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乾杯のあとで

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王太子がグラスを掲げて

「ご令嬢の皆様、グラスは渡りましたか。それでは・・・・乾杯!」

「乾杯!!」とグラスをあげた令嬢たちはグラスをあけた。

「美味しいですわ」「美味しい」


令嬢たちは、まばたきをしなくなり見開いた目で微笑まれたハリーは有名になった冷静さをなくし、助けを求めてあたりを見ていたとき、自分を見ていた王太子と目が合った。

王太子は勇気付けるようにっこりと笑うと、ハリーに近寄って来た。

「ハリー、ここにいたのか。近頃あまり話せなくて気になっていたこちらへ」と連れて行こうとしたところに

「あら、王太子殿下、ハリー様はわたくしとお話してますわ。・・・・・おまえ邪魔」

「そうよ、ハリー様はわたしと話したいの!」

「王太子殿下、わたくしとお話して下さいませんか?・・・・そのにやけ面、貸しな」

「あなたがた、それはあまりに無作法ですわ・・・・・あんたら、あっち行きな」

いつのまにか、やって来た、ページとライト、薬師長とティーナはメモを取りながら令嬢を観察している。

なかには

「ルミナ。急にどうしたの?それに目が・・・・目が・・そのおかしくない?」

「パトラ。どこがおかしいだと・・・なにがおかしいってんだ。あのくそあまども、気に入らねぇ」と言うとルミナは、バビューンと飛び上がった。

十メートルほど飛び上がり、ドンと落ちてきた。

ルミナが落ちた場所のそばにいた令嬢は

「びっくりすんだろ。いきなり落ちるな。ずっと上がっとけ。こうするんだ」と飛び上がった。


やがて記録していたページとライトの合図で令嬢達にワイングラスが配られた。

だいたい、一杯目は普通に飲み、口数が少なくなり、まばたきをするようになった。

二杯飲むと倒れるように眠って行った。


半数ほどの令嬢はパトラのようになんの変化もなかった。

パトラは驚きと怯えで固まっていたハリーの手を引いて安全な場所に避難させた。

王太子とジルは薬師用のローブを給仕から受け取るとページとライトの一団に紛れた。


園遊会の出来事は暑さのせいとか、ドラゴンの呪いとか言われるようになった。


後に王室から出席した家すべてに美肌ポーションが箱で贈られた。


ちなみにパトラとハリーは後に結婚した。




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