倒見るのは無理だ。彼女のお世話だけしかできない」とフィルさんは答えた後、
「アーネスト。その・・・あんまり好きじゃなくても番になるのだろうか?君は・・・」とためらいながら、尋ねている。
「大好きですよ。俺は・・・でも俺は最初離れていましたよね・・・いえいえ恨んでいるとか、そういう次元の問題はもう終わってますよ。今、最高に幸せですし・・・だけど今は離れるなんて考えられらないですね。
多分、フィルもだんだんそれがわかると思いますよ。なんせ番ですからね」とアーネストが意味ありげに言うのをフィルさんは顔を引きつらせて聞いている。
「彼女は悪い子じゃないし、でもなんか違うような気がして・・・番だからかな?」とフィルさんは自分に言い聞かせるように言っている。
「もし、マークを迎えに行かなかったら、君はすぐに番に出会えて・・・僕たちの関係は変わらなかったと思うかい?」
「そうですね、わたしはなにもしなかったでしょうね。のんきなブルーリードの跡取りで、たまにマークとクロエの面倒を見ていたでしょうね」とアーネストが答えた。
「はーーーーそれは・・・そうだろうね・・・でも君はマークを迎えに行ってくれた」とフィルさんが言った。
「フィル、一つ確認したいのだが、神殿の鑑定士に嘘を言わせたのは君かい?」
「嘘?いやなにもしてないぞ・・・鑑定士が嘘を言ったのか? え?サミーは能力があるのか?そうかシャンプーとかそんなのを・・・」
「そうだ。能力はある。それを能力なしと言われてせいで苦労した・・・母も悪いが」
「いや、なにもしていない。クロエと結婚させたいと夫人に言っただけだ」とフィルが答えるのを
「そうか・・・わかった」とアーネストが答えた。
そうだよ。あの鑑定士は嘘を言った。その事にアーネストが、気づいてくれた。さすがは番だ!!
「そろそろ行くよ、街歩きの途中でばったりあってお茶をしたいらしいから」と言うとフィルさんは出て言った。
フィルさんの番さんは、番に夢を見てるのかしら!!
わたしは、アーネストに後ろから近づくと、ぎゅっと抱きついた。
アーネストがキューピットじゃないかと思ったが、黙っている。番さんは皇帝の姪にあたるお姫様だと言う事で即位式にはその人が出席するらしい。
どんな人かと楽しみに待っていたら、華やかな美人だった。お互いにそつのない付き合いが出来たと思う。
即位式の前に招待客を招いた夜会を催したが、ウィルヘルムはまだ成人前の子供なので、最初だけで、ほとんどはアーネストとわたしが、お招きした形となってとっても大変だった。ダンスの練習とか、ダンスの練習とか・・・
それが終わると、挨拶を受けたが、笑顔で顔が痛くなったほどずっと笑っていた。疲れた。
ウィルヘルムだが、水関連の事で平民の人気がものすごい事になっているし、下位の貴族も助かっているらしい。
そしてわたしは、馬車でのパレードをすると思っていたが、王都に五箇所ある広場に、観覧席を作りそこを転移陣で回って挨拶というか・・・殺陣を見せるらしい・・・
それって、アイドルがやるあれ?って思ったけど、魔石を思う存分使える魔法士たちが、いろいろ考えたそうだ。
国威高揚とか?? 遊んでいるとしか思えないが・・・まぁ楽しいならそれでいいかって事で。
最初の会場は招待客と貴族が観客ということで、演出も凝っているらしい!
長いこと研究できなかった人たちが、研究にかける意欲は本当に素晴らしい。
そして今日、フィルさんがアーネストに会いにやって来た。番の美人さんは街を見学していると言う事で一人でやって来た。
わたしはアーネストのすすめで別室から覗き。
「やぁフィル。番とはどっちに住むの?」
「向こうだよ」
「え? マークとクロエはどうするの?」
「面倒見るのは無理だ。彼女のお世話だけしかできない」とフィルさんは答えた後、
「アーネスト。その・・・あんまり好きじゃなくても番になるのだろうか?君は・・・」とためらいながら、尋ねている。
「大好きですよ。俺は・・・でも俺は最初離れていましたよね・・・いえいえ恨んでいるとか、そういう次元の問題はもう終わってますよ。今、最高に幸せですし・・・だけど今は離れるなんて考えられらないですね。
多分、フィルもだんだんそれがわかると思いますよ。なんせ番ですからね」とアーネストが意味ありげに言うのをフィルさんは顔を引きつらせて聞いている。
「彼女は悪い子じゃないし、でもなんか違うような気がして・・・番だからかな?」とフィルさんは自分に言い聞かせるように言っている。
「もし、マークを迎えに行かなかったら、君はすぐに番に出会えて・・・僕たちの関係は変わらなかったと思うかい?」
「そうですね、わたしはなにもしなかったでしょうね。のんきなブルーリードの跡取りで、たまにマークとクロエの面倒を見ていたでしょうね」とアーネストが答えた。
「はーーーーそれは・・・そうだろうね・・・でも君はマークを迎えに行ってくれた」とフィルさんが言った。
「フィル、一つ確認したいのだが、神殿の鑑定士に嘘を言わせたのは君かい?」
「嘘?いやなにもしてないぞ・・・鑑定士が嘘を言ったのか? え?サミーは能力があるのか?そうかシャンプーとかそんなのを・・・」
「そうだ。能力はある。それを能力なしと言われてせいで苦労した・・・母も悪いが」
「いや、なにもしていない。クロエと結婚させたいと夫人に言っただけだ」とフィルが答えるのを
「そうか・・・わかった」とアーネストが答えた。
そうだよ。あの鑑定士は嘘を言った。その事にアーネストが、気づいてくれた。さすがは番だ!!
「そろそろ行くよ、街歩きの途中でばったりあってお茶をしたいらしいから」と言うとフィルさんは出て言った。
フィルさんの番さんは、番に夢を見てるのかしら!!
わたしは、アーネストに後ろから近づくと、ぎゅっと抱きついた。
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