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1960年代

アタックNo.1

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富士見学園中等部に転校してきた鮎原こずえは、やり場のない力を持てあました不良グループを率いて、バレーボール部に挑戦。
その技量を見込まれて新キャプテンとしてバレー部に迎えられる。
チーム内でのエース争いの末に無二の親友となる早川みどり、ボーイフレンドの一ノ瀬努、新たな技を生み出させるために猛特訓を課した本郷コーチ……。
鮎原は、様々な人々に支えられて、中学、高校、そして世界のアタックNo.1に成長していく。

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1969年12月7日~1971年11月28日、全104話

原作:浦野千賀子

監督:黒川文男、岡部英二、吉田茂承、竹内啓雄ほか

脚本:辻真先、出崎哲ほか

音楽:渡辺岳夫

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第104話「栄光のアタックNo.1」

実況アナ「この試合は宇宙中継でソフィア市よりお送りしています!」
 ブルガリア、ソフィア市で開催されているバレーボール世界選手権。
 決勝リーグ最終戦の日本対ソ連、セットカウント1:1で迎えた第3セット。 
 ソ連がセットポイントを迎える。
 ソ連のエースアタッカー、シェレーニナの”半回転スパイク”が炸裂し、日本は第3セットを落としてしまう。

こずえ「なんとしても第二の魔球を…」
 続く第4セット、鮎原は”竜巻落とし”に次ぐ”第2の魔球”を模索しながらプレーし、ついに鮎原はバランスをくずして倒れてしまう。

 ベンチメンバーと交代して、控え室で休むことになる鮎原。
 そんな彼女の前に、かつて不慮の事故で亡くなった努の亡霊が現われる。
努「どこまでも君の道を進んで、世界のアタックNo.1になってくれ」
 努は彼女に励ましの言葉をかけるとすぐに消えてしまう。

猪野熊監督「シェレーニナの半回転スパイクもコースがつかめればレシーブできるはずだ。クィック攻撃と違って半回転してる間にコースが読める。レシーブできないはずはない」
 鮎原を失った日本は残りのメンバーの奮闘でなんとか第4セットを奪取。
 タイスコアへと持ち込んでいた。
 そして迎えた、運命の最終セット。

 復活した鮎原は、再びシェレーニナとの激しい打ち合いを展開する。
 宇宙中継を見守り、遠く日本から声援を送る制服姿の富士見高校バレーボール部の面々。
真木村「鮎原さんがんばって、鮎原さん」
中沢「親分、しっかり!」
早川みどり「こずえ!頑張って、こずえ!」

実況アナ「日本がんばれ。ソ連もがんばれっ」
 そしてついにマッチポイント!
こずえ「アターック!!」
 手に汗を握る接戦の末、決勝ポイントを渾身の”竜巻落し”で奪ったこずえ。
 日本は強敵ソ連に勝利したのだった。

実況アナ「おめでとう!日本女子チーム!キャプテン松山以下、チームの一人ひとりが血と汗の練習の成果を充分に発揮し力の限り闘ってきたのです。中でも、ひときわ目立つゼッケン12番鮎原こずえ。チーム最年少の新人ながらその活躍には目を見張るものがありました。日本の女子バレーの将来をリードする新しい星が誕生したと言っても言い過ぎではないでしょう。こらえてもこらえてもあふれる涙。それは全てを賭けて勝ち取った青春の喜びの感激の涙でありましょう」

 日本は金メダルを獲得した。
 そして、鮎原は参加各国の記者200人の投票によるこの世界選手権の最優秀選手に選出された。
 鮎原こずえはまさに、世界の”アタックNo.1”となったのだった。
実況アナ「鮎原です!鮎原こずえが世界のベストワンに選ばれました!世界のアタックNo.1になった鮎原こずえ。今、その感動の中に去来するものは果たしてなんでありましょうか?」

 主題歌「アタックNo.1」をバックに次々と蘇る過去の回想シーン。

鮎原「これで終わったのではない…。ミュンヘン五輪を目指して、さらにその次の世界選手権を目指して、また新たな厳しい道。その道を今、私はスタートした。そして私は、どこまでも歩み続ける。バレーボールと一緒に!」


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「スポ根」とは「スポーツ」と「根性」を合成した「スポーツ根性もの」の略語で、1960年代から1970年代の日本の高度経済成長期に人気を獲得し、メキシコ五輪が開催された1968年前後に人気のピークを迎えました。

 この少女向けスポ根アニメはちょうどメキシコ五輪とミュンヘン五輪の間に放映され、一大ブームを巻き起こしました。

 主題歌も大ヒットし、「♪苦しくたって、悲しくたってコートの中では平気なの」「だけど涙がでちゃう、女の子だもん」の有名なフレーズはみんなが口ずさんでいました。

 この頃のスポーツ女子は「つらかったら我慢せずに泣いてもいい、でも、そこからもう一度がんばろう」とこずえのように涙をぬぐって立ち上がったのです。

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声の出演

鮎原こずえ:小鳩くるみ

早川みどり:坂井すみえ

一ノ瀬努:森功至

本郷先生:中村秀生

猪野熊監督:村瀬正彦

清水先生:森ひろ子

大沼みゆき:栗葉子

真木村京子・シェレーニナ:増山江威子
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