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22 そういえばあの日は

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この世界に来た日の事を思い出してみる。

最初、剣を持った人に取り囲まれて怖かったから、大きな声で言う人はいなかったけど、不満を漏らしていた人はいた。

「明日、大事なプレゼン」「クリーニングを」「アマゾンを今夜に」「冷凍のお肉溶かして」生活していた人のそんな呟きが聞こえていた。

だけど、あの武装集団に取り囲まれていても、お茶の匂いでなんとなく和やかになり、疑いもせずにお茶を飲んでいた。わたしもそうだ。疑いも警戒もしなかった。

美味しいと、いい香りだと思った。

それから、あのお茶はずっとわたしたちに提供されていた。わたしの待遇はあっという間に落ちたけど、番が来てくれれば、番と会えば、番は来てくれる。番と、番が、番・・・・そう思って希望は失ってなかった。

神殿の庭で薬草がすぐに見つかったのも、匂いで見つけてた?確かに薬草は独特の匂いが・・・・


そしてあの家に行っても、番がここにいる、すぐに会えると番を待っていた。あの家にはそう、番の匂いがあったのだ。

それがいつのまにか、怒りを感じて・・・急にではない。だけどその頃、お茶はでなくなっていた。

だから、能力がわかった時点で迷わず逃げるって選択になった。

リリーがお茶を出し続けていたらわたしは能力の事を喜々として報告していたかも・・・・・それで番が会いに来て永遠の愛とかで幸せに暮らしていたかも知れない。

だけど、わたしはお茶の影響から覚めて、番ってものになんの気持ちもなくなった。それは匂いがわからなくなったから?

あのお茶は鼻が利くようになるお茶?


今更どうでもいいけどか。ガイツの問題には関係ないか。もう忘れよう。


心配事はガイツだ。ぜひ魔法陣を取って魔力を戻して、神殿あたりを火の海にして欲しい。まぁそれはその力をおもいきり示して欲しいって事ね。

だけど、そんなに強いのにどうして魔法陣を付けられたのだろう?アホすぎだよね。


作る気はないけど、媚薬の材料を特定して置きたい。どうすればいい?


それらしき材料でポーションを作ればいいのだろうか?っとチャーリーを見た。丸くなって寝ている。

麻薬探知犬の例もあることだし、チャーリーは異世界でも犬だからできるかも・・・・湖でチャーリーも媚薬の匂いを嗅いでたから、覚えているよね。

わたしは「チャーリー」と声をかけた。

「いい、チャーリー。あなたの鼻にガイツの運命がかかってるの。ガイツ。大事でしょ。ご飯くれなくなったら大変でしょ?」

チャーリーの顔が引き締まってすごく賢い表情になった。

そして媚薬を小皿に入れると、

「これに、入っている薬草はどれ?」とレオンが買って来た薬草に向かって大げさに腕を振った。


チャーリーは二種類の薬草を持って来て、それからもう一種類。そこでわたしを見ると

「ワオン、ワオ、オ・・・・・オ?」と鳴いた。取り敢えず三種類。取り敢えず検証はここまで、結果は参考ってことだよね。チャーリーが話せると良いけど。


っとここでお茶の時間になった。ポーションもシャンプーなどギルドに納めるものは出来ている。


わたしは、道具を全部収納すると、媚薬を始末した。そしてチャーリーと一緒にお茶を飲みに行った。




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