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12 学院初日
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◇◇◇◇◇
その夜から、聞こえる声が鮮明になり聞き取れるようになった。
レベッカ。これは自分に呼びかけているのだろうか?
サクラ。声の主?
ショウサ。意味がわからない。
レベッカはたまに聞こえるその声がいつしか楽しみなっていた。
◇◇◇◇◇
今日は、学院の二学期が始まる日だ。
レベッカは兄と妹と一緒に馬車に乗っている。
「いいか、レベッカ。この家の名誉を汚すなよ」とリチャードが言うと
「そうですね。魔力が多いだけの無能ですので目立たぬように致します」とレベッカが答えた。
ステラははっと顔を背けて、リチャードは
「魔力が多い?馬鹿なことを言うな。魔力はないだろう」と言った。
レベッカは
「石版が光れば魔力が多いとフォレノワール家のお茶会で聞きましたが」と答えた。
「そうだ。それくらい知ってるだろう」
「でしたら、魔力はステラ様より多いですよ。それはフォレノワールのお茶会に来ていた人は知っていますよ。王女殿下もご存知です」とレベッカが答えた。
「どういうことだ?」とリチャードが言うと
「あれ?ステラ様は公爵閣下に報告してないのですか?」とレベッカがわざとらしく言った。
二人の顔を代わる代わる見ると、あらためて
「だから、この間のお茶会で石版が光ったことですよ。ステラ様よりわたしの方が光りましたよ」とレベッカがすまして答えた。
「なに?なんだと?どうして言わないんだ」とリチャードが言うと
「聞く必要が、あなた様たちにありますでしょうか??妹でも娘でも家族でもない無能の魔力量を」とレベッカが答えた。
その時、馬車が学院に到着した。
レベッカは念動でドアを開けると身軽に飛び降りた。
リチャードがステラを降ろした時にはレベッカは校舎の入口の案内板を見ていた。
リチャードはレベッカを院長室に連れて行くつもりだった。
それで急いでレベッカの元へ向かった。
だが、レベッカはさっさと階段を上がると院長室のドアをノックした。
ドアが開くとレベッカはなかに入った。
「レベッカ・ブルークリフでございます。編入の許可を頂きましてありがとうございます」と挨拶したレベッカに院長は
「王室の要請を断るのは難しいものです。公爵家より病弱を理由にした入学辞退も偽りの理由とわかったうえで認めました。本当は学力不足だと言うのはわかっておりました。
それでよかったのですが、此度王家より特例であなたの編入の要請いえ、命令が来ました。入学なさった以上特別扱いは致しません。わからなくともおとなしく座って授業を受けて下さい。
魔法の授業も免除は出来ません。試験も受けて貰います。名前くらいは書け」
そこにノックの音がして、中断した。
「どうぞ」の声で入って来たのはリチャードだった。
「おはようございます。遅れてしまい申し訳ありません。こちらは」と言いかけたが
「おはようございます。リチャードさん。説明していた所です。続けますね。えーーと」
「『名前くらいは』からです」とレベッカが言った。
「あぁ、その・・・」と院長が言いよどむと
「『試験も受けて貰います。名前くらいは書けますでしょう』と続くと予想しましたが?」とレベッカが微笑んで言った。
「名前!」とリチャードが言うと
「リチャード様、大丈夫です。名前は書けます」とレベッカが言った。
「そういう問題では・・・だいたいお前が無能だから」とリチャードがぶつぶつ言い出すのを無視して
「クラスはどちらでしょうか?」とレベッカが聞くと
「Eクラスですよ。担任が来るから一緒に行けば」と院長が言っていると、ノックと同時にドアが開いて教師がはいって来た。
「レベッカさん、こちらが担任のトニク先生です」
「よろしくお願いします。レベッカ・ブルークリフです」
「よろしくは出来ないわよ。院長先生から聞いたでしょ。編入は仕方ないけど今後は特例はありませんので、覚悟してね」
「はい」
「こちらはブルークリフさんね。いろいろ大変だと思いますが、よろしくお願いします」とトニク先生が言うとレベッカが可笑しそうに笑った。
その夜から、聞こえる声が鮮明になり聞き取れるようになった。
レベッカ。これは自分に呼びかけているのだろうか?
