29 / 60
薬師長の悩み
しおりを挟む
ティーナのキャラを考えていましたが、ひとりで色々考えていて、なんとなくみんなが知ってると思ってしまいました。
それで薬師長に紹介して貰うことにしました。
◇◇◇
知り合いの薬師から連絡があった。
「天才が手元にいる。託したい、守ってやってくれ」
理由がわからなかった。天才ってなに?だけど彼の誠実な人柄から言って騙していることは、ないだろう。
王宮で下働きぐらいだったら、わたし個人で雇ってもいいかなと人助けのつもりで会いに来てもらった。
間違いなく天才だった。彼も彼女、ティーナを守るのは王宮しかないと思ったようで、わたしを頼ったようだ。
ティーナが部屋の隅でお菓子を食べながら本を読んでいる間、彼女の今までを教えて貰った。
ティーナは孤児院にいたらしい、まだこの国が大変だった頃、ティーナが五歳くらいの時、孤児たちが熱を出したそうだ。
満足に食べられなくて体力のない子供達は重体だったそうだ。
するとティーナが
「この草が熱を下げるって教わった」とか言って庭に植えてある薬草をちぎって鍋に入れ、水を空中に出すとそれも鍋にいれ、
「院長せんせ、火をつけて」と言ったそうだ。薬草だし害にはならんだろうと火をつけてやると
ティーナはしばらく鍋を見ていたが、よしって感じで鍋を火から降ろして
「これを飲ませて」と言ったらしい。
匂いはなんだか、ポーションらしいし、温かいものは体にいいだろうと飲ませたところ、熱が下がった。
院長はその事を近所の薬師に相談して、彼がティーナを引き取って薬草のことを教えたらしい。
「なぁ薬師って言うのは自分で水を出すのか?」
それはない、絶対に秘密にすると約束させたらしい。
彼が言うには少し教えたら、自分で薬草事典を読んで知識を吸収したらしく手がかからなかったそうだ。
知識は教えたが、それも最初だけ、後は全部、彼女の才能らしい。
ポーションはいくつかの薬草を使って作る。薬効のあるもの。薬効を高めるもの。材料から薬効をよりたくさん引き出すもの。
それをティーナは一つだけで作る。
師匠は、ポーションを作る時はひとりで、誰にも見せてはいけないと教えたらしい。
そしてティーナは王宮薬師として働き出した。王宮薬師はプライドが高く一般のポーションなんかは作りたがらない。なにやら研究をしたがる。
そのしわ寄せが薬師長のわたしに来て、わたしはポーション作りに追われていた。
それがティーナのおかげで解決した。それどころが王宮職員の仕事効率をあげる為や、福利厚生で売り出していたポーションが人気になって転売するものが出てきた。時に美肌ポーションはすぐに売り切れてしまう人気商品となった。
すると、あの王太子が乗り出してきた。いつものように、にまにま笑いながら、二つ三つ質問するとティーナを見に行った。
それからはあった言う間だった。結婚?誰と?逃げ出した?なぜ?
そう、託されたのに守りきれなかった。食堂に来なくなった時にもっと調べればよかった。公爵の所からお弁当を持たされていると思ったんだよ・・・・
今、わたしたちはポーション作りに忙しい・・・・品質が落ちたと苦情は来るし、研究がはかどらないと長たるわたしを睨む薬師たち・・・・ティーナ・・・・戻って来て・・・
それで薬師長に紹介して貰うことにしました。
◇◇◇
知り合いの薬師から連絡があった。
「天才が手元にいる。託したい、守ってやってくれ」
理由がわからなかった。天才ってなに?だけど彼の誠実な人柄から言って騙していることは、ないだろう。
王宮で下働きぐらいだったら、わたし個人で雇ってもいいかなと人助けのつもりで会いに来てもらった。
間違いなく天才だった。彼も彼女、ティーナを守るのは王宮しかないと思ったようで、わたしを頼ったようだ。
ティーナが部屋の隅でお菓子を食べながら本を読んでいる間、彼女の今までを教えて貰った。
ティーナは孤児院にいたらしい、まだこの国が大変だった頃、ティーナが五歳くらいの時、孤児たちが熱を出したそうだ。
満足に食べられなくて体力のない子供達は重体だったそうだ。
するとティーナが
「この草が熱を下げるって教わった」とか言って庭に植えてある薬草をちぎって鍋に入れ、水を空中に出すとそれも鍋にいれ、
「院長せんせ、火をつけて」と言ったそうだ。薬草だし害にはならんだろうと火をつけてやると
ティーナはしばらく鍋を見ていたが、よしって感じで鍋を火から降ろして
「これを飲ませて」と言ったらしい。
匂いはなんだか、ポーションらしいし、温かいものは体にいいだろうと飲ませたところ、熱が下がった。
院長はその事を近所の薬師に相談して、彼がティーナを引き取って薬草のことを教えたらしい。
「なぁ薬師って言うのは自分で水を出すのか?」
それはない、絶対に秘密にすると約束させたらしい。
彼が言うには少し教えたら、自分で薬草事典を読んで知識を吸収したらしく手がかからなかったそうだ。
知識は教えたが、それも最初だけ、後は全部、彼女の才能らしい。
ポーションはいくつかの薬草を使って作る。薬効のあるもの。薬効を高めるもの。材料から薬効をよりたくさん引き出すもの。
それをティーナは一つだけで作る。
師匠は、ポーションを作る時はひとりで、誰にも見せてはいけないと教えたらしい。
そしてティーナは王宮薬師として働き出した。王宮薬師はプライドが高く一般のポーションなんかは作りたがらない。なにやら研究をしたがる。
そのしわ寄せが薬師長のわたしに来て、わたしはポーション作りに追われていた。
それがティーナのおかげで解決した。それどころが王宮職員の仕事効率をあげる為や、福利厚生で売り出していたポーションが人気になって転売するものが出てきた。時に美肌ポーションはすぐに売り切れてしまう人気商品となった。
すると、あの王太子が乗り出してきた。いつものように、にまにま笑いながら、二つ三つ質問するとティーナを見に行った。
それからはあった言う間だった。結婚?誰と?逃げ出した?なぜ?
そう、託されたのに守りきれなかった。食堂に来なくなった時にもっと調べればよかった。公爵の所からお弁当を持たされていると思ったんだよ・・・・
今、わたしたちはポーション作りに忙しい・・・・品質が落ちたと苦情は来るし、研究がはかどらないと長たるわたしを睨む薬師たち・・・・ティーナ・・・・戻って来て・・・
42
お気に入りに追加
3,122
あなたにおすすめの小説
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
【完結】ご結婚おめでとうございます~早く家から出て行ってくださいまし~
暖夢 由
恋愛
「シャロン、君とは婚約破棄をする。そして君の妹ミカリーナと結婚することとした。」
そんなお言葉から始まるばたばた結婚式の模様。
援護射撃は第3皇子殿下ですわ。ご覚悟なさいまし。
2021年7月14日
HOTランキング2位
人気ランキング1位 にランクインさせて頂きました。
応援ありがとうございます!!
処女作となっております。
優しい目で見て頂けますようお願い致します。
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
どうぞご勝手になさってくださいまし
志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。
辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。
やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。
アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。
風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。
しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。
ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。
ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。
ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。
果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか……
他サイトでも公開しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACより転載しています。
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる