王命なんて・・・・くそくらえですわ

朝山みどり

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公爵家を終わらせよう 王太子目線

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冒険者ギルドから使いが来た。あのイケメンさんだ。都合のいい時に来て欲しいんだって。

まぁいいでしょうとお店を閉めて出かけた。

依頼は美肌ポーションを作って欲しいと言うものだ。代金も充分だ。瓶と材料をそえて依頼が来たというので、すぐに作ることにした。

久しぶりのポーション作りは楽しかった。あの二人がいなければ今でもあそこでポーションを作っていたのにと怒りが沸いたが、すぐに押さえた。すぐに鍋を宥めるために、やさしくゆすった。それから静かに見守った。

余った材料は貰っていいと言う事なので、ありがたく頂戴した。

見ていたら、ポーションはすべてギルドの外に運び出されていた。


店に戻る途中で、あの初心者さんたちに会った。


「これから店に戻りますか?」

「うん」

「よかった。今日も飲める」

「ごめん、急に休んで」

と賑やかに店に戻った。




◇◇◇ 王太子目線

第二王子を虐めるのにも飽きたので、レッド公爵家の方を片付けることにした。ジルはうっとうしいので、北の大国ノーステラ帝国に喧嘩をふっかけに行かせた。総大将は第二王子のウィリアムだ。

皇太子のツーチャンから手紙が矢継ぎ早に届く。ジルにあげたい町があるんだよ。我慢して。



さて虫を封印して二週間だ。

ハメル邸は出入りこそさせなかったが、普通の生活がおくれるように気を配った。衣食住すべてにおいてだ。そして美肌ポーションの瓶を使用人の末に至るまで配っておいた。


レッド邸には、パンと脂身の多い肉を配達したのみだ。


俺はハメル邸を訪ねた。


「おそくなってすまない。もう安心だ。レッド邸まで送っていこう」俺の名前で品物を配達していたので、好意的だった。封鎖したのは俺だけど・・・・


レッド邸に入った彼らは驚いたようだ。

久しぶりの家族、一族の心あたたまる団欒となると思ったが、ハメル邸にいたやつらは匂いに顔をしかめてなにも言えなかった。


「なぜだ。なぜおまえたちはそんなにつやつやなんだ?」

「・・・・あの、どうしてそんな状態なのですか?お風呂は?」

「マリールイーズ様でらっしゃいますよね・・・・・貴婦人はどの状態でも・・・背筋を伸ばすと・・・」

「みなさま、なにがありましたの?どうなさったんですか?」

「お前たちは裏切ったんだ」

「いえ、わたくしたちは閉じ込められていても貴族の矜持を守り、節度ある暮らしをしておりましたが・・・・」

「そうです。終日家のなかで過ごすよう強制されましたが、助け合い、励ましあいました」

「左様です。不自由ななかで貴族として恥ずかしくない様努めました。それを裏切りなどと・・・」






「おい、こいつらが臭い。水をかけてきれいにしろ」と俺が言うと

「外に出しますね」と冒険者が答えた。うなづくとすごーーーく、嫌そうに指先で、マリールイーズの服の端をつまみ、もう片方にどこかの夫人をつまむと外に出て行った。


それを見て他の冒険者は

「自分で出てくれますか?」

レッド邸に元からいた者は、よろよろ歩いて去って行った。

残ったハメル家の者たちは、

「ジルフォード様が乱心というのは嘘だったのでは?」

「どこからそんなうわさを?」と聞くと

「マリールイーズ様です。お母様が言う言葉ですので、信じましたが」

「ジルフォードは今、ノーステラ帝国の暴挙に対応する為にあちらへ行っているが・・・だいたい、公爵本人を廃嫡するとか・・・・頭は確かか?できるわけないだろう。逆ならまだしも」

ここで言葉を切って首を傾げると

「息子を貶めるとは、なにをしたいんだろうな?」と言った。

やつらは、互いに顔を見合わせていた。

「そろそろ洗い終わって戻って来ますね。みなさんの愛情で彼らを正してあげて下さい」


「ハメル家の使用人はここで主人と別れてくれ。次を紹介するので馬車で待っているように」と彼らを部屋から出した。


ついで、洗い終わって帰って来た者に向かって

「お茶会のお客様が巻き込まれていたそうで、把握が遅れてすまなかった。自宅まで送るので申し出てくれ」

彼女たちを隊長の一人が馬車に案内した。




「レッド家の皆様、当主はフレデリック殿で届けを出しておられますね。受諾されました。フレデリックおめでとう。この困難を乗り越えることを祈る。あっそれから第二王子の迷いはノーステラに行く前にジルが親身に諭しておったぞ。お前らは不本意だろうが、王太子は引き続き俺だ」

「それは・・・」「そうではないんです」「我々は・・」

「では、わたしは失礼する。支援を続けたいが公爵夫人から盗みをした上に、公爵位を盗もうとし、果ては王太子のすげ替えを企んだおまえたちを庇うのはいくらわたしでも難しい・・・・努力はするが・・・・許せ・・・」


俺はそう言うと護衛に取り囲まれて屋敷を出た。


その夜、第二王子の夢に入った。夢のなかで俺はやつが立派な犬になれるように鍛えてやった。

お座り、ワンと鳴くこと、月に向かって吠えること、トイレは片足をって指導するとクンクン泣いて面倒になった。

あいつは立派な犬になれないやつだ・・・・
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