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王都の騒動 王太子目線

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第二王子一派の動きが不穏になったと連絡が来た。毎度、毎度、こいつは・・・・変わり映えしないのも飽きてきたから、ジルに頼っちゃおう。

だが、いいタイミングで行動してくれた。褒美をやりたいぐらいだ。そしてマリールイーズの実家が一枚噛んでいるとか・・・・楽しすぎだろ。


公爵をやめてティーナを探しに行くというジルにこう言った。

「ジルフォード、落ち着けばわかる事だよね、ちょっと言ってみてるだけだとわかっている。この町だってここに来る途中でも気づいていたと思うけど、フォグ侯爵とマレーナ伯爵が協力してる。彼らは信頼できる。上の者として取るべき態度はわかっていると思う・・・・今からわたしは王太子のヘンリーだ」

「・・・わたしはジルフォード・レッド公爵」どんなに卑怯な相手でも怯まず、屈せず、正攻法で勝利する男だ。


帰りはフォグ侯爵とマレーナ伯爵が兵を同道させてくれて隊列を組んで王都に戻った。


先ず、王宮に二人で戻った。王宮は静かだった。危険な魔物が近づいた森のようだ。小鳥も虫もなりをひそめている。

だが、

「おや、ジルではないか。なんでも乱心して母親を乱暴に扱い、姉と妹にも暴力を振るったとマリールイーズから連絡があって仰天したぞ。事情を聞きたくも、おまえはいないし・・・・使用人たちも口を揃えてお前の非を訴えて来るよってに・・・・当主交代の要請をした所だ。新しい当主はフレデリックだ。我が息子ながら昔から、おまえが目立つように実力を隠しておったな・・・・遠慮せずに力を示せと息子可愛さで父は言うたもんじゃが・・・あいつは奥ゆかしくてな。だが、今回は当主となることに首を縦に振った。今、公爵邸に詰めておまえの後始末をしておる」

気に触る虫がでた。


「叔父上、お久しぶりです。そのような事態にしたんですね。母上の実家のハメル侯爵も足並みを揃えたんですか?」

「あぁハメルの所のなんて言ったか、おまえの従兄弟が憤慨していたぞ。マリールイーズが気の毒だと言ってな。伯母思いのいい子だ」


「クリフとパーシーは?」

「フレデリックと一緒に公爵家におる。兄弟仲がいいからな」

と似合いもしない鷹揚さでジルの叔父は答えると、ことさら驚いた表情を作り

「おや、王太子殿下、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。聞いてらっしゃったでしょう。今、公爵家は少々ごちゃごちゃしておりまして、王太子殿下にまで気が回りませんでした」

俺の護衛が緊張したが、軽く合図を送ってなだめた。

「当主交代の要請とは剣呑だな。フレデリックをレッド公爵家の当主とするとは・・・・ここにいるジルフォード以外は一族が賛成していると見ていいのかな?」

「一族どころか、マリールイーズの実家のハメル家を始めとしてですな。殿下も情勢を・・・・」

「わかった、情勢を見て賢く立ち回ろう」


こんなのを相手にするのは面白くないし、虫に触りたくないから、さっさと始末をつけよう。

先ずはハメル邸とレッド邸の出入り口を塞いだ。女どもがお茶会を開いていたようだが、ちょうどいいから纏めて封印してやった。

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