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第30話 聖女親衛隊の練習
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わたしは朝食の後、ラベンダーとミントがそわそわしているのを無視して、縫いぐるみを動かす練習をした。
「二人共、そわそわしてどうしたの?王妃つきの侍女失格よ・・・」と言うと
「失格でかまいません。親衛隊の仕事があります」とミントが言った。
「親衛隊の仕事?それがどうしたの?聖女はここにいるから聖女に仕えている今は親衛隊の仕事でしょ?ラベンダー。他の親衛隊を呼んで来て・・・目に余るわ」と言うとミントが
「ラベンダー一人では・・・」と言う。
「一人で?どうなの?なにが言いたいの?」ミントに言い、ラベンダーに向かって
「早く行きなさい」と命令した。
ラベンダーは急いで出て行った。
間もなく、侍女長とテレサを先頭に親衛隊がやって来た。
「王妃殿下」と侍女長が言った。
「なに?」と答えると
「殿下、親衛隊は殿下の私物ではありません。陛下直属です。王妃殿下のお好きに扱っていいものではありません」と胸を張った。
「陛下の?陛下の親衛隊だと言うの?」と怒って言うと
「さようでございます」と侍女長が答え全員がうなづいた。
「なるほど、陛下親衛隊と言うこと?」と薄笑いを浮かべると
「さようでございます」と侍女長が答えたので
「いつ決まったの?」と言って侍女長をじっと見た。
侍女長は下を向いている。さすがにまずいと思ったのか?他の親衛隊の反応はと見ると、下を向いてじっとしているがなにか言いたげだ。テレサがなにか言いたげにこちらを見たが、逆にわたしは無視して侍女長を見続けた。
「どうしたの?口を聞きたくないの?返事もしたくないの?」と声を荒げると
「ほんと、侍女長には困ったものね。ねぇテレサはさっきの会話覚えているよね」とテレサを名指しすると侍女長が悔しそうな顔をした。
「ねぇ親衛隊は陛下直属の聖女親衛隊だと決定したと言ったよね。テレサなら覚えられたでしょ?陛下直属の聖女親衛隊で間違いないよね」と言うとテレサはうなづいた。わたしはパンと手を叩くと
「良かった。テレサが覚えていてくれて・・・最初に決定したことを教えてくれたのは侍女長なのにね。アイリスきちんと言ってみて」とアイリスに振るとアイリスは侍女長を見てためらった。この娘もまずいと思ってるのかな?遅いけど・・・
「聖女親衛隊は・・・」で言いよどんだので
「テレサ、手伝ってあげて!」とテレサを見て言うと
「アイリス。よく聞いて。聖女親衛隊は陛下直属です。どう?」と得意満面で言った。侍女長の顔がゆがんだ。
「侍女長。さすがあなたの娘はお母様に似て頼もしいわね」と言うと
「隊長は誰にしましょうか?隊長一人。副隊長二人必要ね。とりあえず実力もつけて貰わないといけないわね。リックにもう一度苦労して貰いましょう。魔法士のリックを呼んで教えて貰いましょう。すぐにリックを呼んで。アイリス行って貰える?」と言うとアイリスはむっとした顔で出て行った。
「リックは侍女長に薫陶を受けています。わたしもリックに習いました。前の聖女様の努力も知っています。わたしと同じ方法で教えて貰いましょう」
そういうとわたしは一同をぐるりと見回すと
「わたしはもう行きますね」と言うと部屋を出た。適当に離れたところに行くと赤毛にして、隠蔽をかけた。まわりを見ているとリックとアイリスが歩いて来たが、リックはこころなしか笑顔だ。
聖女親衛隊のことはもう広まっている。侍女長が聖女親衛隊の一員だと言うのは知っているだろうから、誠心誠意教えるつもりだと思う。
