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04 結婚式
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やがて、ドアが開いて
「お待たせしました。式なんて適当でい・・・」と不自然に言葉が途切れた。
わたしは逆に
「あへ!」と声が出た。
男たちが彼を「来たな。アンジェロ」「災難だな。ジェロ」「よく来た。アンジェラ」「フォードのやつ、逃げやがって」と出迎えた。
アンジェラってこの男が?・・・いや、それはないだろ。アンジェラさん。わたしでいいのか?
「さぁ、済ませよう」と言うことですぐに式が始まった。
神官がいろいろと言っていたが最後に
「アンジェラ・マーチ。”花人”ノエル・レイフォードを対の相手として守り、愛することを誓いますか」と言った。アンジェラさんの
「誓います」はかすれていた。
「ノエル・レイフォード。”花人”アンジェラ・マーチを対の相手として守り、愛することを誓いますか」と言われてわたしは
「誓います」と言った。他に言いようもないしね。
「誓いのキスを」の言葉でアンジェラさんはわたしの腰をぐいと引き寄せると下を向いていたわたしの顎をぐいとあげると顔を近づけて来た。見上げたわたしの目を見た彼ははっとして、唇を近づけるだけのキス?をした。
それまで、揶揄半分で、わたしとアンジェラさんと見ていた三人が息を飲んだ。
それから婚姻届に署名した。
アンジェラ・マーチの横にノエル・レイフォードの名前が並んだ。
「終わったな。アンジェラ」「これですんだ」「押し付けて悪いな」「フォードに合ったら殴っといてやる」と三人に言われながらアンジェラさんは
「式が終わってほっとしたよ。こちらの荷物はどうなっている?」とわたしを指さした。
「あっあいつ」「そうだ、あいつ」「荷物を下ろさずに馭者のやつ帰って行った」と三人が答えるとアンジェラさんは
「そうか」とだけ言った。
「まさか・・・ケルのやることですからね」
「そうだな」とアンジェラさんが笑うと三人も笑った。一頻り笑うとアンジェラさんは
「帰る」と三人に向かって言うとわたしをちらっと見て
「一緒に来い」と言った。仲良くするのは無理そうだな。わたしを見るのも嫌そうだ。
後ろで三人が
「まさか?本気か?」「お前どうしたんだ?」「止めなくていいのか?」「おい、ジェロ」「出発が」と言っているのが聞こえた。
廊下を歩きながら
「こんな所に長居は出来ない。急ぐぞ」とさっさと歩く。自慢じゃないが、わたしは屋敷に閉じ込められて育ったのだ。そんなに早く歩くと息が切れる。
もう、ここで逃亡したいがお城の中だとすぐに捕まるだろう。頑張ってついて行った。
馬車に乗ってっもしばらく息が切れていた。
「随分、軟弱だな。箱入りってことか」と馬鹿にした口調で言われたが
「いえ・・・」と答えるだけで精一杯だった。
縁あって知り合ったんだ。伴侶としてではなく友情くらいはと思ったが、無理みたいだ。
「お待たせしました。式なんて適当でい・・・」と不自然に言葉が途切れた。
わたしは逆に
「あへ!」と声が出た。
男たちが彼を「来たな。アンジェロ」「災難だな。ジェロ」「よく来た。アンジェラ」「フォードのやつ、逃げやがって」と出迎えた。
アンジェラってこの男が?・・・いや、それはないだろ。アンジェラさん。わたしでいいのか?
「さぁ、済ませよう」と言うことですぐに式が始まった。
神官がいろいろと言っていたが最後に
「アンジェラ・マーチ。”花人”ノエル・レイフォードを対の相手として守り、愛することを誓いますか」と言った。アンジェラさんの
「誓います」はかすれていた。
「ノエル・レイフォード。”花人”アンジェラ・マーチを対の相手として守り、愛することを誓いますか」と言われてわたしは
「誓います」と言った。他に言いようもないしね。
「誓いのキスを」の言葉でアンジェラさんはわたしの腰をぐいと引き寄せると下を向いていたわたしの顎をぐいとあげると顔を近づけて来た。見上げたわたしの目を見た彼ははっとして、唇を近づけるだけのキス?をした。
それまで、揶揄半分で、わたしとアンジェラさんと見ていた三人が息を飲んだ。
それから婚姻届に署名した。
アンジェラ・マーチの横にノエル・レイフォードの名前が並んだ。
「終わったな。アンジェラ」「これですんだ」「押し付けて悪いな」「フォードに合ったら殴っといてやる」と三人に言われながらアンジェラさんは
「式が終わってほっとしたよ。こちらの荷物はどうなっている?」とわたしを指さした。
「あっあいつ」「そうだ、あいつ」「荷物を下ろさずに馭者のやつ帰って行った」と三人が答えるとアンジェラさんは
「そうか」とだけ言った。
「まさか・・・ケルのやることですからね」
「そうだな」とアンジェラさんが笑うと三人も笑った。一頻り笑うとアンジェラさんは
「帰る」と三人に向かって言うとわたしをちらっと見て
「一緒に来い」と言った。仲良くするのは無理そうだな。わたしを見るのも嫌そうだ。
後ろで三人が
「まさか?本気か?」「お前どうしたんだ?」「止めなくていいのか?」「おい、ジェロ」「出発が」と言っているのが聞こえた。
廊下を歩きながら
「こんな所に長居は出来ない。急ぐぞ」とさっさと歩く。自慢じゃないが、わたしは屋敷に閉じ込められて育ったのだ。そんなに早く歩くと息が切れる。
もう、ここで逃亡したいがお城の中だとすぐに捕まるだろう。頑張ってついて行った。
馬車に乗ってっもしばらく息が切れていた。
「随分、軟弱だな。箱入りってことか」と馬鹿にした口調で言われたが
「いえ・・・」と答えるだけで精一杯だった。
縁あって知り合ったんだ。伴侶としてではなく友情くらいはと思ったが、無理みたいだ。
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