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37.再び、二人の…… **

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 ベッドの上にイシェリアを優しく押し倒したユーリは、すぐに彼女の唇に自分のそれを重ねて、その柔らかさと温かさを堪能し始めた。
 キスをしながら、イシェリアのネグリジェを器用に脱がしていく。
 全てを脱がせたユーリは一旦起き上がると、今度は自分の服を脱ぎ始めた。


「あの……ユーリアス」
「はい、何でしょう?」


 細身ながらも引き締まり、無駄な肉が無いユーリの身体に見惚れながらも、イシェリアは彼に声を掛ける。


「私の身体の痣や傷が全部無くなっているんですが……これはもしかして、貴方が……?」
「あぁ」


 全裸になったユーリはフッと微笑むと、再びイシェリアに身体を重ね、首筋に唇を這わせていく。

「……っ」
「そうですよ。毎晩、貴女の身体を舐めていたでしょう? 舌から『回復魔法』を出して舐めていたんです。本来の方法ではないので、回復量が少なくて何日も掛かってしまいましたが」
「そ、そんな方法もあるんですね……」
「僕が独自で編み出しました」

 クスリとユーリは笑うと、イシェリアの鎖骨に小さな赤い痕を次々と付けていく。


「ん……っ。でっ、でも、どうして『光魔法』が使えるってこと、隠していたんですか……?」
「その時は色々と内密で動いていたので、周りから騒がれたくはなかったのですよ。貴女は僕のことを『自分を殺しに来た暗殺者』だと思ってまだ心を開いていなかったでしょうし、『正反対の属性の魔法を使える』と更に不審に思われたら嫌でしたので、貴女にも内緒にしていました」
「う、それは……」
「あぁ、責めていませんよ。誤解しないで下さいね。僕もあの時は結構強引に事を進めてしまいましたから。もっとじっくりゆっくり攻めれば良かったなと」
「せ、攻め……?」
「ちなみに服の上から指で触って、気付かれないように少しずつ『回復魔法』を掛けることも出来たのですが、僕が貴女の裸を見たい上に貴女の身体を舐めたかったので舌にしました」
「な……っ!? ドスケベですかぁッ!?」
「はい、ドスケベです。――貴女だけに対して、ね」


 ユーリはくつくつと笑いながら素直に答えると、口に含んだ胸の先端を舌で転がし、甘咬みしながら吸い上げる。もう片方の胸は彼の大きな手でやわやわと揉まれていた。

「んん……っ」
「……相変わらず、貴女の身体はどこも甘いですね……」

 ユーリは吐息混じりに呟くと、唇を腰から腹へと這わせていき、イシェリアの脚を開かせると、隠れていた秘所に顔を埋めた。


「あっ、ユーリ――」
「ちなみに、『光の力』――『聖なる力』とも呼ばれている僕のそれですが、貴女から戴いたものだったんですよ」
「えっ! 私っ!?」


 自分の恥ずかしい場所をジッと見られている羞恥に耐えていると、ユーリから驚くべきことを聞かされ、イシェリアは思わず声を上げてしまった。
 ユーリは彼女の魅惑的な秘所を見つめながら、その上にある下腹部を愛おしそうに撫でる。


「二年前、君を抱いた時に譲渡されたんです。貴女の子宮内に、強大な『光の力』が宿っていたんですよ。それは本人が使えるものではなく、“性交”した相手に一度だけ譲られる“特殊な力”でした」
「あ……。だから父は、私を一歩も外に出さなかったんですね……。その力を、自分達の利益の交渉に使う為に――」
「仰る通りです。まぁ、何も知らなかった僕が意図せず奪ってしまいましたけどね……」


 秘所が舌と唇で攻められ快感に身体を震わせながらも、イシェリアは何とかユーリに向かって言葉を紡いだ。


「ん……っ。わ、私の力を、他の誰でもない、ユーリアスに渡せて良かった……っ。あの時……私を抱いてくれて……あ、りがと……っ」


 涙目のイシェリアの言葉にユーリは目を瞠ると、途端に秘所への攻めを激しくし始めた。


「えっ!? あ――や、だっ、駄目ぇ……っ!!」


 貪り尽くすようなその攻めに、一気に快楽が駆け昇り、イシェリアの頭の中で真っ白に弾け飛んだ。
 イッた余韻でビクビクと身体を痙攣させているイシェリアの秘所に、無言で起き上がったユーリは膨れ上がり大きく反り勃った自身を充てがう。


「……もっとじっくり貴女を攻めて味わいたかったのですが……先程の言葉で限界に達しました。責任取って下さいね?」
「へっ? な、何――」


 ユーリはそう言うや否や、イシェリアの膣に自身をめり込ませ、一気に貫いた。

「……っ!!」

 そのいきなりの衝撃に、イシェリアの身体が大きく反り返る。
 ユーリはその細い腰を掴むと、激しい抽送を開始した。

「あっ、ゆ……ユーリアス――」

 黄金色の瞳を潤ませ、自分を見上げてくるイシェリアの姿に、ユーリの欲情の高まりが止まらない。
 ユーリは身を屈め、イシェリアの耳元に口を寄せ囁いた。


「――愛してるぜ? オレのシェリ」
「……っ!!」


 イシェリアの瞳が見開き、瞬時に顔全体が真っ赤に染まる。


「……ん、締まりましたね……。やはり“昔”の僕にはまだまだ敵いませんか……。“今”の僕ももっと精進しないとですね」
「あ、遊ばないで下さい……っ」
「ふふ、“本気の言葉”ですよ?」


 ユーリは笑ってイシェリアに濃厚な口付けをし、腰の動きを早くしていく。
 そしてお互いが達し、イシェリアの子宮内に大量の精が降り注いだ。

 ユーリは心地良い快感に身を任せ大きく息をついた後、再びイシェリアの身体を触り始めた。


「あ……っ。え、まだ……?」
「当たり前じゃないですか。二年前は時間制限がありましたが、今は違います。時間を掛けて、貴女をたっぷりと堪能させて頂きますね。そして、貴女もたっぷりと気持ち良くさせます。――もう、の悪夢は二度と見ないように……ね」
「う、あ、お……お手柔らかにお願いします……」
「貴女が相手ですと絶対に無理ですね」
「そこは素直に頷いて下さいよッ!?」


 イシェリアの可愛いツッコミは聞かなかったことにして、ユーリは愛しい彼女の身体を一晩中堪能し尽くしたのだった……。



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