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52 大公家の騒ぎ
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「おぉ迎えに来てくれたのか?」と侯爵が言うのを
「迎えですって?」と大公夫人が嫌な顔をした。
「ここまでひどいとは思ってませんでしたが、どうぞ。荷物もないのね。情けない」と馬車に乗る侯爵夫妻と娘に冷たい言葉をかける。
「護衛はどこに行った?まぁいい追いかけて来るだろう」と言いながら侯爵は馬車のなかに引っ込んだ。
「なんてことですか?今は魔石は・・・」と大公夫人が言うと
「あいつらは魔石を手に入れられないのだぞ。いつかなくなる。そしたら、今まで通り・・・」と侯爵は泣いている侯爵夫人を見ながら言った。
「しばらく世話になる。身の回りの物も用意してやってくれ」と侯爵が続けると
「冗談ではありません。何故こうなる前に手を打たなかったのですか?」と大公夫人が言うと
「ちゃんと打ったさ。魔石の独占権を守る為に契約書を書き換えさせたんだ。王家を巻き込んでやった。契約者を増やしたんだ。先ず大公家だろつまり、お前の所。それからうちの養子になったやつ、クロエ王女殿下の相手だ。それとお前の所の養女の相手のマーク殿下だ。王家を後ろ盾にしたんだ」
「それは安心ですね。ただ今、うちにはブルーリードが来ておりますので・・・もの言いに気をつけて下さい。
あなたもよ。メリンダ」と大公夫人は妹に注意した。
その日の大公家の夕食は、異様なだった。
事前に注意されていたのに、メリンダがやらかした。
「あら、犬っころって聞いていたのに、人間だわ」
「こちらの無作法はどなたですか?」とアーネストが言うと
「あ、そのですね、妻の妹です」と大公が答えると
「あのスミノードのお姫様ですか」と微笑みかけると
「友人から聞いております。なんでも頬にバツじるしのある護衛を使っておられるとか・・・」
「なんですって?」とメリンダが気色ばむと
「えぇ、わかりやすく印がついているとか・・・」それを聞いていた侯爵が
「そう言えば、護衛はやって来たか?」と執事に向かって言った。
「いえ、お見えではありませんが・・・」と答えるのに向かって
「なんでだ!おかしいではないか!」と侯爵は執事に怒鳴りつけた。執事可哀想・・・
「お父様が怒ってらしてよ!謝りなさい」とメリンダが執事に向かって言うと
「お前たち、生意気だぞ。うちの執事に向かって威張るな! 家無しのくせに・・・」とダニエルがメリンダにくってかかった。
「家無しだと、お前は息子にそんな事を教えたのか?」と侯爵が大公夫人に言うと
「そんなのは教えずともわかります。まぁ落ち着いたら全てもとに戻るでしょうが、今もお父様は家無しです。少し控えて暮らして下さい」と返した。
「よくも・・・」と言葉が出ない侯爵を見て、
「落ち着いて下さい」と大公夫人は冷たく言った。
「どうもここの環境はウィルヘルムに良くないなぁ。かと言って後継が家を出るのは勘違いを増やす。どうでしょう。しばらく王宮で暮らしませんか?大公御夫妻、御子息のダニエル殿、侯爵御一家。いかがですか?
