わたしの運命の相手は輪廻を超えて会いに来てくれた。忘れていたけど覚えていた。

朝山みどり

文字の大きさ
12 / 31

12 学院初日

しおりを挟む
◇◇◇◇◇

その夜から、聞こえる声が鮮明になり聞き取れるようになった。

レベッカ。これは自分に呼びかけているのだろうか?

サクラ。声の主?

ショウサ。意味がわからない。

レベッカはたまに聞こえるその声がいつしか楽しみなっていた。

◇◇◇◇◇



今日は、学院の二学期が始まる日だ。
レベッカは兄と妹と一緒に馬車に乗っている。

「いいか、レベッカ。この家の名誉を汚すなよ」とリチャードが言うと

「そうですね。魔力が多いだけの無能ですので目立たぬように致します」とレベッカが答えた。
ステラははっと顔を背けて、リチャードは
「魔力が多い?馬鹿なことを言うな。魔力はないだろう」と言った。

レベッカは
「石版が光れば魔力が多いとフォレノワール家のお茶会で聞きましたが」と答えた。
「そうだ。それくらい知ってるだろう」
「でしたら、魔力はステラ様より多いですよ。それはフォレノワールのお茶会に来ていた人は知っていますよ。王女殿下もご存知です」とレベッカが答えた。

「どういうことだ?」とリチャードが言うと

「あれ?ステラ様は公爵閣下に報告してないのですか?」とレベッカがわざとらしく言った。

二人の顔を代わる代わる見ると、あらためて

「だから、この間のお茶会で石版が光ったことですよ。ステラ様よりわたしの方が光りましたよ」とレベッカがすまして答えた。

「なに?なんだと?どうして言わないんだ」とリチャードが言うと

「聞く必要が、あなた様たちにありますでしょうか??妹でも娘でも家族でもない無能の魔力量を」とレベッカが答えた。

その時、馬車が学院に到着した。

レベッカは念動でドアを開けると身軽に飛び降りた。

リチャードがステラを降ろした時にはレベッカは校舎の入口の案内板を見ていた。

リチャードはレベッカを院長室に連れて行くつもりだった。

それで急いでレベッカの元へ向かった。

だが、レベッカはさっさと階段を上がると院長室のドアをノックした。

ドアが開くとレベッカはなかに入った。

「レベッカ・ブルークリフでございます。編入の許可を頂きましてありがとうございます」と挨拶したレベッカに院長は

「王室の要請を断るのは難しいものです。公爵家より病弱を理由にした入学辞退も偽りの理由とわかったうえで認めました。本当は学力不足だと言うのはわかっておりました。

それでよかったのですが、此度王家より特例であなたの編入の要請いえ、命令が来ました。入学なさった以上特別扱いは致しません。わからなくともおとなしく座って授業を受けて下さい。

魔法の授業も免除は出来ません。試験も受けて貰います。名前くらいは書け」

そこにノックの音がして、中断した。

「どうぞ」の声で入って来たのはリチャードだった。

「おはようございます。遅れてしまい申し訳ありません。こちらは」と言いかけたが
「おはようございます。リチャードさん。説明していた所です。続けますね。えーーと」

「『名前くらいは』からです」とレベッカが言った。
「あぁ、その・・・」と院長が言いよどむと
「『試験も受けて貰います。名前くらいは書けますでしょう』と続くと予想しましたが?」とレベッカが微笑んで言った。

「名前!」とリチャードが言うと
「リチャード様、大丈夫です。名前は書けます」とレベッカが言った。

「そういう問題では・・・だいたいお前が無能だから」とリチャードがぶつぶつ言い出すのを無視して
「クラスはどちらでしょうか?」とレベッカが聞くと
「Eクラスですよ。担任が来るから一緒に行けば」と院長が言っていると、ノックと同時にドアが開いて教師がはいって来た。

「レベッカさん、こちらが担任のトニク先生です」
「よろしくお願いします。レベッカ・ブルークリフです」
「よろしくは出来ないわよ。院長先生から聞いたでしょ。編入は仕方ないけど今後は特例はありませんので、覚悟してね」

「はい」

「こちらはブルークリフさんね。いろいろ大変だと思いますが、よろしくお願いします」とトニク先生が言うとレベッカが可笑しそうに笑った。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな
恋愛
 私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。  病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。  まぁ、好きになさればよろしいわ。 私には関係ないことですから。

願いの代償

らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。 公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。 唐突に思う。 どうして頑張っているのか。 どうして生きていたいのか。 もう、いいのではないだろうか。 メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。 *ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。 ※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31 *らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.11/4に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。

完結 冗談で済ますつもりでしょうが、そうはいきません。

音爽(ネソウ)
恋愛
王子の幼馴染はいつもわがまま放題。それを放置する。 結婚式でもやらかして私の挙式はメチャクチャに 「ほんの冗談さ」と王子は軽くあしらうが、そこに一人の男性が現れて……

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。

彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。 目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

処理中です...