7 / 13
聖女の帰還
しおりを挟む
さて最後の村の浄化が終わった。
後は王都に戻るだけだ。馬に乗っている私を見に人々がやって来る。このあたりは最初に浄化したあたりだから土地からの収益も高いだろう。
あの頃と比べれば皆生き生きしている。私が着ているのは最初にもらった物だ。毎日浄化していても袖口が擦り切れているし、生地がくたびれている。気のきかない侍女が悪いのよ。わざと裾は土汚れを残しているからみずぼらしさが倍増している。
そしてたまに村長が迎えにでて、ぜひ村に寄って欲しいと誘われる。
私は心よくそれを受けて、村による。途中畑を乗馬でみまわり、ねぎらいの言葉をかける。
「野菜も小麦も喜んでいますね。皆様のやさしい気持ちに感謝です」そう言いながら、畑に祝福をかける。
昼間にも関わらず、金色の光が広がり皆が驚くと共に、喜ぶ。
「旅はわたくしの修行でもあったのでしょう。能力が上がりました。お手伝いできることはわたくしの幸いです」
あたりの村にまたたくまにうわさがひろまり、どの村も私が立ち寄ることを希望するようになり、私たちは寄り道をする為に大きく迂回することになり、先に進めなくなった。
そうやってちょこちょこ進んでいると、ブリュンバードが迎えに来た。
王子が来たら仕方ないので、私たちは王都を目指すことになり、私はお別れの挨拶でこう行った。
「・・・・王子殿下が護衛を半分連れて帰られてからは、『森の民』が護衛を引き受けてくださり、魔物が近づくまえに退治してくれました。道中の安全は彼らのこの国への友好、わたくしへの友情が守ってくれました。おおいに感謝しております」 そういって、遠くで見ている彼らに向けて祝福を届けた。その光は草原へ、森へ広がって行った。
王子は私の挨拶がおもしろくなさそうだったが、あまり表情に出さずににこやかに私の手を取ると一緒に馬車に乗ろうとしたが、気づかないふりをして、近づいてきた馬に乗った。
王子の護衛が人々を遠ざけるなか、私は愛想よく手を振り続けた。
王宮に戻って、すぐに国王へ報告するようにと言われたが、断った。
「疲れております。侍女もいない生活を長く続けております。想像できますか?侍女のいない生活。旅の準備をなさった方は、聖女を軽くみていたとして思えないですね。別にここにいる必要もないですし・・・・」
三日程、ゆっくり入浴してマッサージして貰い、私は国王と会った。
コルセットはごめんだから、胸からふわっと広がるロングのワンピースに、和服の羽織のデザインでひざ下丈で、袖は大振袖丈に作ってもらった物を来て、広間にはいると大勢の貴族が私をみていた。
まっすぐ歩いて、国王の前に出ると日本風にお辞儀をした。
黙ってまっすぐ国王を見る。ひるまず屈せず。戦闘力があるって余裕だ。その気になれば国王を王宮のそと、屋根より高く放り投げることもできるし、腕を焼くことも、膝を凍らせることもできる。
戦わずに自分が転移して逃げることもできる。私は力を抜いて立っていた。
やおら、王は立ち上がると
「聖女様、長い浄化の旅を終えられたこと感謝申しあげます」そう言った。
後は王都に戻るだけだ。馬に乗っている私を見に人々がやって来る。このあたりは最初に浄化したあたりだから土地からの収益も高いだろう。
あの頃と比べれば皆生き生きしている。私が着ているのは最初にもらった物だ。毎日浄化していても袖口が擦り切れているし、生地がくたびれている。気のきかない侍女が悪いのよ。わざと裾は土汚れを残しているからみずぼらしさが倍増している。
そしてたまに村長が迎えにでて、ぜひ村に寄って欲しいと誘われる。
私は心よくそれを受けて、村による。途中畑を乗馬でみまわり、ねぎらいの言葉をかける。
「野菜も小麦も喜んでいますね。皆様のやさしい気持ちに感謝です」そう言いながら、畑に祝福をかける。
昼間にも関わらず、金色の光が広がり皆が驚くと共に、喜ぶ。
「旅はわたくしの修行でもあったのでしょう。能力が上がりました。お手伝いできることはわたくしの幸いです」
あたりの村にまたたくまにうわさがひろまり、どの村も私が立ち寄ることを希望するようになり、私たちは寄り道をする為に大きく迂回することになり、先に進めなくなった。
そうやってちょこちょこ進んでいると、ブリュンバードが迎えに来た。
王子が来たら仕方ないので、私たちは王都を目指すことになり、私はお別れの挨拶でこう行った。
「・・・・王子殿下が護衛を半分連れて帰られてからは、『森の民』が護衛を引き受けてくださり、魔物が近づくまえに退治してくれました。道中の安全は彼らのこの国への友好、わたくしへの友情が守ってくれました。おおいに感謝しております」 そういって、遠くで見ている彼らに向けて祝福を届けた。その光は草原へ、森へ広がって行った。
王子は私の挨拶がおもしろくなさそうだったが、あまり表情に出さずににこやかに私の手を取ると一緒に馬車に乗ろうとしたが、気づかないふりをして、近づいてきた馬に乗った。
王子の護衛が人々を遠ざけるなか、私は愛想よく手を振り続けた。
王宮に戻って、すぐに国王へ報告するようにと言われたが、断った。
「疲れております。侍女もいない生活を長く続けております。想像できますか?侍女のいない生活。旅の準備をなさった方は、聖女を軽くみていたとして思えないですね。別にここにいる必要もないですし・・・・」
三日程、ゆっくり入浴してマッサージして貰い、私は国王と会った。
コルセットはごめんだから、胸からふわっと広がるロングのワンピースに、和服の羽織のデザインでひざ下丈で、袖は大振袖丈に作ってもらった物を来て、広間にはいると大勢の貴族が私をみていた。
まっすぐ歩いて、国王の前に出ると日本風にお辞儀をした。
黙ってまっすぐ国王を見る。ひるまず屈せず。戦闘力があるって余裕だ。その気になれば国王を王宮のそと、屋根より高く放り投げることもできるし、腕を焼くことも、膝を凍らせることもできる。
戦わずに自分が転移して逃げることもできる。私は力を抜いて立っていた。
やおら、王は立ち上がると
「聖女様、長い浄化の旅を終えられたこと感謝申しあげます」そう言った。
83
お気に入りに追加
153
あなたにおすすめの小説

