上 下
21 / 69

19 魔法陣をなんとかしよう

しおりを挟む
ガイツの腹の魔法陣を消す方法をいろいろ考えている。強力な石鹸を固い布につけてごしごし擦るって言うのを思いついたけど、強力な石鹸ってどうやってつくるのか?漂白剤とか?

いや、皮を剥ぐとか!ちょっとハードなエステとかって感じで。


そうだ。皮を剥ぐのは?痛みを消すポーション?我慢できるかな?奴隷だから我慢させればいいよね・・・・

ちょっと端っこでいろいろ試してみたらどうかな?


もっと穏当な方法として、白紙の魔法陣を上書きとか?


ガイツの魔法陣を紙に写して意味を教えて貰っているが、謎が多くてよくわからないそうだ。

だよね。わかれば解読して無効にしちゃうよね。

これのせいでガイツが魔法を使えないのは確かだとか。戦う魔法士なんだね。

魔法陣をなにかに書くのは付与と言う能力だと言うので、図書館で調べて見たが詳しい事は載っていなかった。

「サミー様、詳しい事が載っていたら真似されてしまいます。本に載っていなくて当たり前です」とガイツが言う。


なら、スマホで調べようか?・・・当然圏外。


だけど、魔法も特許だとか知的財産だと考えれば当たり前だね。それでかな。異世界人の能力について詳しく載っていなかったのは。なんとなく納得して来た。

だけど、神殿の講義を聞いていたら、もっと知識が増えていたかもと思うと怒りがまた吹き上がって来た。

ガイツを痛い目に合わせて、能力を取り戻したら、あそこに乗り込んであばれてやる!!



わたしはさっそくガイツを呼んで、テーブルに寝かせてナイフで魔法陣に傷を入れて見た。

「いーーー」と煩いガイツを黙らせて

「どう、魔力湧いてきた?」と聞くと


「全然・・・・あーーー」とか煩い。

「ねぇ、皮を剥いだらどうかな?」と聞くと

「ぎゃーー」と騒ぐ。

「ガイツ奴隷って主人に逆らうととっても苦痛なんでしょ?皮を剥ぐのを逆らうのはどっちが痛いと思う?」


「サミー様。確かにわたしもガイツも奴隷です。なにをされても、殺されても、仕方ありません。

でも、ご主人様、慈悲を求める事をお許し下さい」

といつの間にかやって来たレオンまでがひざまづいて頼んで来た。


「もう、わたしはガイツを苦しめようとやってるんじゃないのよ、ガイツの為を思って」と言いながらポーションを

ガイツに渡した。

「ガイツの魔力を戻したいのよ。ガイツ。魔力を取り戻して魔法士として働きたいでしょ?」と言うと

テーブルから転がり落ちるとひざまづいて、

「サミー様のお心はありがたいですが・・・・魔法士に戻りたいですが・・・・わたしは自分で魔法陣を消そうとナイフで皮を剥いだ事があります。痛みにも耐えましたが・・・ダメでした。魔法陣は強力です」と声を震わせる。


既にお試しなのか。そうか・・・よく考えよう。


「どんなやりかたも痛いだろうけど、痛みを止めればいいのね・・・・この世界に痛みを止めるポーションってある?」

「痛みを止める?」

「うん、さっきナイフでお腹に傷をつけたでしょ?その痛みだけを取るの。傷はそのままで」

「傷は残って、痛みがなくなる?」とレオンが呟き、二人は顔を見合わせた。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

旦那様、離縁の申し出承りますわ

ブラウン
恋愛
「すまない、私はクララと生涯を共に生きていきたい。離縁してくれ」 大富豪 伯爵令嬢のケイトリン。 領地が災害に遭い、若くして侯爵当主なったロイドを幼少の頃より思いを寄せていたケイトリン。ロイド様を助けるため、性急な結婚を敢行。その為、旦那様は平民の女性に癒しを求めてしまった。この国はルメニエール信仰。一夫一妻。婚姻前の男女の行為禁止、婚姻中の不貞行為禁止の厳しい規律がある。旦那様は平民の女性と結婚したいがため、ケイトリンンに離縁を申し出てきた。 旦那様を愛しているがため、旦那様の領地のために、身を粉にして働いてきたケイトリン。 その後、階段から足を踏み外し、前世の記憶を思い出した私。 離縁に応じましょう!未練なし!どうぞ愛する方と結婚し末永くお幸せに! *女性軽視の言葉が一部あります(すみません)

