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05 天使の降臨
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✩✩✩✩✩✩✩✩
臨界点突破まで50秒。出血量が、死が確実だと教えてくれる。
臨界点突破まで40秒。レベッカがわたしを見てくれている。
臨界点突破まで30秒。レベッカの命の残りを数える。
25秒。24。23。22。21。20。19。レベッカ・ミツバヤシ少佐ご一緒できて光栄です
『サクラ。??二回級特進か・・・・だね・・・サクラ・・・気が聞いているじゃない・・・最後までありが』
2。1。0
すぐに追いかけた。
レベッカはあの時、今だ解明されていないあの輪廻のなかに飲み込まれた。わたしが決してご一緒出来ない所。
だが、わたしは追いついた。溶け込んで消えていくレベッカを抱きしめた。
それなのに、気が付くと、この星を回っていた。
レベッカを探すには、守るには、わたしは考えた。そして決めた。
わたしは神になると決めた。神を演出すると決めた。
メレアカで語られる神を模した。神や天使の映像を流した。
語る言葉を集めた『聖なる教えの書』をメレアカで使っていた言語で表し、この星の言葉に翻訳もして広めさせた。
この『聖なる教えの書』は表紙の緑色に因んで、「緑の書」だとか「グリーン・ペイパー」と呼ばれた。
レベッカを探す手段として魔力判定制度を作った。十二歳で石版と呼ばれる装置に手を当てれば情報がわたしに伝わる。
十二年程まえ、レベッカの魔力を感じたが、あいにく本体である宇宙船は惑星の反対側に行っていて、上手く情報を集めることが出来なかった。
しかし、これまでの歳月に比べると判定まではすぐだ。わたしは自らの肉体の構築に専念した。
✩✩✩✩✩✩✩✩
この国、アルゴス王国の北東に位置するマルチネス王国に天使が降臨した。教会はこれを最大限に利用し、王家も便乗した。
天使はその神々しい姿を、惜しげもなく晒し、人々に奇跡の大盤振る舞いをした。
天使は語った。
「この国の清廉な空気に惹かれて参りました。神は信仰をないがしろにする風潮を嘆いておられましたが、この国は違う。信仰の輝きが天上から見えました」
やがて天使は空に帰って行ったが、秘密裏に魔力判定の石版をいくつか置いていった。
「役立てて下さい。どんどん利用して下さい」と言いおいた。
マルチネス王国の教会へは各国から巡礼者がやって来た。天使を模して作られた像に額づく人に列は長く伸びた。また人々が口づけをする足の先は削れて短くなったとかで・・・信仰の力と権威を見せつけた。
この天使の話とともに広まったのが、十五年前の天使の目撃談だ。これは近隣のどの国でも、ぼそぼそと地元で囁かれていたが、今回の出来事と共に広まって行った。
ある者は海上に見たといい。ある者は国境の山に、ある者は教会の尖塔のそばに浮いて街を見ていたと言った。
天使様は、神様はこの地上を見ておられる。教会の権威は高まっていった。
教会とマルチネス王室はこの支配力を他国に伸ばそうとした。先ず隣国のアルゴス王国を目標とした。おりよくこの国のフォレノワール公爵の夫人はマルチネス王国の出身だ。
そこでフォレノワール家に魔力判定の石版を預けた。
「『どんどん使って下さい』とは天使様のお言葉です」そういうとマルチネス王国の使いは帰って行った。
フォレノワール家はこれをブルークリフ家を貶める為に使おうと考えた。
そう、ブルークリフ家の無能を思い切り晒してやろうと、思ったのだ。
◇◇◇◇◇
この世界の魔力は、運動神経のようなものです。
運動神経がいい人はバスケも野球もゴルフも上手です。
そんな感じなので、魔力が多いと色々な種類の魔法を使えます。
そして、一番むずかしく価値があるのが、治癒魔法です。人や地域によっては、これを聖魔法と言うこともあります。