充実した授業風景が見られるだろうとリックに笑いかけた。リックには見えないだろうけど・・・
「聖女親衛隊の皆様。魔法士のリックと申します。わたくしが聖女様に魔法を教えました。軽い治癒。かすり傷を治す程度です。それと浄化。体や衣類の汚れをとることが出来ます。それと兵士の士気を高めること。以上です」
「プッププ」「フフ」「フッ」と笑いを抑える声がした。そして
「わたしお父様から聞いたわ。聖女様ってほんとにかすり傷しか癒せなかったって・・・兵士の士気を高めると言ったって『出来たかどうかわからないなぁ』ってお父様の軍は優秀だからもともと士気が高いし」とガーベラがまわりに話すとアイリスも
「ほんとにそうだわ。うちの父は一番に駆けつけたのよ。陛下を助けたくて。陛下はほんとに父に感謝して下さったわ。はっきりと言えないけどあの聖女はいてもいなくても同じだったって。わたしたちも聖女親衛隊って名前だけど、陛下の直属ですもの。名称も変えたいわね」と負けずに声を張り上げた。
「今回は侍女長ご自身が親衛隊にいらっしゃいます。教えることがないかも知れませんね。今日は突然でなんの準備もしていませんので、浄化を教えます。手のひらを上に・・・そこに魔力が溜まる。そう念じて下さい。溜まったかなと思ったらそれを自分にかけて・・・おぉ皆さんお上手です。一度でこれほどとは・・・」
腕輪に込めた魔力がぶわっと溢れた。全員の体が光に包まれた。光が消えた。
親衛隊の制服は今は汚れてないので、効果はわからないが、光ったからね・・・
明日からは血で汚れるから浄化は大事よ。
わたしは陛下の執務室に行った。
「陛下、わたしに下さった短剣と同じものを親衛隊にも下さい」と言うと宰相が
「短剣ですか?」と言うので
「知ってるでしょ。自分を切って治すのよ。せっかくですから陛下からの短剣を使わせたいわ」と言うと、陛下は
「わかった。すぐに手配せよ」と宰相に言った。
「聖女であるわたくしから授与致します」と言うと
「まかせた」とだけ返事がありわたしは執務室を出た。
「二人共、そわそわしてどうしたの?王妃つきの侍女失格よ・・・」と言うと
「失格でかまいません。親衛隊の仕事があります」とミントが言った。
「親衛隊の仕事?それがどうしたの?聖女はここにいるから聖女に仕えている今は親衛隊の仕事でしょ?ラベンダー。他の親衛隊を呼んで来て・・・目に余るわ」と言うとミントが
「ラベンダー一人では・・・」と言う。
「一人で?どうなの?なにが言いたいの?」ミントに言い、ラベンダーに向かって
「早く行きなさい」と命令した。
ラベンダーは急いで出て行った。
間もなく、侍女長とテレサを先頭に親衛隊がやって来た。
「王妃殿下」と侍女長が言った。
「なに?」と答えると
「殿下、親衛隊は殿下の私物ではありません。陛下直属です。王妃殿下のお好きに扱っていいものではありません」と胸を張った。
「陛下の?陛下の親衛隊だと言うの?」と怒って言うと
「さようでございます」と侍女長が答え全員がうなづいた。
「なるほど、陛下親衛隊と言うこと?」と薄笑いを浮かべると
「さようでございます」と侍女長が答えたので
「いつ決まったの?」と言って侍女長をじっと見た。
侍女長は下を向いている。さすがにまずいと思ったのか?他の親衛隊の反応はと見ると、下を向いてじっとしているがなにか言いたげだ。テレサがなにか言いたげにこちらを見たが、逆にわたしは無視して侍女長を見続けた。
「どうしたの?口を聞きたくないの?返事もしたくないの?」と声を荒げると
「ほんと、侍女長には困ったものね。ねぇテレサはさっきの会話覚えているよね」とテレサを名指しすると侍女長が悔しそうな顔をした。
「ねぇ親衛隊は陛下直属の聖女親衛隊だと決定したと言ったよね。テレサなら覚えられたでしょ?陛下直属の聖女親衛隊で間違いないよね」と言うとテレサはうなづいた。わたしはパンと手を叩くと