聖水を作り続ける聖女 〜 婚約破棄しておきながら、今さら欲しいと言われても困ります!〜
手嶋ゆき
恋愛
「ユリエ!! お前との婚約は破棄だ! 今すぐこの国から出て行け!」
バッド王太子殿下に突然婚約破棄されたユリエ。
さらにユリエの妹が、追い打ちをかける。
窮地に立たされるユリエだったが、彼女を救おうと抱きかかえる者がいた——。
※一万文字以内の短編です。
※小説家になろう様など他サイトにも投稿しています。

ブラックな職場で働いていた聖女は超高待遇を提示してきた隣国に引き抜かれます
京月
恋愛
残業など当たり前のお祈り
いつも高圧的でうざい前聖女
少ない給料
もう我慢が出来ない
そう思ってた私の前に現れた隣国の使者
え!残業お祈りしなくていいの!?
嘘!上司がいないの!?
マジ!そんなに給料もらえるの!?
私今からこの国捨ててそっちに引き抜かれます
【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」
まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。
【本日付けで神を辞めることにした】
フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。
国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。
人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
アルファポリスに先行投稿しています。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!

聖女の妹によって家を追い出された私が真の聖女でした
天宮有
恋愛
グーリサ伯爵家から聖女が選ばれることになり、長女の私エステルより妹ザリカの方が優秀だった。
聖女がザリカに決まり、私は家から追い出されてしまう。
その後、追い出された私の元に、他国の王子マグリスがやって来る。
マグリスの話を聞くと私が真の聖女で、これからザリカの力は消えていくようだ。

出来損ないと言われて、国を追い出されました。魔物避けの効果も失われるので、魔物が押し寄せてきますが、頑張って倒してくださいね
猿喰 森繁
恋愛
「婚約破棄だ!」
広間に高らかに響く声。
私の婚約者であり、この国の王子である。
「そうですか」
「貴様は、魔法の一つもろくに使えないと聞く。そんな出来損ないは、俺にふさわしくない」
「… … …」
「よって、婚約は破棄だ!」
私は、周りを見渡す。
私を見下し、気持ち悪そうに見ているもの、冷ややかな笑いを浮かべているもの、私を守ってくれそうな人は、いないようだ。
「王様も同じ意見ということで、よろしいでしょうか?」
私のその言葉に王は言葉を返すでもなく、ただ一つ頷いた。それを確認して、私はため息をついた。たしかに私は魔法を使えない。魔力というものを持っていないからだ。
なにやら勘違いしているようだが、聖女は魔法なんて使えませんよ。

素顔を知らない
基本二度寝
恋愛
王太子はたいして美しくもない聖女に婚約破棄を突きつけた。
聖女より多少力の劣る、聖女補佐の貴族令嬢の方が、見目もよく気もきく。
ならば、美しくもない聖女より、美しい聖女補佐のほうが良い。
王太子は考え、国王夫妻の居ぬ間に聖女との婚約破棄を企て、国外に放り出した。
王太子はすぐ様、聖女補佐の令嬢を部屋に呼び、新たな婚約者だと皆に紹介して回った。
国王たちが戻った頃には、地鳴りと水害で、国が半壊していた。

やんちゃな公爵令嬢の駆け引き~不倫現場を目撃して~
岡暁舟
恋愛
名門公爵家の出身トスカーナと婚約することになった令嬢のエリザベート・キンダリーは、ある日トスカーナの不倫現場を目撃してしまう。怒り狂ったキンダリーはトスカーナに復讐をする?

自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?
長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。
王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、
「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」
あることないこと言われて、我慢の限界!
絶対にあなたなんかに王子様は渡さない!
これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー!
*旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。
*小説家になろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる