37 / 38
37.再び、二人の…… **
しおりを挟むベッドの上にイシェリアを優しく押し倒したユーリは、すぐに彼女の唇に自分のそれを重ねて、その柔らかさと温かさを堪能し始めた。
キスをしながら、イシェリアのネグリジェを器用に脱がしていく。
全てを脱がせたユーリは一旦起き上がると、今度は自分の服を脱ぎ始めた。
「あの……ユーリアス」
「はい、何でしょう?」
細身ながらも引き締まり、無駄な肉が無いユーリの身体に見惚れながらも、イシェリアは彼に声を掛ける。
「私の身体の痣や傷が全部無くなっているんですが……これはもしかして、貴方が……?」
「あぁ」
全裸になったユーリはフッと微笑むと、再びイシェリアに身体を重ね、首筋に唇を這わせていく。
「……っ」
「そうですよ。毎晩、貴女の身体を舐めていたでしょう? 舌から『回復魔法』を出して舐めていたんです。本来の方法ではないので、回復量が少なくて何日も掛かってしまいましたが」
「そ、そんな方法もあるんですね……」
「僕が独自で編み出しました」
クスリとユーリは笑うと、イシェリアの鎖骨に小さな赤い痕を次々と付けていく。
「ん……っ。でっ、でも、どうして『光魔法』が使えるってこと、隠していたんですか……?」
「その時は色々と内密で動いていたので、周りから騒がれたくはなかったのですよ。貴女は僕のことを『自分を殺しに来た暗殺者』だと思ってまだ心を開いていなかったでしょうし、『正反対の属性の魔法を使える』と更に不審に思われたら嫌でしたので、貴女にも内緒にしていました」
「う、それは……」
「あぁ、責めていませんよ。誤解しないで下さいね。僕もあの時は結構強引に事を進めてしまいましたから。もっとじっくりゆっくり攻めれば良かったなと」
「せ、攻め……?」
「ちなみに服の上から指で触って、気付かれないように少しずつ『回復魔法』を掛けることも出来たのですが、僕が貴女の裸を見たい上に貴女の身体を舐めたかったので舌にしました」
「な……っ!? ドスケベですかぁッ!?」
「はい、ドスケベです。――貴女だけに対して、ね」
ユーリはくつくつと笑いながら素直に答えると、口に含んだ胸の先端を舌で転がし、甘咬みしながら吸い上げる。もう片方の胸は彼の大きな手でやわやわと揉まれていた。
「んん……っ」
「……相変わらず、貴女の身体はどこも甘いですね……」
ユーリは吐息混じりに呟くと、唇を腰から腹へと這わせていき、イシェリアの脚を開かせると、隠れていた秘所に顔を埋めた。
「あっ、ユーリ――」
「ちなみに、『光の力』――『聖なる力』とも呼ばれている僕のそれですが、貴女から戴いたものだったんですよ」
「えっ! 私っ!?」
自分の恥ずかしい場所をジッと見られている羞恥に耐えていると、ユーリから驚くべきことを聞かされ、イシェリアは思わず声を上げてしまった。
ユーリは彼女の魅惑的な秘所を見つめながら、その上にある下腹部を愛おしそうに撫でる。
「二年前、君を抱いた時に譲渡されたんです。貴女の子宮内に、強大な『光の力』が宿っていたんですよ。それは本人が使えるものではなく、“性交”した相手に一度だけ譲られる“特殊な力”でした」
「あ……。だから父は、私を一歩も外に出さなかったんですね……。その力を、自分達の利益の交渉に使う為に――」
「仰る通りです。まぁ、何も知らなかった僕が意図せず奪ってしまいましたけどね……」
秘所が舌と唇で攻められ快感に身体を震わせながらも、イシェリアは何とかユーリに向かって言葉を紡いだ。
「ん……っ。わ、私の力を、他の誰でもない、ユーリアスに渡せて良かった……っ。あの時……私を抱いてくれて……あ、りがと……っ」
涙目のイシェリアの言葉にユーリは目を瞠ると、途端に秘所への攻めを激しくし始めた。
「えっ!? あ――や、だっ、駄目ぇ……っ!!」
貪り尽くすようなその攻めに、一気に快楽が駆け昇り、イシェリアの頭の中で真っ白に弾け飛んだ。
イッた余韻でビクビクと身体を痙攣させているイシェリアの秘所に、無言で起き上がったユーリは膨れ上がり大きく反り勃った自身を充てがう。
「……もっとじっくり貴女を攻めて味わいたかったのですが……先程の言葉で限界に達しました。責任取って下さいね?」
「へっ? な、何――」
ユーリはそう言うや否や、イシェリアの膣に自身をめり込ませ、一気に貫いた。
「……っ!!」
そのいきなりの衝撃に、イシェリアの身体が大きく反り返る。
ユーリはその細い腰を掴むと、激しい抽送を開始した。
「あっ、ゆ……ユーリアス――」
黄金色の瞳を潤ませ、自分を見上げてくるイシェリアの姿に、ユーリの欲情の高まりが止まらない。
ユーリは身を屈め、イシェリアの耳元に口を寄せ囁いた。
「――愛してるぜ? オレのシェリ」
「……っ!!」
イシェリアの瞳が見開き、瞬時に顔全体が真っ赤に染まる。
「……ん、締まりましたね……。やはり“昔”の僕にはまだまだ敵いませんか……。“今”の僕ももっと精進しないとですね」
「あ、遊ばないで下さい……っ」
「ふふ、“本気の言葉”ですよ?」
ユーリは笑ってイシェリアに濃厚な口付けをし、腰の動きを早くしていく。
そしてお互いが達し、イシェリアの子宮内に大量の精が降り注いだ。
ユーリは心地良い快感に身を任せ大きく息をついた後、再びイシェリアの身体を触り始めた。
「あ……っ。え、まだ……?」
「当たり前じゃないですか。二年前は時間制限がありましたが、今は違います。時間を掛けて、貴女をたっぷりと堪能させて頂きますね。そして、貴女もたっぷりと気持ち良くさせます。――もう、奴の悪夢は二度と見ないように……ね」
「う、あ、お……お手柔らかにお願いします……」
「貴女が相手ですと絶対に無理ですね」
「そこは素直に頷いて下さいよッ!?」
イシェリアの可愛いツッコミは聞かなかったことにして、ユーリは愛しい彼女の身体を一晩中堪能し尽くしたのだった……。
426
お気に入りに追加
1,658
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
夫が愛人を離れに囲っているようなので、私も念願の猫様をお迎えいたします
葉柚
恋愛
ユフィリア・マーマレード伯爵令嬢は、婚約者であるルードヴィッヒ・コンフィチュール辺境伯と無事に結婚式を挙げ、コンフィチュール伯爵夫人となったはずであった。
しかし、ユフィリアの夫となったルードヴィッヒはユフィリアと結婚する前から離れの屋敷に愛人を住まわせていたことが使用人たちの口から知らされた。
ルードヴィッヒはユフィリアには目もくれず、離れの屋敷で毎日過ごすばかり。結婚したというのにユフィリアはルードヴィッヒと簡単な挨拶は交わしてもちゃんとした言葉を交わすことはなかった。
ユフィリアは決意するのであった。
ルードヴィッヒが愛人を離れに囲うなら、自分は前々からお迎えしたかった猫様を自室に迎えて愛でると。
だが、ユフィリアの決意をルードヴィッヒに伝えると思いもよらぬ事態に……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる