神子の余分

朝山みどり

文字の大きさ
上 下
16 / 31

15 ルークと言う冒険者 フェルナンド目線

しおりを挟む
精算を終えて、赤毛が周りを牽制するように

「ルークやっぱり俺たちいい組み合わせだ」と言うと

「「「そうだ、今日、よくわかった」」」

と男たちがルークを取り囲んで大きな声で言った。

「悪いが俺はやはりソロが気楽でいいな」とルークが答えた。

「そうか、しつこく誘って嫌われたくないが、時々一緒に行こう。明日はどうする?」

「明日は休みだ。図書館だな」

「そうか、ゆっくり休めな」

「ありがとう、それじゃ」とルークはあっさり言うとさっさとギルドを出て行った。



「お高く止まって」と弓を持っていた男が言うと

「お高くないさ、話せば返事が来るし」と赤毛が言うと

「一緒にいてやり易いのは確かだよ」と盾の男がいうと

「確かに、やりやすい」と剣の男が言うと赤毛が

「とりあえず飯に行こう」

「今日は少し贅沢ができる」

と言いながら四人は出て行った。


俺が、ギルドにはいるとすぐに、受付から

「マスターが会いたいと」と呼ばれた。

受付の案内でマスター室に行くと

「あぁフェルナンド。戻ってくれて助かる。予想より遅いが瘴気はやはり広がって来ている」

「ハイタック王国の神子は?」

「なんでも二人現れたと聞いたがはっきりとは・・・・浄化を始めたらしいが・・・・ゆっくりのようだな」

「魔獣はなんとか倒せるが・・・負担が大きい・・・・神子を頼むのも負担だ・・・・ハイタック王国は・・・・強気というか、いやな国だからな」

「そうだな。自分たちでなんとかできるならそれに越したことはない。冒険者を集めて訓練すると言う案がでているが・・・・」

「国で冒険者を雇うということか?」と俺が聞くと

「そうだ、騎士団もがんばっているが、魔獣に対しては冒険者のほうが・・・・連携して対処すれば被害が少ないのではと言う、意見が出てるんだ」


「なるほど、冒険者を無駄に死なせないと言う意味ではいいかも」とフェルナンドが言えば

「まとめ役がいるな。冒険者に尊敬されていて、国にも顔が利く。騎士団にも・・・」

「・・・・・」

「おまえが帰ってきて良かった。この町に帰ってきて良かった」

「こころよく神子が来てくれるといいのだがな」

「頼む気がないようだ。あてにせず対処する」

とマスターははっきりと言うと

「頼りにしてるぞ」と頭を下げた。やめろ。そんな似合わんぞ。と思ったが、覚悟はしていたことだ

「あぁ出来るだけのことはする」と答えると

「助かる」とマスターが答えた。

しばらく無言だったマスターは

「動きやすいように、協力する」と言った。

俺は黙ってうなづいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

そばにいてほしい。

15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。 そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。 ──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。 幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け 安心してください、ハピエンです。

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます

オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。 魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

侯爵令息は婚約者の王太子を弟に奪われました。

克全
BL
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

双子は不吉と消された僕が、真の血統魔法の使い手でした‼

HIROTOYUKI
BL
 辺境の地で自然に囲まれて母と二人、裕福ではないが幸せに暮らしていたルフェル。森の中で倒れていた冒険者を助けたことで、魔法を使えることが判明して、王都にある魔法学園に無理矢理入学させられることに!貴族ばかりの生徒の中、平民ながら高い魔力を持つルフェルはいじめを受けながらも、卒業できれば母に楽をさせてあげられると信じて、辛い環境に耐え自分を磨いていた。そのような中、あまりにも理不尽な行いに魔力を暴走させたルフェルは、上級貴族の当主のみが使うことのできると言われる血統魔法を発現させ……。  カテゴリをBLに戻しました。まだ、その気配もありませんが……これから少しづつ匂わすべく頑張ります!

狂わせたのは君なのに

白兪
BL
ガベラは10歳の時に前世の記憶を思い出した。ここはゲームの世界で自分は悪役令息だということを。ゲームではガベラは主人公ランを悪漢を雇って襲わせ、そして断罪される。しかし、ガベラはそんなこと望んでいないし、罰せられるのも嫌である。なんとかしてこの運命を変えたい。その行動が彼を狂わすことになるとは知らずに。 完結保証 番外編あり

気づいたら周りの皆が僕を溺愛していた。

しののめ
BL
クーレル侯爵家に末っ子として生まれたノエルがなんだかんだあって、兄達や学園の友達etc…に溺愛される??? 家庭環境複雑でハチャメチャな毎日に奮闘するノエル・クーレルの物語です。 若干のR表現の際には※をつけさせて頂きます。 現在文章の大工事中です。複数表現を改める、大きくシーンの描写を改める箇所があると思います。当時は時間が取れず以降の投稿が出来ませんでしたが、改稿が終わり次第、完結までの展開を書き始める可能性があります。長い目で見ていただけると幸いです。 2024/11/12 (第1章の改稿が完了しました。2024/11/17)

【BL】水属性しか持たない俺を手放した王国のその後。

梅花
BL
水属性しか持たない俺が砂漠の異世界にトリップしたら、王子に溺愛されたけれどそれは水属性だからですか?のスピンオフ。 読む際はそちらから先にどうぞ! 水の都でテトが居なくなった後の話。 使い勝手の良かった王子という認識しかなかった第4王子のザマァ。 本編が執筆中のため、進み具合を合わせてのゆっくり発行になります。

公爵令息は悪女に誑かされた王太子に婚約破棄追放される。

克全
BL
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

処理中です...