王命なんて・・・・くそくらえですわ

朝山みどり

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毛生え薬 ティーナ目線

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昼頃、魔物が届いたと連絡があり、ギルドに行った。頼んだ通り一匹ずつ檻に入っている。ちょっと可愛い。

試作品を皿に入れて檻のなかに入れたが、警戒しているのか匂いを嗅ぐだけで飲まない。うーーんと考えて硬いパンを持ってきて貰い、染みこませてお皿に入れた。

すると恐る恐る食べている。食べ終わったらお皿を舐めて欲しそうにこちらを見ている。ちょっとじゃなくすごく可愛いと思ってたら、

「手を出すな。手がなくなるぞ」と言われた。エリクサーってこういう時に使えばいいんだ。ないけど・・・

もう片方はなにも貰えないのでくんくん鳴いている。それでパンをお皿に乗せてなかにいれるとすぐに食べだした。

食べている最中に試作品を上から振りかけた。

なにも起こらなかった。お腹が痛くなったようすもなく、毛量も変わらず。

明日まで待つことにした。魔物はギルドで預かってもらった。

「ティーナそれを人間が飲んだらどうなるんだ?」

「同じになります。毛が生えるはずです。だけどまだ生えないね」

「害にはならないのだろう」

「そうですね、害をどう考えるかって事ですが、死にはしません。はっきり言えるのはここまでですね」

「そういうものなんだ」

「はい、薬草事典に載ってないので、なんとも言えません。実際まだ変化がないですよね。出来たって思うんですけど」

「それなら、その実を少し多めにギルドで買っておくかな。ティーナが研究できるだろ」

「いいえ、急ぐ研究でもないですし・・・・」


話はそこまでにして、わたしは部屋に戻った。お金がはいったので我慢していた本を何冊か買っていたのだ。早く読みたい。


翌朝、魔物を見たわたしはおかしくて笑いが止まらなかった。飲んだほうは体中の毛の量が増え、長くなり、まん丸になっていた。

振りかけた方は、その部分だけの毛が増え長くなって迷惑そうな顔をしていた。


「手を出すなよ。その見た目になっても凶暴だ」と先に言われてしまった。

「まぁ実際に試した結果がわかっただけでもよかったです。つけた所の毛量が増えました。つるつるの所に生えるかはわかりませんけどね。いい実験ができました」

「そうだ、ティーナさっき連絡があったんだけど、馬車の車輪がちょっと心配だそうで出発が明日になったそうだ」

「えーーーそうなんだ。まぁ仕方ないか。この子の観察もできるし、ちょっと町を歩いてきますね」

わたしはギルドをでると、町歩きを楽しんだ。



夕方、気持ちよく疲れて宿に戻るとマスターが待っていた。

「ティーナ、あの薬のね・・・・・とにかく見てくれ」と言う事でギルドに向かった。




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