6 / 60
公爵家 ジルフォード目線
しおりを挟む
きちんと先触れを出して家に戻った。服装を整えた母と姉が待っていた。
「ただいま、戻りました」
「おかえりなさい、ジル」
「おかえり、ジル」
「姉上、母上わたくしも家督をついで公爵です。愛称で呼ぶのはおやめください」
「・・・・なに堅苦しい事を言ってるの?家族でしょ」
「そうですね・・・・・ではわたくしの方からの呼び名を変えます。よろしいですね。前公爵夫人。フォグ侯爵夫人」
「久しぶりでございます。居間に」
「そうだな」と言うとエスコートを待つそぶりの二人を置いて俺は居間に向かった。
先にソファに座り遅れて入って来る二人を見ていた。
二人共少し戸惑っていて何故だろうと言った顔をしている。
「この家は王命に背いた咎で潰れます」
ガチャ。ポットにお湯を入れていたメイドが立てた物音だ。
母も姉もびっくりして俺を見ている。
「ジル・・・ジルフォード。何を言っているの?潰すって王命ってあの馬鹿げた王命?」
「王命の内容に意見を言いますか?前公爵夫人」
「待って、そんなつもりは・・・・・だって・・・平民の田舎娘・・・・」
「そうよ、ジルフォード。あんなのがどうしたの?おかしいわよ。ちゃんとしてレッド公爵」
「わたしの態度はどうでもいいのです。王命に背いた事を責めているのです」
「王命って?」
「一応、公爵夫人であった人、公爵令嬢であった人ですね・・・・・王命ですよ」
「あっ忘れるところだったセバスチャン。これは妻へのお土産だ。妻の部屋に置いておいてくれ」と執事のセバスチャンに綺麗に包まれた箱を渡した。
セバスチャンは箱を受け取るとギクシャクと出て行った。
「明日、マーレナ伯爵夫人が来る。詳しい事は明日言い渡す」
「ジルファード、お願い」「ジルフォード、弟のくせに」
これ以上二人と一緒にいるのも腹が立つので、部屋を出た。
「セバスチャン、妻の部屋はどこだ?」と言いながら廊下を歩いていたら、侍女長と執事がひざまづいていた。
「旦那様、お許し下さい」「旦那様逆らえなかったのです」
「どうしたんだ?妻の部屋の掃除がおろそかとか?」
「・・・・・・お許し下さい」「旦那様」
「どうした、立て。妻の部屋はどこだ?」
しばらく二人を見下ろしてから
「たった今から、この家では誰も食事をしてはならない。俺はお前らのように鬼ではない。水を飲むことは許そう」
自分の部屋に入った。
翌日、妹のスーザン・マレーナが夫君のマレーナ伯爵と一緒にやって来た。
「お兄様、おかえりなさい。お疲れ様でした」
「公爵閣下、長き任務お疲れ様でございました」
二人が挨拶をして来た。この二人は学生時代からの付き合いで結婚してなか睦まじいのがよくわかる。
一晩でやつれたセバスチャンが客間に案内する。
「どうしたの?セバスチャン。なんだか疲れてる?お兄様当ての釣書が多くて大変だったりして」と
マレーナ伯爵夫人がはしゃぐ声が聞こえる。いつまでそうしていられるか?
それからフォグ侯爵がやって来た。
「公爵急な呼び出しに驚いた。なにかあったのか?」と言うと客間に歩いて行った。
「ただいま、戻りました」
「おかえりなさい、ジル」
「おかえり、ジル」
「姉上、母上わたくしも家督をついで公爵です。愛称で呼ぶのはおやめください」
「・・・・なに堅苦しい事を言ってるの?家族でしょ」
「そうですね・・・・・ではわたくしの方からの呼び名を変えます。よろしいですね。前公爵夫人。フォグ侯爵夫人」
「久しぶりでございます。居間に」
「そうだな」と言うとエスコートを待つそぶりの二人を置いて俺は居間に向かった。
先にソファに座り遅れて入って来る二人を見ていた。
二人共少し戸惑っていて何故だろうと言った顔をしている。
「この家は王命に背いた咎で潰れます」
ガチャ。ポットにお湯を入れていたメイドが立てた物音だ。
母も姉もびっくりして俺を見ている。
「ジル・・・ジルフォード。何を言っているの?潰すって王命ってあの馬鹿げた王命?」
「王命の内容に意見を言いますか?前公爵夫人」
「待って、そんなつもりは・・・・・だって・・・平民の田舎娘・・・・」
「そうよ、ジルフォード。あんなのがどうしたの?おかしいわよ。ちゃんとしてレッド公爵」
「わたしの態度はどうでもいいのです。王命に背いた事を責めているのです」
「王命って?」
「一応、公爵夫人であった人、公爵令嬢であった人ですね・・・・・王命ですよ」
「あっ忘れるところだったセバスチャン。これは妻へのお土産だ。妻の部屋に置いておいてくれ」と執事のセバスチャンに綺麗に包まれた箱を渡した。
セバスチャンは箱を受け取るとギクシャクと出て行った。
「明日、マーレナ伯爵夫人が来る。詳しい事は明日言い渡す」
「ジルファード、お願い」「ジルフォード、弟のくせに」
これ以上二人と一緒にいるのも腹が立つので、部屋を出た。
「セバスチャン、妻の部屋はどこだ?」と言いながら廊下を歩いていたら、侍女長と執事がひざまづいていた。
「旦那様、お許し下さい」「旦那様逆らえなかったのです」
「どうしたんだ?妻の部屋の掃除がおろそかとか?」
「・・・・・・お許し下さい」「旦那様」
「どうした、立て。妻の部屋はどこだ?」
しばらく二人を見下ろしてから
「たった今から、この家では誰も食事をしてはならない。俺はお前らのように鬼ではない。水を飲むことは許そう」
自分の部屋に入った。
翌日、妹のスーザン・マレーナが夫君のマレーナ伯爵と一緒にやって来た。
「お兄様、おかえりなさい。お疲れ様でした」
「公爵閣下、長き任務お疲れ様でございました」
二人が挨拶をして来た。この二人は学生時代からの付き合いで結婚してなか睦まじいのがよくわかる。
一晩でやつれたセバスチャンが客間に案内する。
「どうしたの?セバスチャン。なんだか疲れてる?お兄様当ての釣書が多くて大変だったりして」と
マレーナ伯爵夫人がはしゃぐ声が聞こえる。いつまでそうしていられるか?
