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侍女長をいじめる
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王の様子を見た貴族は、ぽつりぽつりと私に頭をさげ始めた。
その様子を見回した私は、王を見て
「それでは下がります。各領地の様子をそこの領主さんに話す必要はありますか?」
「いや、管理は代官がやっているから・・・」
「浄化の間一度も代官と会ってないですが、代官は現地にいなくても?」
「いない?」
「なるほど、わからないですね。まぁ今後関わることはないでしょうから・・・・」
それから、まわれ右をして部屋に戻って来た。お茶をいれてお菓子でも貰ってこようと厨房に向かうと、こちらに来ようとしていた侍女長に出会った。
「聖女様ともあろうものが、作法がなっていません」先ずこう言ってきたので、
「私は私のやり方でやります。作法は文化によって違いますよ」
「聖女様とあろうものがそんな作法では侮られます」
「誰が侮りますか?」
「・・・・・」
「誰が侮ると、侍女長は考えますか?その者の所に行って、文化の違いをわからせます」
「さぁ教えなさい」
「侍女長ともあろう者が根拠のない事を言い立てて、浄化の旅の準備に費やす時間をお辞儀の練習や、立ったり座ったりの練習をさせていましたね。それにあなたの推薦の侍女は役立たずでしたし、見苦しい振る舞いもありました」
「そのようなことが?いいがかりです」
「お辞儀が上手にできる、貴族令嬢が聖女だと言われて泣き喚いた」そこで侍女長の方へ身をよせて
「マチルダのことは聞いておるか?」
そこへ私の侍女が戻って来て部屋の用意ができたと告げた
「部屋の用意?」
「あぁこんな所でお前の恥をさらしたくない。部屋を用意させた。指示しないと動けないとは情けないな」
部屋にはいると侍女がお茶とお菓子を持って来た。
「砂糖とミルクはどちらを先に入れるか?」
「ミルクが先です」
「私の所では議論が終わらない。どちらの主張にも一理ある」
「混ぜおわったスプーンをカップのふちにつけて雫を切るのは下品だとされている」
「スプーンを振るのは具の骨頂だと思っている」
「スプーンはここで止めてひと呼吸。すると雫が切れる」
ここまで、一気に言うと相手の言葉を待つ。
侍女長はカップの持ち方とか音を立てるなとかうるさいけど、スプーンをカップのふちに当てるんだよね。下品と言うのは盛って言ってるけど・・・・
手の震えが止められず、カップを持つのをためらっている。
「冷めないうちにいただきましょ。これ美味しい」と追い打ちをかけた。
それでもカップを取らない侍女長に向かってあからさまにため息をついた。
それでミルクが先か砂糖が先かに話を戻した。
「ミルクを温めてあるときはミルクが先、ミルクが冷たい時は砂糖が先って言うのが私の好みよ。ミルクが入った状態でいれた砂糖は心なしか粒子が飲み物全体に均一に混ざるような気がするの。あっごめんなさい。粒子って概念はこの世界にはまだないのよね。文明がすごく遅れているから・・・・砂糖の精製も甘いし・・・・いいのよ。野性的で素朴な味もまたいいものよ。でも、あちらの世界のすっきりした雑味のない砂糖が恋しいわ」
ほんとは私は紅茶はストレートが好きなのだ。でも虐める快感を味わうために、砂糖を入れて飲んでいるのだ。
砂糖がはいるとお菓子の美味しさが減る様な気がするから、損した気分になる・・・・
下を向いて黙っている侍女長の前で紅茶が冷めていった。
その様子を見回した私は、王を見て
「それでは下がります。各領地の様子をそこの領主さんに話す必要はありますか?」
「いや、管理は代官がやっているから・・・」
「浄化の間一度も代官と会ってないですが、代官は現地にいなくても?」
「いない?」
「なるほど、わからないですね。まぁ今後関わることはないでしょうから・・・・」
それから、まわれ右をして部屋に戻って来た。お茶をいれてお菓子でも貰ってこようと厨房に向かうと、こちらに来ようとしていた侍女長に出会った。
「聖女様ともあろうものが、作法がなっていません」先ずこう言ってきたので、
「私は私のやり方でやります。作法は文化によって違いますよ」
「聖女様とあろうものがそんな作法では侮られます」
「誰が侮りますか?」
「・・・・・」
「誰が侮ると、侍女長は考えますか?その者の所に行って、文化の違いをわからせます」
「さぁ教えなさい」
「侍女長ともあろう者が根拠のない事を言い立てて、浄化の旅の準備に費やす時間をお辞儀の練習や、立ったり座ったりの練習をさせていましたね。それにあなたの推薦の侍女は役立たずでしたし、見苦しい振る舞いもありました」
「そのようなことが?いいがかりです」
「お辞儀が上手にできる、貴族令嬢が聖女だと言われて泣き喚いた」そこで侍女長の方へ身をよせて
「マチルダのことは聞いておるか?」
そこへ私の侍女が戻って来て部屋の用意ができたと告げた
「部屋の用意?」
「あぁこんな所でお前の恥をさらしたくない。部屋を用意させた。指示しないと動けないとは情けないな」
部屋にはいると侍女がお茶とお菓子を持って来た。
「砂糖とミルクはどちらを先に入れるか?」
「ミルクが先です」
「私の所では議論が終わらない。どちらの主張にも一理ある」
「混ぜおわったスプーンをカップのふちにつけて雫を切るのは下品だとされている」
「スプーンを振るのは具の骨頂だと思っている」
「スプーンはここで止めてひと呼吸。すると雫が切れる」
ここまで、一気に言うと相手の言葉を待つ。
侍女長はカップの持ち方とか音を立てるなとかうるさいけど、スプーンをカップのふちに当てるんだよね。下品と言うのは盛って言ってるけど・・・・
手の震えが止められず、カップを持つのをためらっている。
「冷めないうちにいただきましょ。これ美味しい」と追い打ちをかけた。
それでもカップを取らない侍女長に向かってあからさまにため息をついた。
それでミルクが先か砂糖が先かに話を戻した。
「ミルクを温めてあるときはミルクが先、ミルクが冷たい時は砂糖が先って言うのが私の好みよ。ミルクが入った状態でいれた砂糖は心なしか粒子が飲み物全体に均一に混ざるような気がするの。あっごめんなさい。粒子って概念はこの世界にはまだないのよね。文明がすごく遅れているから・・・・砂糖の精製も甘いし・・・・いいのよ。野性的で素朴な味もまたいいものよ。でも、あちらの世界のすっきりした雑味のない砂糖が恋しいわ」
ほんとは私は紅茶はストレートが好きなのだ。でも虐める快感を味わうために、砂糖を入れて飲んでいるのだ。
砂糖がはいるとお菓子の美味しさが減る様な気がするから、損した気分になる・・・・
下を向いて黙っている侍女長の前で紅茶が冷めていった。
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