「良かった。テレサが覚えていてくれて・・・最初に決定したことを教えてくれたのは侍女長なのにね。アイリスきちんと言ってみて」とアイリスに振るとアイリスは侍女長を見てためらった。この娘もまずいと思ってるのかな?遅いけど・・・
「聖女親衛隊は・・・」で言いよどんだので
「テレサ、手伝ってあげて!」とテレサを見て言うと
「アイリス。よく聞いて。聖女親衛隊は陛下直属です。どう?」と得意満面で言った。侍女長の顔がゆがんだ。
「侍女長。さすがあなたの娘はお母様に似て頼もしいわね」と言うと
「隊長は誰にしましょうか?隊長一人。副隊長二人必要ね。とりあえず実力もつけて貰わないといけないわね。リックにもう一度苦労して貰いましょう。魔法士のリックを呼んで教えて貰いましょう。すぐにリックを呼んで。アイリス行って貰える?」と言うとアイリスはむっとした顔で出て行った。
「リックは侍女長に薫陶を受けています。わたしもリックに習いました。前の聖女様の努力も知っています。わたしと同じ方法で教えて貰いましょう」
そういうとわたしは一同をぐるりと見回すと
「わたしはもう行きますね」と言うと部屋を出た。適当に離れたところに行くと赤毛にして、隠蔽をかけた。まわりを見ているとリックとアイリスが歩いて来たが、リックはこころなしか笑顔だ。
聖女親衛隊のことはもう広まっている。侍女長が聖女親衛隊の一員だと言うのは知っているだろうから、誠心誠意教えるつもりだと思う。
充実した授業風景が見られるだろうとリックに笑いかけた。リックには見えないだろうけど・・・
「聖女親衛隊の皆様。魔法士のリックと申します。わたくしが聖女様に魔法を教えました。軽い治癒。かすり傷を治す程度です。それと浄化。体や衣類の汚れをとることが出来ます。それと兵士の士気を高めること。以上です」
「プッププ」「フフ」「フッ」と笑いを抑える声がした。そして
「わたしお父様から聞いたわ。聖女様ってほんとにかすり傷しか癒せなかったって・・・兵士の士気を高めると言ったって『出来たかどうかわからないなぁ』ってお父様の軍は優秀だからもともと士気が高いし」とガーベラがまわりに話すとアイリスも
「ほんとにそうだわ。うちの父は一番に駆けつけたのよ。陛下を助けたくて。陛下はほんとに父に感謝して下さったわ。はっきりと言えないけどあの聖女はいてもいなくても同じだったって。わたしたちも聖女親衛隊って名前だけど、陛下の直属ですもの。名称も変えたいわね」と負けずに声を張り上げた。
「今回は侍女長ご自身が親衛隊にいらっしゃいます。教えることがないかも知れませんね。今日は突然でなんの準備もしていませんので、浄化を教えます。手のひらを上に・・・そこに魔力が溜まる。そう念じて下さい。溜まったかなと思ったらそれを自分にかけて・・・おぉ皆さんお上手です。一度でこれほどとは・・・」
腕輪に込めた魔力がぶわっと溢れた。全員の体が光に包まれた。光が消えた。
親衛隊の制服は今は汚れてないので、効果はわからないが、光ったからね・・・
明日からは血で汚れるから浄化は大事よ。
わたしは陛下の執務室に行った。
「陛下、わたしに下さった短剣と同じものを親衛隊にも下さい」と言うと宰相が
「短剣ですか?」と言うので
「知ってるでしょ。自分を切って治すのよ。せっかくですから陛下からの短剣を使わせたいわ」と言うと、陛下は
「わかった。すぐに手配せよ」と宰相に言った。
「聖女であるわたくしから授与致します」と言うと
「まかせた」とだけ返事がありわたしは執務室を出た。
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