サクラ。声の主?
ショウサ。意味がわからない。
レベッカはたまに聞こえるその声がいつしか楽しみなっていた。
◇◇◇◇◇
今日は、学院の二学期が始まる日だ。
レベッカは兄と妹と一緒に馬車に乗っている。
「いいか、レベッカ。この家の名誉を汚すなよ」とリチャードが言うと
「そうですね。魔力が多いだけの無能ですので目立たぬように致します」とレベッカが答えた。
ステラははっと顔を背けて、リチャードは
「魔力が多い?馬鹿なことを言うな。魔力はないだろう」と言った。
レベッカは
「石版が光れば魔力が多いとフォレノワール家のお茶会で聞きましたが」と答えた。
「そうだ。それくらい知ってるだろう」
「でしたら、魔力はステラ様より多いですよ。それはフォレノワールのお茶会に来ていた人は知っていますよ。王女殿下もご存知です」とレベッカが答えた。
「どういうことだ?」とリチャードが言うと
「あれ?ステラ様は公爵閣下に報告してないのですか?」とレベッカがわざとらしく言った。
二人の顔を代わる代わる見ると、あらためて
「だから、この間のお茶会で石版が光ったことですよ。ステラ様よりわたしの方が光りましたよ」とレベッカがすまして答えた。
「なに?なんだと?どうして言わないんだ」とリチャードが言うと
「聞く必要が、あなた様たちにありますでしょうか??妹でも娘でも家族でもない無能の魔力量を」とレベッカが答えた。
その時、馬車が学院に到着した。
レベッカは念動でドアを開けると身軽に飛び降りた。
リチャードがステラを降ろした時にはレベッカは校舎の入口の案内板を見ていた。
リチャードはレベッカを院長室に連れて行くつもりだった。
それで急いでレベッカの元へ向かった。
だが、レベッカはさっさと階段を上がると院長室のドアをノックした。
ドアが開くとレベッカはなかに入った。
「レベッカ・ブルークリフでございます。編入の許可を頂きましてありがとうございます」と挨拶したレベッカに院長は
「王室の要請を断るのは難しいものです。公爵家より病弱を理由にした入学辞退も偽りの理由とわかったうえで認めました。本当は学力不足だと言うのはわかっておりました。
それでよかったのですが、此度王家より特例であなたの編入の要請いえ、命令が来ました。入学なさった以上特別扱いは致しません。わからなくともおとなしく座って授業を受けて下さい。
魔法の授業も免除は出来ません。試験も受けて貰います。名前くらいは書け」
そこにノックの音がして、中断した。
「どうぞ」の声で入って来たのはリチャードだった。
「おはようございます。遅れてしまい申し訳ありません。こちらは」と言いかけたが
「おはようございます。リチャードさん。説明していた所です。続けますね。えーーと」
「『名前くらいは』からです」とレベッカが言った。
「あぁ、その・・・」と院長が言いよどむと
「『試験も受けて貰います。名前くらいは書けますでしょう』と続くと予想しましたが?」とレベッカが微笑んで言った。
「名前!」とリチャードが言うと
「リチャード様、大丈夫です。名前は書けます」とレベッカが言った。
「そういう問題では・・・だいたいお前が無能だから」とリチャードがぶつぶつ言い出すのを無視して
「クラスはどちらでしょうか?」とレベッカが聞くと
「Eクラスですよ。担任が来るから一緒に行けば」と院長が言っていると、ノックと同時にドアが開いて教師がはいって来た。
「レベッカさん、こちらが担任のトニク先生です」
「よろしくお願いします。レベッカ・ブルークリフです」
「よろしくは出来ないわよ。院長先生から聞いたでしょ。編入は仕方ないけど今後は特例はありませんので、覚悟してね」
「はい」
「こちらはブルークリフさんね。いろいろ大変だと思いますが、よろしくお願いします」とトニク先生が言うとレベッカが可笑しそうに笑った。
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