6 / 89
第1章「始まりの塔」
2
しおりを挟む
足元の穴に気を付けながら、俺は樫と白樺と杉の木の混交林を抜けた。
すると、目の前には高さ10メートルほどの丘が現れた。
俺は岩がむき出しになっている部分の「破合線」を目がけて右手を振り下ろした。
数回手刀を振るうと、直方体のブロック「石・01」が採れた。
俺はそのまま石を十数個掘り出した。
岩壁には、ポッカリと直方形をした洞窟が完成した。
「とりあえず、ここを拠点とするか」
俺は自分の掘った洞窟に入り、住み心地を確認した。
インベントリーから土ブロックを取り出すと、洞窟の入り口を土の壁でしっかりと塞いだ。
土壁で洞窟を塞ぐと中が真っ暗になってしまった。
「当たり前か」
俺は慌てて持っていた松明を地面に刺した。
一本では薄暗いので、もったいないが、壁にも松明を刺した。
これで手持ちの松明は、残り一本になってしまった。
この世界では、暗い場所にはモンスターが自然発生してくるらしい。
早く松明を作らないと。
俺は「E」と心の中で叫んでインベントリーの画面を開いた。
画面の中心には工作枠があり、簡単な品物ならここで作ることができるのだ。
俺はその工作枠に、「杉の木」を入れた。
すると、「杉の木」は「杉の材木」に変わった。
アイテムは最大100個まで一つの枠内にスタックできる。
俺は材木を100個作った。
次に材木を4個、工作枠に入れ、「作業箱」を作り、目の前の地面に置いてみた。
作業箱は上面に格子模様の蓋があるだけの、何の変哲もないただの木製の箱だった。
錬金術師はこの作業箱にレシピ通りの材料を入れたら、より複雑な物を作れるのだ。
俺は作業箱の中に石と土を入れて「石窯」を作り、作業箱の横に並べて置いた。
石窯は上に燃やす物、下に燃料になる物を入れるようになっている。
俺は上に杉の木、下に杉の材木を入れた。
すると、石窯に火がともり、次々を木が燃やされ木炭に変わっていった。
次に俺は作業箱に材木を二つ放り込み、「棒」と心の中で念じてみた。
すると、木材は「棒」に変わって出てきた。
その棒と木炭を作業箱の中に押し込み、「松明」と念じた。
俺はようやく松明を手に入れたのだ。
この一連の作業は、似たようなことをゲームでやったことがあるので、すんなりと実行できた。
異世界の錬金術とゲームが似ているとは、偶然とはいえ恐ろしいものだ。
余裕ができたので、ついでに木材を組み合わせて、ドアと物入れを作った。
洞窟の入り口を塞いでいた土を縦に3ブロック横に2ブロック取り除き、そこにドアを置いてみた。
石窯の横に小さな物入れを2個、地面の上に並べておくと融合して、1個の大きな物入れに変わった。
一体どういう仕組みなのか不思議だったが、錬金術とはこういうものなのだ。
現実は受け入れるしかない。
俺はとりあえず不要なアイテムを物入れの中に仕舞った。
ドアを開けて外を見渡すと、辺りはそろそろ薄暗くなってきていた。
あまり外をうろつきたくなかったが、今夜は徹夜で作業をしておきたいので、思い切って外に出た。
俺は拠点のすぐそばを流れている川に向かった。
すると、目の前には高さ10メートルほどの丘が現れた。
俺は岩がむき出しになっている部分の「破合線」を目がけて右手を振り下ろした。
数回手刀を振るうと、直方体のブロック「石・01」が採れた。
俺はそのまま石を十数個掘り出した。
岩壁には、ポッカリと直方形をした洞窟が完成した。
「とりあえず、ここを拠点とするか」
俺は自分の掘った洞窟に入り、住み心地を確認した。
インベントリーから土ブロックを取り出すと、洞窟の入り口を土の壁でしっかりと塞いだ。
土壁で洞窟を塞ぐと中が真っ暗になってしまった。
「当たり前か」
俺は慌てて持っていた松明を地面に刺した。
一本では薄暗いので、もったいないが、壁にも松明を刺した。
これで手持ちの松明は、残り一本になってしまった。
この世界では、暗い場所にはモンスターが自然発生してくるらしい。
早く松明を作らないと。
俺は「E」と心の中で叫んでインベントリーの画面を開いた。
画面の中心には工作枠があり、簡単な品物ならここで作ることができるのだ。
俺はその工作枠に、「杉の木」を入れた。
すると、「杉の木」は「杉の材木」に変わった。
アイテムは最大100個まで一つの枠内にスタックできる。
俺は材木を100個作った。
次に材木を4個、工作枠に入れ、「作業箱」を作り、目の前の地面に置いてみた。
作業箱は上面に格子模様の蓋があるだけの、何の変哲もないただの木製の箱だった。
錬金術師はこの作業箱にレシピ通りの材料を入れたら、より複雑な物を作れるのだ。
俺は作業箱の中に石と土を入れて「石窯」を作り、作業箱の横に並べて置いた。
石窯は上に燃やす物、下に燃料になる物を入れるようになっている。
俺は上に杉の木、下に杉の材木を入れた。
すると、石窯に火がともり、次々を木が燃やされ木炭に変わっていった。
次に俺は作業箱に材木を二つ放り込み、「棒」と心の中で念じてみた。
すると、木材は「棒」に変わって出てきた。
その棒と木炭を作業箱の中に押し込み、「松明」と念じた。
俺はようやく松明を手に入れたのだ。
この一連の作業は、似たようなことをゲームでやったことがあるので、すんなりと実行できた。
異世界の錬金術とゲームが似ているとは、偶然とはいえ恐ろしいものだ。
余裕ができたので、ついでに木材を組み合わせて、ドアと物入れを作った。
洞窟の入り口を塞いでいた土を縦に3ブロック横に2ブロック取り除き、そこにドアを置いてみた。
石窯の横に小さな物入れを2個、地面の上に並べておくと融合して、1個の大きな物入れに変わった。
一体どういう仕組みなのか不思議だったが、錬金術とはこういうものなのだ。
現実は受け入れるしかない。
俺はとりあえず不要なアイテムを物入れの中に仕舞った。
ドアを開けて外を見渡すと、辺りはそろそろ薄暗くなってきていた。
あまり外をうろつきたくなかったが、今夜は徹夜で作業をしておきたいので、思い切って外に出た。
俺は拠点のすぐそばを流れている川に向かった。
0
お気に入りに追加
143
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
トレジャーキッズ
著:剣 恵真/絵・編集:猫宮 りぃ
ファンタジー
だらだらと自堕落な生活から抜け出すきっかけをどこかで望んでいた。
ただ、それだけだったのに……
自分の存在は何のため?
何のために生きているのか?
世界はどうしてこんなにも理不尽にあふれているのか?
苦悩する子どもと親の物語です。
非日常を体験した、命のやり取りをした、乗り越える困難の中で築かれてゆくのは友情と絆。
まだ見えない『何か』が大切なものだと気づけた。
※更新は週一・日曜日公開を目標
何かございましたら、Twitterにて問い合わせください。
【1】のみ自費出版販売をしております。
追加で修正しているため、全く同じではありません。
できるだけ剣恵真さんの原文と世界観を崩さないように直しておりますが、もう少しうまいやり方があるようでしたら教えていただけるとありがたいです。(担当:猫宮りぃ)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる