王命なんて・・・・くそくらえですわ

朝山みどり

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これで終わり 王太子目線

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フレデリックたちは、あの修羅場を止めようとしていた。全然だめだったけどな。


更によれよれになった三人を別室に案内し、風呂と食事の用意をさせた。



落ち着いた頃、俺が部屋を訪ねると、はじかれたように三人はひざまずいた。

言葉もなくふるえる肩が、彼らの思いを語っている。

「レッド公爵家は潰す。フレデリックは当主として最後の仕事をして欲しい」

「はい、どのような事も」

「「わたくしも同様に」」


フレデリックはジルの二つ上で子供の頃、ジルと俺の面倒をよく見てくれたのだ。

その後、ジルの補佐に徹していたが、あの叔父さんが言うとおりやれるやつなんだ。


「これに署名をして欲しい。枚数があるから大変だが・・・・・」

フレデリックはふっと笑うとさっさと署名をした。

レッド一族は全員、平民に落ちた。奉仕をして貰うぞ。

質問もためらいもなかった。さすがだ。

「今後、三人はギルドで働いて欲しい。家名がないと面倒なんで好きなのをつけろ」

「はっ」

「質問しないのか?」

「・・・・・」

「動じないのはさすがだが、おもしろくない・・・」

「・・・・」

「ギルドをようやく手懐けた。手の者を入れたい。ちょうど三人いるから・・・・リバリア王国、ノーステラ帝国、アズマ法皇国へ行ってくれ。行先は三人で決めろ」

三人がうなづくと隊長が入って来て三人を連れて行った。


さて、いよいよ最後の仕事だ。


門が開いているし、妙な匂いがするし様子を見に入ってきた者達が、異様なものを見て怖がってる。無理もない。


俺は

「おまえたちは貴族ではなくなった。おまえたちは貴族の名誉を傷つけた。おまえたちは・・・・おまえたちは汚い。単純に汚い。臭い。触りたくない。ここからたたき出して平民に混ぜるつもりだったが、平民が嫌がっているよな」

と見物人の方を見るとコクコクとうなづいた。

「この者たちはここから出さない」と言うと見物人はほっとしている。護衛に命じて彼らを外に送る。

俺はこの家の者たちに

「飢え死にさせるつもりはない。肉とリンゴンを届ける。わかっていると思うがここからでるのは許さない」

そう宣言した。





◇◇◇

新作の「なにも奪わせない」を投稿しています。四話完結の短い話です。ぜひ読んでみて下さい。

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