聖女ですよね、あなたも

朝山みどり

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王妃とお茶会

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侍女長を虐めるのに飽きて、おなかも一杯になった私は

「またご指導お願いします」と丁寧に挨拶して侍女長を開放した。これで終わりじゃないですよ。

次の日から私は図書館に通い、本を読んでこの世界の事情を勉強し、聖女召喚について調べた。

たまには街を歩いて買い物をしたりする。自慢じゃないが庶民のなかの庶民と言える私の見た目は、聖女を思わせるものはなにもなく、ごく普通に街に溶け込めるのだ。

たまに、馬に乗って郊外に遊びに行ったりした。

あの『森の民』の男は気がついたらそばにいることがあるので、まだこのへんにいるようだ。


王子が距離を詰めてきたが、寄るなの一言で退けた。マチルダとエリシアの事を知ってるとはっきり言って、そのへんの貴族の女と結婚しろとすすめると青い顔になった。

その後、国王からも話があったから、聖女は清い身体だから、人の手垢のついたものはダメだと説明した。


エリシアは家に戻ってから必死に美容にはげんでいると聞いたが、シミと小じわがひどいらしい。自分で癒せないのか・・・・


王妃がお茶に誘って来た。ほいほいと出かけた。入れてもらったお茶はとても美味しい。私の流儀でストレートでいただいた。

お菓子も美味しくて申し分なかった。ブリュンバードとの結婚を強くすすめられたが、複数の配偶者を許容できないからと断った。

そして、浄化の旅の時、王子を呼び戻した用件はなんだったのか、しつこく聞いた。

なんでも、国王が弱って寝込んだからだと説明されたが、護衛を補充する事を誰も考えなかったのか?王が回復したら王子が旅に戻るのが当たり前では?とか・・・・・だんだん下を向いて行くのが面白かった。

ちょっといろいろ旅の間のことを思い出して、思い出し怒り状態になったので、王妃の肩を少し凍らせた。

凍らせるというか、固めるというか・・・・・とりあえず、痛くなるようにしてみた。

三日程で解除予定だが、経過を見守るつもりだ。



しばらくすると侍女長と王妃がタッグを組んで、挑んで来た。

貴族の令嬢を招いたお茶会に私も呼んだのだ。

貴族の令嬢は美人が多いし、着てるものも華やかで見て楽しいから、喜んで参加する事にした。

勿論お菓子にも期待できるし・・・・


私はいつもの楽な格好に、レースで作ったローブを羽織って出かけた。

無駄にある予算でアームカバーを豪華に作ってみた。細い金の鎖に小さな宝石をつけた物をぐるぐると縫いとめて見たのだ。

値段は安いと思う。大きな宝石にくらべればクズのような石だし、この世界手間賃が安いのよね。

こんな手の込んだものは、日本だと人件費がかかって高くなるけど、この世界は平気。

街で親しくなった職人に頼んだけど、気の毒になる位だった。

似たものを作る許可を出したから、そのうち流行るはず。


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