その為、治癒魔法、聖魔法に厳密な区別はありません。
臨界点突破まで50秒。出血量が、死が確実だと教えてくれる。
臨界点突破まで40秒。レベッカがわたしを見てくれている。
臨界点突破まで30秒。レベッカの命の残りを数える。
25秒。24。23。22。21。20。19。レベッカ・ミツバヤシ少佐ご一緒できて光栄です
『サクラ。??二回級特進か・・・・だね・・・サクラ・・・気が聞いているじゃない・・・最後までありが』
2。1。0
すぐに追いかけた。
レベッカはあの時、今だ解明されていないあの輪廻のなかに飲み込まれた。わたしが決してご一緒出来ない所。
だが、わたしは追いついた。溶け込んで消えていくレベッカを抱きしめた。
それなのに、気が付くと、この星を回っていた。
レベッカを探すには、守るには、わたしは考えた。そして決めた。
わたしは神になると決めた。神を演出すると決めた。
メレアカで語られる神を模した。神や天使の映像を流した。
語る言葉を集めた『聖なる教えの書』をメレアカで使っていた言語で表し、この星の言葉に翻訳もして広めさせた。
この『聖なる教えの書』は表紙の緑色に因んで、「緑の書」だとか「グリーン・ペイパー」と呼ばれた。
レベッカを探す手段として魔力判定制度を作った。十二歳で石版と呼ばれる装置に手を当てれば情報がわたしに伝わる。
十二年程まえ、レベッカの魔力を感じたが、あいにく本体である宇宙船は惑星の反対側に行っていて、上手く情報を集めることが出来なかった。
しかし、これまでの歳月に比べると判定まではすぐだ。わたしは自らの肉体の構築に専念した。
✩✩✩✩✩✩✩✩
この国、アルゴス王国の北東に位置するマルチネス王国に天使が降臨した。教会はこれを最大限に利用し、王家も便乗した。
天使はその神々しい姿を、惜しげもなく晒し、人々に奇跡の大盤振る舞いをした。
天使は語った。
「この国の清廉な空気に惹かれて参りました。神は信仰をないがしろにする風潮を嘆いておられましたが、この国は違う。信仰の輝きが天上から見えました」
やがて天使は空に帰って行ったが、秘密裏に魔力判定の石版をいくつか置いていった。
「役立てて下さい。どんどん利用して下さい」と言いおいた。
マルチネス王国の教会へは各国から巡礼者がやって来た。天使を模して作られた像に額づく人に列は長く伸びた。また人々が口づけをする足の先は削れて短くなったとかで・・・信仰の力と権威を見せつけた。
この天使の話とともに広まったのが、十五年前の天使の目撃談だ。これは近隣のどの国でも、ぼそぼそと地元で囁かれていたが、今回の出来事と共に広まって行った。
ある者は海上に見たといい。ある者は国境の山に、ある者は教会の尖塔のそばに浮いて街を見ていたと言った。
天使様は、神様はこの地上を見ておられる。教会の権威は高まっていった。
教会とマルチネス王室はこの支配力を他国に伸ばそうとした。先ず隣国のアルゴス王国を目標とした。おりよくこの国のフォレノワール公爵の夫人はマルチネス王国の出身だ。
そこでフォレノワール家に魔力判定の石版を預けた。
「『どんどん使って下さい』とは天使様のお言葉です」そういうとマルチネス王国の使いは帰って行った。
フォレノワール家はこれをブルークリフ家を貶める為に使おうと考えた。
そう、ブルークリフ家の無能を思い切り晒してやろうと、思ったのだ。
◇◇◇◇◇
この世界の魔力は、運動神経のようなものです。
運動神経がいい人はバスケも野球もゴルフも上手です。
そんな感じなので、魔力が多いと色々な種類の魔法を使えます。
そして、一番むずかしく価値があるのが、治癒魔法です。人や地域によっては、これを聖魔法と言うこともあります。
その為、治癒魔法、聖魔法に厳密な区別はありません。
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