くたばれ番

あいうえお
恋愛
17歳の少女「あかり」は突然異世界に召喚された上に、竜帝陛下の番認定されてしまう。 「元の世界に返して……!」あかりの悲痛な叫びは周りには届かない。 これはあかりが元の世界に帰ろうと精一杯頑張るお話。 ──────────────────────── 主人公は精神的に少し幼いところがございますが成長を楽しんでいただきたいです 不定期更新

好きだと言ってくれたのに私は可愛くないんだそうです【完結】

須木 水夏
恋愛
 大好きな幼なじみ兼婚約者の伯爵令息、ロミオは、メアリーナではない人と恋をする。 メアリーナの初恋は、叶うこと無く終わってしまった。傷ついたメアリーナはロメオとの婚約を解消し距離を置くが、彼の事で心に傷を負い忘れられずにいた。どうにかして彼を忘れる為にメアが頼ったのは、友人達に誘われた夜会。最初は遊びでも良いのじゃないの、と焚き付けられて。 (そうね、新しい恋を見つけましょう。その方が手っ取り早いわ。) ※ご都合主義です。変な法律出てきます。ふわっとしてます。 ※ヒーローは変わってます。 ※主人公は無意識でざまぁする系です。 ※誤字脱字すみません。

皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした

葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。 でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。 本編完結済みです。時々番外編を追加します。

【完結】お前を愛することはないとも言い切れない――そう言われ続けたキープの番は本物を見限り国を出る

堀 和三盆
恋愛
「お前を愛することはない」 「お前を愛することはない」 「お前を愛することはない」  デビュタントを迎えた令嬢達との対面の後。一人一人にそう告げていく若き竜王――ヴァール。  彼は新興国である新獣人国の国王だ。  新獣人国で毎年行われるデビュタントを兼ねた成人の儀。貴族、平民を問わず年頃になると新獣人国の未婚の娘は集められ、国王に番の判定をしてもらう。国王の番ではないというお墨付きを貰えて、ようやく新獣人国の娘たちは成人と認められ、結婚をすることができるのだ。  過去、国の為に人間との政略結婚を強いられてきた王族は番感知能力が弱いため、この制度が取り入れられた。  しかし、他種族国家である新獣人国。500年を生きると言われる竜人の国王を始めとして、種族によって寿命も違うし体の成長には個人差がある。成長が遅く、判別がつかない者は特例として翌年の判別に再び回される。それが、キープの者達だ。大抵は翌年のデビュタントで判別がつくのだが――一人だけ、十年近く保留の者がいた。  先祖返りの竜人であるリベルタ・アシュランス伯爵令嬢。  新獣人国の成人年齢は16歳。既に25歳を過ぎているのに、リベルタはいわゆるキープのままだった。

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

番?呪いの別名でしょうか?私には不要ですわ

紅子
恋愛
私は充分に幸せだったの。私はあなたの幸せをずっと祈っていたのに、あなたは幸せではなかったというの?もしそうだとしても、あなたと私の縁は、あのとき終わっているのよ。あなたのエゴにいつまで私を縛り付けるつもりですか? 何の因果か私は10歳~のときを何度も何度も繰り返す。いつ終わるとも知れない死に戻りの中で、あなたへの想いは消えてなくなった。あなたとの出会いは最早恐怖でしかない。終わらない生に疲れ果てた私を救ってくれたのは、あの時、私を救ってくれたあの人だった。 12話完結済み。毎日00:00に更新予定です。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

処理中です...