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2010年代

寄生獣 セイの格率

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2014年10月~2015年3月、全24話

原作:岩明均

監督:清水健一

シリーズ構成:米村正二

キャラクターデザイン:平松禎史

音楽:Ken Arai

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 平凡な高校生である泉新一は、ある日突然地球に飛来してきた「パラサイト」の襲撃を受ける。

 間一髪で脳への寄生は免れるが、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。

 右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活が始まる。

 周囲に真実を話すことができず悩んでいた新一だが、やがて新一とミギーは友情に近いものを感じるようになっていく。

 しかし、新一とミギーの前には他のパラサイトが現れ始め、次々に人を殺し、また人がパラサイトを殺す事態に発展。

 新一の同級生・里美にも危険が迫る。

 その中で、高校教師として目の前に現れたパラサイトの田宮良子らパラサイトたちにもそれぞれの価値観が生まれ始める。

「われわれはなぜ生まれてきたのか?」地球を壊し続ける人間たちを淘汰するために生まれてきたというパラサイトたち。そのパラサイトを殺し、生き延びようとする人間たち。

「果たして生き残るべきはどちらなのか?」それでも、地球を、そして愛する人を守らなければいけない。ゆらぐ価値観の中で、新一とミギーはパラサイトとの戦いに身を投じていく。

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final stage 「寄生獣」

 後藤との対決を終えた新一は、日常生活を取り戻しつつあった。


 市役所の一件が社会に与えた影響は公共的には何も発表されなかった事で、未だ色んな憶測が飛び交っている世の中。

 だが、パラサイトたちは表だっての行動をやめ、人間社会に適合する道を選び、食生活も捕食ではなく、人間と同じものを食べる事を覚え、進化していったよう。


 そんなある日、またも夢の中、ミギーのような存在が内側から新一に語り掛けてくる。

 ミギーはお別れを言いに来たと言い出したのだ!!

 後藤の体内にいたことで内部構造が変わり、深く長い眠りにつくのだと。

 そうなれば、新一の右手は、普通通りの右手に戻るだけ。

 外面の活動を中止し、内部情報だけで過ごしてみたいと言い出すミギー。

ミギー「自分の事も夢のように忘れればいい。朝、そこにあるのは、ただの右手だ。今までありがとう・・・。新一・・・」


 翌朝、目を覚ました新一。

新一「忘れるわけないだろ!!」


 それでも、穏やかに日常は過ぎていく。

 大学生になった里美たち。

 新一は浪人生になった。

 それでもあの戦いの日々の比べたら何とも平安な日々。

 パラサイト事件は聞かなくなった。

 だがそれは、人間が起こす犯罪が目立ちだして、逆に殺人という事がささいな事件になってきたからなのかもしれない。



 里美と勉強をした帰り道、 人ごみの中で、見知った顔を見かけた新一。

 それは後藤事件の際、隙を見て逃走していた殺人鬼、浦上だった。

 彼は意味深に新一の目につくように誘導し、追ってきた所を見計らい、里美を拉致して建物の屋上へと誘ったのだ!!

 浦上はそこにいた先客のカップルをあっという間にナイフで殺し、里美を震え上がらせる。

 ようやく追ってきた新一。

 最早声すら出す事が出来ないまでに震えて怯える里美。

 彼女を離してくれるなら何でもするという新一。

浦上「人間とは違う答えが聞きたい。この俺は何だと思う?俺こそが人間だ。化け物なんて必要ねぇ。人間は元々共食いするようにできてるんだ。本能に従う自分こそが正常な人間だ」

浦上「とぼけんなよ。混ざってるんだろ。お前の体には化物が混ざっているんだ。ひとつ人間と化け物の中間の立場から答えてくれ」

新一「ああ、そうだよ!あんたの言う通り俺は…」


里美「泉くん!」

 突然、遮る里美。

里美「警察を呼んできて!こんな奴に付き合う必要ない。こんな奴のどこが正常な人間よ。あんたこそ、化物以上の化物じゃない!!」

里美「確かに普通の人とは違うかもしれない。でも人間だよ!どんな命も大切に思うのが人間なんだ!!化物はあんたよ!!」

 元気があって壊しがいがあるおもちゃを見つけたと、薄笑いを浮かべる浦上。

 里美は涙を流しながら、新一にいつも追いつこうとしていたと告白。

里美「置いてけぼりは私の方だった。でも今やっと追いついて、なんだか、ちょっと追い抜いちゃったみたい」

 浦上の持つナイフが里美の首に突き付けられる。

新一「やめろー!!」

新一(助ける。間に合うさ。そうとも俺は足が速い。ただの人間じゃないんだ。奴の動きなんか止まって見える。左でナイフを跳ね上げ・・・)

 浦上の持つナイフが新一の左手に突き刺さる。

新一(そのまま顎を砕く。そして、右…)

 新一は浦上の顔を思い切り殴りつけた。

 だが、里美がはずみで宙へ放り出され、屋上から落下してゆく。


 新一の伸ばした右手が空を切る。

 屋上から落ちてゆく里美。

新一「なんでいつもこんな・・・!!」

 絶望の叫び声をあげる新一。

 泣きながら屋上に座り込む新一。

 その時、聞こえてきたミギーの声。

ミギー「人間は心に暇のある生物。だがな、それこそが人間の最大の魅力なのだ。いつまでもメソメソしてるんじゃない。疲れるから自分で持ちな」

 その瞬間ミギーは目覚め、新一の右手が伸びて里美の腕を掴んでいたのだ。

新一「間に合った!?ミギー!」

 助かった二人は屋上に横たわる。。

新一「ありがとう、ミギー。お前はやっぱり生きている」

 ミギーは再び眠りについている。

 新一が新一である事を受け入れてくれた里美。

 ほっとしたその時、駆け付けた殺された二人の同僚たちの悲鳴を聞く二人。

 倒れているのをひとくくりにされてしまったことで思わず笑ってしまう二人。




新一「他の生き物を守るのは人間自身がさびしいからだ。

   環境を守るのは人間自身が滅びたくないから。

   人間の心には人間個人の満足があるだけなんだ。

   でもそれでいいし、それがすべてだと思う。

新一「俺たちはみんなここで生まれて、ほんのちっぽけな、点での理解を繰り返し、積み重ねていく。

何かに寄り添い、やがて、命が終わるまで」

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「セイの格率」この副題を付けた意味について、プロデューサーの中谷敏夫は以下のように語っています。 

 サブタイトルの「格率」の意味は、哲学者カントの言葉の訳語ですが、 なんとなく当たり前のように守っている概念みたいな意味合いです。 生態系の頂点だった人間がそうではなくなり、殺す側の論理と殺される側の論理が交錯する…。 「寄生獣」は価値観の根底を考えさせられる、哲学書だと思っているんです! セイには「生」「性」「正」など、原作にちりばめられている様々なメッセージを込めています。

 あー、そーゆーことね。完全に理解したわ………。

 最終話はほぼ原作通りの終わり方でした。

 原作が素晴らしい名作だったので、アニメも普通に良かったと思います。

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声の出演

泉新一:島﨑信長

ミギー:平野 綾

村野里美:花澤香菜

立川裕子:安野希世乃

鈴木アキホ:前田玲奈

君嶋加奈:沢城みゆき

浦上:吉野裕行

田宮良子:田中敦子
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