みなさまは王家とも親戚のようなものですし・・・」
「そういたします」と侯爵が答えると
「お城で暮らすなんてわたしにふさわしい」とメリンダも答えた。
「それでは、準備もありますでしょう。わたしたちはこれで、失礼します」とジークフリードは言うと
アーネスト、ウィルヘルム、レオナルドと共に部屋を出た。
「護衛は城に捕らえてる」とアーネストが言うと
「会いにいきたいなぁ」とジークフリードが棒読みで答え
「僕も・・・あの時は靴しか見てないけど、匂いを覚えている」とウィルヘルムが、アーネストを見上げて言った。
レオナルドが
「勿論、みなで行きましょう」とウィルヘルムの肩を抱いた。
「迎えですって?」と大公夫人が嫌な顔をした。
「ここまでひどいとは思ってませんでしたが、どうぞ。荷物もないのね。情けない」と馬車に乗る侯爵夫妻と娘に冷たい言葉をかける。
「護衛はどこに行った?まぁいい追いかけて来るだろう」と言いながら侯爵は馬車のなかに引っ込んだ。
「なんてことですか?今は魔石は・・・」と大公夫人が言うと
「あいつらは魔石を手に入れられないのだぞ。いつかなくなる。そしたら、今まで通り・・・」と侯爵は泣いている侯爵夫人を見ながら言った。
「しばらく世話になる。身の回りの物も用意してやってくれ」と侯爵が続けると
「冗談ではありません。何故こうなる前に手を打たなかったのですか?」と大公夫人が言うと
「ちゃんと打ったさ。魔石の独占権を守る為に契約書を書き換えさせたんだ。王家を巻き込んでやった。契約者を増やしたんだ。先ず大公家だろつまり、お前の所。それからうちの養子になったやつ、クロエ王女殿下の相手だ。それとお前の所の養女の相手のマーク殿下だ。王家を後ろ盾にしたんだ」
「それは安心ですね。ただ今、うちにはブルーリードが来ておりますので・・・もの言いに気をつけて下さい。
あなたもよ。メリンダ」と大公夫人は妹に注意した。
その日の大公家の夕食は、異様なだった。
事前に注意されていたのに、メリンダがやらかした。
「あら、犬っころって聞いていたのに、人間だわ」
「こちらの無作法はどなたですか?」とアーネストが言うと
「あ、そのですね、妻の妹です」と大公が答えると
「あのスミノードのお姫様ですか」と微笑みかけると
「友人から聞いております。なんでも頬にバツじるしのある護衛を使っておられるとか・・・」
「なんですって?」とメリンダが気色ばむと
「えぇ、わかりやすく印がついているとか・・・」それを聞いていた侯爵が
「そう言えば、護衛はやって来たか?」と執事に向かって言った。
「いえ、お見えではありませんが・・・」と答えるのに向かって
「なんでだ!おかしいではないか!」と侯爵は執事に怒鳴りつけた。執事可哀想・・・
「お父様が怒ってらしてよ!謝りなさい」とメリンダが執事に向かって言うと
「お前たち、生意気だぞ。うちの執事に向かって威張るな! 家無しのくせに・・・」とダニエルがメリンダにくってかかった。
「家無しだと、お前は息子にそんな事を教えたのか?」と侯爵が大公夫人に言うと
「そんなのは教えずともわかります。まぁ落ち着いたら全てもとに戻るでしょうが、今もお父様は家無しです。少し控えて暮らして下さい」と返した。
「よくも・・・」と言葉が出ない侯爵を見て、
「落ち着いて下さい」と大公夫人は冷たく言った。
「どうもここの環境はウィルヘルムに良くないなぁ。かと言って後継が家を出るのは勘違いを増やす。どうでしょう。しばらく王宮で暮らしませんか?大公御夫妻、御子息のダニエル殿、侯爵御一家。いかがですか?
みなさまは王家とも親戚のようなものですし・・・」
「そういたします」と侯爵が答えると
「お城で暮らすなんてわたしにふさわしい」とメリンダも答えた。
「それでは、準備もありますでしょう。わたしたちはこれで、失礼します」とジークフリードは言うと
アーネスト、ウィルヘルム、レオナルドと共に部屋を出た。
「護衛は城に捕らえてる」とアーネストが言うと
「会いにいきたいなぁ」とジークフリードが棒読みで答え
「僕も・・・あの時は靴しか見てないけど、匂いを覚えている」とウィルヘルムが、アーネストを見上げて言った。
レオナルドが
「勿論、みなで行きましょう」とウィルヘルムの肩を抱いた。
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