【本編完結】番って便利な言葉ね

朝山みどり

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13 宿で

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お風呂から上がってきたレオンに

「犬を食堂に連れて行っても大丈夫だと思う?」と聞いたら、少し考えて

「店主の考えがあるかと」と答えた。そりゃそうだと受付で確認すると、

「おとなしくしてるなら大丈夫」と言う事なので、わたしのリュックに入れて連れて行った。


隅に案内して貰ってレオンに向かって

「レオン好きなものをどうぞ」給仕には

「なにか、これは美味しいよって言うのはある?」

「今日は豚肉の煮込みが美味しいですよ。りんごのソースがいい出来です」

「わたしはそれを。レオンは?お肉がっつりはある?」と給仕に聞いたけどレオンは

「いや、同じものを」と答えた。

「煮込みを二つ。それから食後になにかある?」

「りんごのコンポートがあります。生クリームを添えてどうぞ」

「レオンは好き?」

「いただきます」とレオンが少し笑って答えた。

「それと犬のお皿になるようなのがあったら、お皿をゆずって欲しいんですが」と言うと

「確認してきます」と給仕はにっこり笑って去って行った。

「サミー様、奴隷と一緒の食卓でいいのですか?」

「いいけど、普通は一緒じゃないの?」

「はい。奴隷は別のものを食べます」

「そうなのね。まぁ気にしないでいいわ。いざって時。まぁいつ死ぬかわからないから。美味しいものを食べていたほうがいいわ」

そこに料理とチャーリーのお皿が来た。

わたしの料理からお皿にお肉を入れると、チャーリーを床に下ろしてお肉を食べさせた。

その様子を見ていた給仕は同じお皿をもう一枚持って来て、

「これはお水を入れて下さい。このお皿はわたしどもからのおまけです」と言った。

「ありがとう、言われるまで気付かなかった。チャーリーよかったね」と言うと小さく

「ヴァオ」と鳴いた。


食事が済むとチャーリーをリュックにいれて部屋に戻った。



「さて、レオンは戦えるんだね。武器はどれがいい?この中で使える物があれば使ってだめなら買うから」とギルドの物置を掃除した時の武器を出して、ベッドに並べた。

「サミー様・・・・その・・・」といろいろ言いたそうだったが、黙って武器を手に取って調べると

剣を手に取ってちょっと振って見ていたが、

「わたしはこれを使わせていただきたいです」と言った。

「いいけど、それは使いやすい?重いとか軽いとかあれば」

「これで大丈夫です」

「わかったそれをどうぞ。で他のは武器として使える物?」

「はい、どれも申し分ありません」

「売れば売れる?」

「はい、一度に売るのは良くないですが、それとわたしが持って行きます。サミー様が出したらびっくりされます」


「それとこの町は長居しないほうがいいかと思います」と言い出した。うん?とみると

「チャーリーが治っているのに気づかれると面倒です」と言った顔はわたしを心配している。確かにそうだよね。わたしもそう思ったし

「そうだね、チャーリーはリュックに入れておきましょう」

「それではわたしはお風呂に入って来ます。靴はそこに置いてね。悪いけどレオンとチャーリーは床で寝てね。お休み」と言うとわたしはお風呂に入った。




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