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2000年代

ファンタジックチルドレン

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2004年10月4日~2005年3月28日、全26話。

原作・監督・キャラクターデザイン:なかむらたかし。

脚本:なかむらたかし、三井秀樹。

音楽 :上野耕路。

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 15世紀末、地球から二億光年離れた惑星ギリシアでは悲劇がおこっていた。

 《最終兵器》として絶大な力を持つ王女ティナ。

 ギリシアでは彼女をめぐり内乱状態にあった。

 数々の犠牲の中、ティナはこの星の技術の粋を集めた《転生装置》を使い地球へと向かう。

 無事地球人として《転生》したティナ。

 しかし、前世の記憶は心の奥深くへと閉じこめられていた。

 ティナは《自然転生》を繰り返し500年後の西暦2001年、

 孤児ヘルガとして生まれ変わる。

 そしてヘルガが11歳の時、南の小さな島で少年トーマと運命的な出会いをする。

 トーマはこの物静かな不思議な雰囲気をもった少女に心惹かれていく

 だが、《転生》したヘルガを捜し求めてギリシアからの追ってが迫っていた。

 王女の魂を取り戻そうとする7人の科学者たち。

 絶大な力を得ようとするゲオルカとその息子デュマ。

 トーマはその追っ手からヘルガを守ろうと必死に戦う。

 公式HPより。

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第26話「終焉そして始まり」


 一面に広がる漆黒の海、狭間はざま

 トーマは砂浜に横たわってるヘルガを見つける。


 トーマがヘルガを抱くと、トーマはセスの姿に変わる。

 トーマの正体はティナの許嫁セスの転生者だった。 

 セスはヘルガの前世であるティナの恋人、ソランを殺したのは自分だと告白する。

セス「ずっとトーマの中で苦しくて、辛くて、トーマになりきることは出来なかった。ずっと、ティナに謝りたかった。許してくれ」


 狭間の海の水平線上に、閻魔エンマの影が浮かび上がる。

 向かってくる閻魔にヘルガを庇って立ちふさがるセス。

セス「君はここにいてはいけない。戻るんだ、ティナ!生きてくれ、ティナ。君は生きるんだ!」

ヘルガ「今生きているのはトーマなのよ。お願いセス、トーマになって生きて」

セス「トーマは僕だ。僕の罪はトーマの罪だ。だから、ソランと君に死んで償う。生まれ変わって生きる気はない」

ヘルガ「死んでも償いにはならない。トーマとして生きて周りの人を幸せにするの。それが本当の償い」

 ヘルガが必死に説得するがそれでもセスは譲らない。

ヘルガ「あなたはそんなに傷ついてしまっていたのね」

 顔を上げたヘルガの姿はティナへと変容し、手をのばしてセスを抱きしめる。

ティナ「あなたが死ぬというのなら、わたしも死にます」

 そして、意識を失ってしまうティナ。

セス「君は、ぼくのために・・・ぼくのために・・・!そんなつもりじゃなかったのに、また君を不幸にしてしまう、ティナ!」

  ティナの名を必死に呼び続けるセス。

 そして、ヘルガと叫ぶトーマの姿に・・・。


 トーマとヘルガの姿に戻った二人は生きることを決意し狭間から脱出する。

トーマ「俺はトーマとして生きるよ、ヘルガ・・・。生きよう、ヘルガ。生きるんだ」

 二人は物質世界へと無事に帰還する。



 ティナの弟デュマは宇宙船を使い、転生装置を破壊する。


 500年もの間、地球に転生したティナを探し続けていたべフォールの子供達は地球に残り、与えられた人生を生きることを決意する。

 彼らの記憶も、トーマやティナの記憶も一時的なもので、12歳になったらすべて失われてしまう。

 もうすぐ彼らの記憶は消える。12歳の誕生日が迫っている。

ソレト「また、会えるかしら…」

アギ「きっと、会えるよ」

 今度こそ、21回目の人生を生きるんだ。

 過去に背を向けて去っていくベフォールの子供たち。



 ギリシアに帰っていく宇宙船。

 宇宙船の中、宮殿の庭を模した場所。

 デュマはもの言わぬティナの身体を安置していた。

デュマ「姉さん。この庭園を姉さんにあげます。ここは、永遠に姉さんだけのものです。ぼくは今日限り、ぼくの心の時間を止めます」



 ヘルガはトーマと別れて、元の施設に戻ると言う。

ヘルガ「強く生きていかなきゃね」

トーマ「ヘルガ、きっとソランに会えるよ。俺に、セスに会えたのがその証だ」

トーマ「ソランはきっと会いに来る。あいつはそういうやつだ」

ヘルガ「・・・・・・」



 故郷のパパン島に帰ったトーマ。

 ギリシア人としての記憶が消えるに従って髪と目の色も戻った。

 晴れ晴れとした表情。




 ―――10年後。

 ヘルガは孤児院で働いていた。

 そこに、水を求めて一人の若い男性の旅人がやってきた。

 壁にかかった絵を見た旅人がヘルガに尋ねる、

旅人「この絵はあなたが描いたんですね」

ヘルガ「ええ、私が11歳の時に描いた絵なんです・・・。どうして私が描いた絵だと?」

旅人「なんとなく、そんな気がしたんです」

 ヘルガの差し出したグラスを受け取る男の左腕には、奇妙な文字のようなアザがあった。

旅人「これですね、生まれた時からあったアザなんです」

 無意識にそれを指で辿り、呟くヘルガ。

ヘルガ「ティナ…」

ヘルガ「あっ!ごめんなさい。私、何をやっているのか・・・」

 頬を赤らめるヘルガ。

 見つめあう二人。

 ティナとソランは、転生先の地球でようやく巡り合った。


 宇宙の片隅で愛は再び巡り会う。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 昔懐かしい謎と冒険シリーズのティストを抱えながら、少年少女が楽しめる本格的で正統なファンタジックアドベンチャー作品です。

 物語は二億光年という気の遠くなる様な宇宙空間と地球上での五百年という時空と世紀を越えて旅をする子供達のラブストーリー。

 複雑なお話で最初は何の話なのかさっぱりわからず、特にエンディングはなんなのこの抽象画?状態でした。

 しかし最終回が近づくにつれOP、本編、EDと何一つ無駄のない伏線が明らかになり、エンディングの絵の意味が分かった時には涙腺は崩壊し深い感動に包まれるのでした。

 平日の深夜アニメでしたが家族と一緒に来週はどうなるのだろうとワクワクしながら見た数少ないアニメです。

 OP曲「VOYAGE」、「攻殻機動隊」シリーズの主題歌で有名なロシアの歌姫ORiGAさんの歌うED曲「水のまどろみ」の歌詞にも意味があり、本当に良い作品でした。


 何の情報もネタバレもなしにリアルタイムで見れて幸せでした。

 私はちゃんと「ネタバレ全開なので閲覧は注意して下さい!」と忠告していますからね。

 それに公式HPも思い切りネタバレあらすじを掲載していますからね。

 わたしは……悪くないよねぇ?

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声の出演

ヘルガ:河原木志穂

トーマ:皆川純子

デュマ:花輪英司

チット:小林希唯

アギ:浦田 優

ソレト:高口幸子

ヒースマ:はらさわ 晃綺

ハスモダイ:松本さち

タルラント:矢口アサミ

メル:坂本真綾

パルザ:鈴木千尋

ゲルタ:甲斐田ゆき
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