それからフォグ侯爵がやって来た。
「公爵急な呼び出しに驚いた。なにかあったのか?」と言うと客間に歩いて行った。
90
お気に入りに追加
3,120
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者取り替えっこしてあげる。子爵令息より王太子の方がいいでしょ?
との
恋愛
「取り替えっこしようね」
またいつもの妹の我儘がはじまりました。
自分勝手な妹にも家族の横暴にも、もう我慢の限界!
逃げ出した先で素敵な出会いを経験しました。
幸せ掴みます。
筋肉ムキムキのオネエ様から一言・・。
「可愛いは正義なの!」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済み
R15は念の為・・
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
私が我慢する必要ありますか?【2024年12月25日電子書籍配信決定しました】
青太郎
恋愛
ある日前世の記憶が戻りました。
そして気付いてしまったのです。
私が我慢する必要ありますか?
※ 株式会社MARCOT様より電子書籍化決定!
コミックシーモア様にて12/25より配信されます。
コミックシーモア様限定の短編もありますので興味のある方はぜひお手に取って頂けると嬉しいです。
リンク先
https://www.cmoa.jp/title/1101438094/vol/1/
幼なじみが誕生日に貰ったと自慢するプレゼントは、婚約者のいる子息からのもので、私だけでなく多くの令嬢が見覚えあるものでした
珠宮さくら
恋愛
アニル国で生まれ育ったテベンティラ・ミシュラは婚約者がいなかったが、まだいないことに焦ってはいなかった。
そんな時に誕生日プレゼントだとブレスレットを貰ったことを嬉しそうに語る幼なじみに驚いてしまったのは、付けているブレスレットに見覚えがあったからだったが、幼なじみにその辺のことを誤解されていくとは思いもしなかった。
それに幼なじみの本性をテベンティラは知らなさすぎたようだ。
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ここはあなたの家ではありません
風見ゆうみ
恋愛
「明日からミノスラード伯爵邸に住んでくれ」
婚約者にそう言われ、ミノスラード伯爵邸に行ってみたはいいものの、婚約者のケサス様は弟のランドリュー様に家督を譲渡し、子爵家の令嬢と駆け落ちしていた。
わたくしを家に呼んだのは、捨てられた令嬢として惨めな思いをさせるためだった。
実家から追い出されていたわたくしは、ランドリュー様の婚約者としてミノスラード伯爵邸で暮らし始める。
そんなある日、駆け落ちした令嬢と破局したケサス様から家に戻りたいと連絡があり――
そんな人を家に入れてあげる必要はないわよね?
※誤字脱字など見直しているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
婚約者を義妹に奪われましたが貧しい方々への奉仕活動を怠らなかったおかげで、世界一大きな国の王子様と結婚できました
青空あかな
恋愛
アトリス王国の有名貴族ガーデニー家長女の私、ロミリアは亡きお母様の教えを守り、回復魔法で貧しい人を治療する日々を送っている。
しかしある日突然、この国の王子で婚約者のルドウェン様に婚約破棄された。
「ロミリア、君との婚約を破棄することにした。本当に申し訳ないと思っている」
そう言う(元)婚約者が新しく選んだ相手は、私の<義妹>ダーリー。さらには失意のどん底にいた私に、実家からの追放という仕打ちが襲い掛かる。
実家に別れを告げ、国境目指してトボトボ歩いていた私は、崖から足を踏み外してしまう。
落ちそうな私を助けてくれたのは、以前ケガを治した旅人で、彼はなんと世界一の超大国ハイデルベルク王国の王子だった。そのままの勢いで求婚され、私は彼と結婚することに。
一方、私がいなくなったガーデニー家やルドウェン様の評判はガタ落ちになる。そして、召使いがいなくなったガーデニー家に怪しい影が……。
※『小説家になろう』様と『カクヨム』様でも掲載しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる