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45 ガイツの活躍
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前に並んだ三人を見てガイツは
「サミー様後ろも三人ですよ。今は振り返らずに、あの小娘が声をかけて来たら振り向いて下さい」と囁いた。
「わかった。全部で六人か」と言うと
「弱そうですけどね」とガイツは鼻で笑った。
「お待ちなさい」の声で振り返る。
「いまなら許してあげるわ。その奴隷を譲りなさい」と言うと小娘は巾着を地面に投げた。
「拾いなさい。あなたにとって大金よ」の声にガイツが剣を鞘ごと振るい、巾着を宙に投げ上げて受け止めた。
なかを見て、
「御主人様、侮辱されました。御主人様の名誉ある奴隷をたったこれっぽっちだと、許せません」と大声で言った。
それから、それを彼女の足元にほおった。火の海にすればいいのに、ガイツ常識人ね!!
「なんですってわたしに向かって・・・でもいいわ。その綺麗な顔に免じて許してあげる」
どれほどこの女。ガイツの顔が好きなんだ。うざくなって来たし・・・
「やっておしまい」と言うと笑いがこみ上げてきたが、必死で我慢した。
ガイツはわたしの声と同時に後ろの三人の頬を切りつけた。風の刃かな?バツじるしにスパッと。痛くないのかな?
「うわー」「あー」「ーーは」と言う声がした。痛いんだ。
大丈夫それくらいはポーションで治る。だけど今は痛みで戦えないよね? え? 痛くても戦うの?
「失礼」と言うと同時にガイツはわたしを片腕持ち上げると、三人の後ろに走った。
これで、敵は全員が前にいる。
前の三人は痛いだろうに、ちゃんと立って剣をかまえている。ちょっと心配でガイツを見ると余裕の微笑みを浮かべ前の三人を吹き飛ばした。風の力?
吹き飛ばされた三人が後ろにいた護衛三人にぶつかって一緒に倒れた。そしていつのまにか後ろにいた護衛の頬もバツじるしがついた。
それから、後ろのお嬢さんと侍女につむじ風をぶつけた。スカートは、ばたばたはためき、きれいにしていた髪は風で乱れて上に下にとなびいている。
お嬢さんもなぎ倒したいけど、それはやりすぎかなと思い、軽くガイツにうなづいた。
道の真ん中に倒れている護衛を風で吹き飛ばし端にやると、わたしたちはそこを通り過ぎた。
もう散歩する気もなくなりホテルに戻った。
部屋に戻るとアーネストから手紙とお花が届いていた。
わたしはガイツと相談して、アーネストに会いたいと手紙を書いた。
『相談したい事が出来ました』とだけ書いた。
アーネストはすぐにやって来た。ガイツが今日の事を話しはじめた。相手の名前スミノード侯爵家の名前を出すと、アーネストは、一瞬変な顔をしたが、黙って全部聞いた。
「バツじるしがついてると二人に伝えて下さい」とガイツが言うと、アーネストはうなづいた。
「それは大変だった。しかし六人に囲まれても問題ないとは、たいしたもんだ」
「でもよく相談してくれた。友が迷惑を受けたのだ。償って貰う」とアーネストは言った。
「あちらの仕事もじきに終わる。そしたら、サミーわたしを護衛として町歩きをして貰えるか?」
「はい、案内します。いいお店を見つけたの」と答えると
「楽しみにしてる。それではウィルヘルムが待っているから帰る」と立ち上がったアーネストに今日お店で貰ったクッキーを渡す。
「もらいものだけど、渡して」
「ウィルヘルムは喜ぶだろう。預かる」と大切にクッキーを持つとアーネストは出て行った。
「サミー様後ろも三人ですよ。今は振り返らずに、あの小娘が声をかけて来たら振り向いて下さい」と囁いた。
「わかった。全部で六人か」と言うと
「弱そうですけどね」とガイツは鼻で笑った。
「お待ちなさい」の声で振り返る。
「いまなら許してあげるわ。その奴隷を譲りなさい」と言うと小娘は巾着を地面に投げた。
「拾いなさい。あなたにとって大金よ」の声にガイツが剣を鞘ごと振るい、巾着を宙に投げ上げて受け止めた。
なかを見て、
「御主人様、侮辱されました。御主人様の名誉ある奴隷をたったこれっぽっちだと、許せません」と大声で言った。
それから、それを彼女の足元にほおった。火の海にすればいいのに、ガイツ常識人ね!!
「なんですってわたしに向かって・・・でもいいわ。その綺麗な顔に免じて許してあげる」
どれほどこの女。ガイツの顔が好きなんだ。うざくなって来たし・・・
「やっておしまい」と言うと笑いがこみ上げてきたが、必死で我慢した。
ガイツはわたしの声と同時に後ろの三人の頬を切りつけた。風の刃かな?バツじるしにスパッと。痛くないのかな?
「うわー」「あー」「ーーは」と言う声がした。痛いんだ。
大丈夫それくらいはポーションで治る。だけど今は痛みで戦えないよね? え? 痛くても戦うの?
「失礼」と言うと同時にガイツはわたしを片腕持ち上げると、三人の後ろに走った。
これで、敵は全員が前にいる。
前の三人は痛いだろうに、ちゃんと立って剣をかまえている。ちょっと心配でガイツを見ると余裕の微笑みを浮かべ前の三人を吹き飛ばした。風の力?
吹き飛ばされた三人が後ろにいた護衛三人にぶつかって一緒に倒れた。そしていつのまにか後ろにいた護衛の頬もバツじるしがついた。
それから、後ろのお嬢さんと侍女につむじ風をぶつけた。スカートは、ばたばたはためき、きれいにしていた髪は風で乱れて上に下にとなびいている。
お嬢さんもなぎ倒したいけど、それはやりすぎかなと思い、軽くガイツにうなづいた。
道の真ん中に倒れている護衛を風で吹き飛ばし端にやると、わたしたちはそこを通り過ぎた。
もう散歩する気もなくなりホテルに戻った。
部屋に戻るとアーネストから手紙とお花が届いていた。
わたしはガイツと相談して、アーネストに会いたいと手紙を書いた。
『相談したい事が出来ました』とだけ書いた。
アーネストはすぐにやって来た。ガイツが今日の事を話しはじめた。相手の名前スミノード侯爵家の名前を出すと、アーネストは、一瞬変な顔をしたが、黙って全部聞いた。
「バツじるしがついてると二人に伝えて下さい」とガイツが言うと、アーネストはうなづいた。
「それは大変だった。しかし六人に囲まれても問題ないとは、たいしたもんだ」
「でもよく相談してくれた。友が迷惑を受けたのだ。償って貰う」とアーネストは言った。
「あちらの仕事もじきに終わる。そしたら、サミーわたしを護衛として町歩きをして貰えるか?」
「はい、案内します。いいお店を見つけたの」と答えると
「楽しみにしてる。それではウィルヘルムが待っているから帰る」と立ち上がったアーネストに今日お店で貰ったクッキーを渡す。
「もらいものだけど、渡して」
「ウィルヘルムは喜ぶだろう。預かる」と大切にクッキーを持つとアーネストは出て行った。
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