そんなことしといて

朝山みどり

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やったぜ エド目線

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僕はアルが嫌いだ。この家に僕がいればそれでいいのにあいつがうろちょろしている。
目障りだ。

だから、一緒に階段を降りているときに、突き落としたり、足を引っ掛けて転ばせたりしたやってた。

で、今日こそ食われただろうと泣きながら母上の所に行って

「アルがーーーー教会に行ったーーーー僕止めたのにーーー」って泣いた。父上も母上も真っ青になった。父上は護衛を引き連れて教会の地下に降りていった。

母上は僕を抱きしめて慰めてくれた

「大丈夫よ。エドワード。アルは無事よ」母上は自分に言い聞かせるようになんどもそう言っていた。

しばらくしたら父上はアルを抱いて戻ってきた。

翌日、アルは無事に目覚めた。つきっきりだった母上が父上を呼んだ。くそーーアルのやつ二人に言いつけてるんだ。

そして僕もアルの部屋に呼ばれた。

「エドワード、アルはあなたに誘われて教会に言ったって言ってるけど・・・・」

「違います。僕は誘ってません。アルが行くっていうのを止めました」

「エド、それは嘘だよ。エドが誘って・・・僕も行きたいと思ったからそこはいいけど・・・・だけど何かが出てきた時、僕をそっちに突き飛ばしただろ・・・・」

「僕は行ってない。してない」

「いえ、そんな・・・」と言いかけたアルが頭を押さえて、倒れた。

「もういい、アルもう少し寝てなさい」と父上が言った。

「それから、ドアはどこにもなかったぞ」と続けた。僕もアルもびっくりした。ドアがなかった?

「ドアはありました。そこから影が」とアルが言うのと同時に

「アル、嘘はよくない。僕は行ってない。してない」と言った。

父上も母上も僕の言う事を信じた。やったぜ。アルお前嘘つき決定。

それ以来、僕はアルをけっこう派手に虐めたけど、僕は叱られなかった。

だってアルは嘘つきだから、僕はアルを突き飛ばしたり、階段から落としたりしたけど、みんなアルの不注意にされた。

いまでは、父上も母上も僕の味方でアルに冷たい。



やがて僕たちは八歳になった。八歳の子供は中央神殿で魔力鑑定を受ける。僕たちも家族四人で出かけた。

結果、僕は人より多めの魔力を持っていた。アルは魔力なしだった。

その瞬間、父上はアルを殴りそうになってあわててやめた。母上はアルに冷たい目を向けた。

帰りの馬車で父上はアルにこう言った。

「おまえは魔力がない、このメイプル伯爵家の恥だ」

アルは下を向いてすすり泣いていた。

こんなんだったら虐めることもなかったけど・・・あいつを虐めるとスキッとするしな・・・

剣も学問もいつも僕より出来のいいやつでしゃくに触っていたが、魔力なしだったとはな・・・・

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