上 下
47 / 95
1980年代

スペースコブラ

しおりを挟む


1982年10月7日~1983年5月19日、全31話。



原作:寺沢武一

音楽:羽田健太郎

主題歌:大野雄二

作画監督:杉野昭夫、大塚伸治

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第31話「あばよ!おれのコブラ」

 雪の惑星。

 地面の氷を割って、死んだほずの海賊ギルドの総司令官サラマンダーが現れバットを殺す。

 酒場で起きた爆発のため、酒を飲んでいたパンプキンも殺された。

 ふたりはサラマンダーを倒すためにコブラに協力した仲間だった。


 豪華な列車で旅行中のコブラとドグ。

 コブラが身だしなみをしている間に、ドグは先にバーに向かった。

 部屋を出たコブラは、ひと月前に消えてしまったドミニクそっくりの女とすれ違う。

コブラ「ドミニク、俺だよ、コブラだよ」

 だがそれはエルラド教会の首長、ミラールだと名乗る。

ミラール「そんなにあたしに似てますの?これも何かのご縁ですわ。よろしかったらそのうち教会本部の方に遊びにいらしてください」

 その頃、ドグはバーで知り合った女と部屋にいた。

 ベッドで女に覆い被さると、ドグは緑色の炎に包まれる。

女「バットとパンプキンの後を追うのよ!」

 その女の正体はサラマンダーだった。

 コブラの前でドアが開き、ボロボロになったドグが現れる。

コブラ「ドグ、どうした!誰にやられた!」

ドグ「…サ、サラマンダーは生きている。バットもパンプキンもやつにやられた。気をつけろコブラ…」

 ドグは死んだ。




 宇宙船の中のコブラ、エルラド星に向かう。

コブラ「サラマンダーの基地があると言われてるバレンタイン星域。その中にエルラド教会のあるエルラド星も含まれている。そしてその首長にドミニクのそっくりさんが…」



 女神像の前にいるミラールと、その信徒たち。そこへコブラがやって来た。

コブラ「これはミラール様、お目にかかれて光栄です」

 ミラールは大司教のラシッドと、司祭のソフィアを紹介する。ソフィアは今、エルラド教会は非常に重大な時期を迎えていると言う。

 それは女性があぐらをかいた姿の巨大なシドの女神像を、軌道上に打ち上げるというものだった。

 教会の平和と自由のシンボルであり、そして宇宙を航海する船の安全を守る灯台になる。

 それはひと月後、宇宙中の無数の惑星で同時に打ち上げられる予定だった。



 バルコニーにいるコブラとミラール。

ミラール「寝る前のほんのひととき。それがあたし自身のための時間なのです」

コブラ「エルラド教の首長にキスしたいときは、一体なんて言やあいいんだ?」

 キスするふたり。

コブラ「やっぱり、やっぱりあんたはドミニクに間違いない。あんたの背中には刺青があるはず」

ミラール「そんな!違うわ、私はミラールよ。たしかに刺青のことはその通りよ。あたしも最初は驚いたわ。でも…」

ミラール「悪かった、気にしないでくれ。あんたはやっぱりミラールさ。さあ信徒70億の首長がいつまでも泣いてちゃ恥ずかしいぜ。笑った笑った」



 そこへ銃を構えた3人の男たちが現れた。素手で倒すコブラ。

コブラ「どうやら教会ではあんたを必要としなくなったようだ」

 男の手にはサラマンダーの部下の紋章があった。服には宇宙船の打上げ用のオイルが付着していた。

コブラ「シドの女神像だ!ミラール、女神像の打ち上げ場所へ案内してくれ!」



 巨大な打ち上げ施設にやってきたコブラとミラール。一ヶ月後のはずの打ち上げの準備が着々と進められている。

ミラール「ソフィア!これはいったい何事ですか?」

ソフィア「ただちに打ち上げの準備をするよう大司教から命令されまして」

 背後からラシッドが現れた。

ミラール「ラシッド、なぜそのようなことを。打ち上げは一ヶ月後のはず」

ラシッド「急ぐ事態が発生したからです。あれをご覧ください」

 モニターには銀河パトロールの大艦隊がうつる。エルラド教国に向けて侵攻を始めたのだった。

ミラール「銀河パトロールが来ても別に構わないではありませんか」

コブラ「海賊ギルドとしては困るのさ」

 周りにいた信徒たちがコブラに銃を突きつける。ミラールにもソフィアが銃を向ける。

ラシッド「あと数分で何万という惑星から一斉にシドの女神が打ち上げられる」

コブラ「平和と自由の女神像。いつからギルドは慈善事業を始めるようになったんだ?」

ラシッド「残念ながらあれは、いわば『死の女神』といったところだよ」

 シドの女神像は、強力なレーザー光線砲を供えた死の衛星なのだった。

ラシッド「各惑星はこの女神を通して我々ギルドの支配を受けることになるのだ」

コブラ「ついでだ。ひとつ教えてくれないか。なぜドミニクをミラールに仕立て上げた」

 ラシッドは本物のミラールが死んでしまったから、そっくりのドミニクを利用したのだと言う。ドミニクの脳を凍結し、そこにミラールの記憶を埋め込んだのだ。

ラシッド「だが替え玉ももはや必要なくなった。すべてはシドの女神像を打ち上げるまでのことなのだ」

 カウントダウンが進んでいる。10秒で補助エンジンが点火し、ついにゼロになる。

ラシッド「発射!」

 打ち上げられるシドの女神像。

ラシッド「夢が、三千年を越える夢が時空を越えていまここに甦った。ハイル、サラマンダー!第三帝国に栄光あれ!」

 サラマンダーが現れた。

サラマンダー「諸君、あと数分ののち各惑星にある一万二千基のシドの女神像が全宇宙を掌握する!」

サラマンダー「私は、最終命令『我に従え』をシドの女神にプログラムする」

サラマンダー「この指令センター、もはや必要としなくなった」

 建物は爆発し、崩れ始める。




 走って脱出したコブラとミラールは、広くて長い階段がある部屋に到着した。

 階段の上にはキーボードが付いた操作台がある。奥の壁にはギルドの紋章が描いてあった。

コブラ「感じる。恐ろしいほどのサイコエネルギーだ」

 操作台を見るコブラ。

コブラ「そうか!やつはあれでプログラムをインプットするんだ!」

 現れたサラマンダーをサイコガンで撃つコブラ。

 身体に当たるが頭だけが飛んできて、壁の中に消える。

コブラ(…そうか!やつもたただのエネルギー体にすぎないのか)

 この部屋に、サラマンダーを作り出しているものがいるとコブラは確信する。

 コブラは再び現れたサラマンダーを撃ち、エネルギーが吹き荒れる中をキーボード台にたどり着いた。

 プログラムを入力するコブラ。

 しかしエネルギーに吹き飛ばされる。


 現れたサラマンダーが、キーボードに入力する。

サラマンダー「最終命令プログラミング。『我に従え』!」

 そしてシドの女神像に、銀河パトロールを攻撃するよう命じた。

 だが宇宙にあるシドの女神像は、同士撃ちを始めた。

 次々と大破していく宇宙中の女神像。

コブラ「どうやら、こっちのプログラムが効いたようだな。『コギトエルゴスム』、大昔の哲学者の言葉さ。『我考える、ゆえに我あり』」

 コブラの入力したプログラムによって女神像はいっせいに自我に目覚め、同じ自我の自分を否定して攻撃し始めたのだった。


コブラ「サラマンダー!貴様の本体はそこだーっ!」

 サイコガンで紋章を撃つ。その中から巨大な男の首が飛び出した。

 紋章の奥にあった部屋に入るコブラ。

 そこには椅子に座った男の姿があった。

コブラ「やはりな。あんただったのかい。ミイラになっても精神は生き続けていたらしいな」

 サラマンダーは、ギルドを操るためこの男に作られた幻影だった。

コブラ「三千年にもおよぶあんたの闘争もやっと終わりを告げたってわけだ」


 倒れているミラールを助け起こすコブラ。

ミラール「ここはどこ?どうしてあたしをここに?」

 ミラールはドミニクの記憶を取り戻していた。

ドミニク「ミラールって誰なの?誤魔化さないで、コブラ!」

コブラ「やれやれ、これじゃミラールのままの方がよかったかなあ?さよならーっ!」

 逃げ出すコブラ。


 コブラとレディを乗せて、宇宙を飛んで行くタートル号…。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 たった一話で単行本一冊分の内容を詰め込んでるので展開が早いですねぇ。

 全裸の女性とのベッドシーンもありますが、日曜の昼時に普通に再放送していました。

 コブラにはカッコいい名言が多いですが、「あと2時間で夜が明ける」「夜が明けるとどうなる?」「知らんのか 日が昇る」という名シーンがあります。

 今でも「あと数分でメンテが明ける」「メンテが明けるとどうなる?」「知らんのか メンテが始まる」というコラで有名です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

声の出演

コブラ: 野沢那智

アーマロイド・レディ: 榊原良子

ドミニク: 高島雅羅

サラマンダー:柴田秀勝
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

意味がわかるとえろい話

山本みんみ
ホラー
意味が分かれば下ネタに感じるかもしれない話です(意味深)

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

6年生になっても

ryo
大衆娯楽
おもらしが治らない女の子が集団生活に苦戦するお話です。

処理中です...