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禁じられた想いに蓋をし逃げる娘と、それを決して許さない義父のお話

5.私の告白と、父さんの告白 *

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「……なぁユティ? 本当のこと言えよ。お前さぁ、オレのこと『好き』だろ? “父親”じゃなく、“男”として、さ。――さっき、お前言ってたよな? オレのこと、『大好きだった』って。それさぁ、過去形じゃねぇだろ? 今も……現在進行形で、だろ?」
「……っ!」
「オレはお前をウソツキに育てた覚えはないぜ? ……なぁ、ユティ? ウソをついた子にはキツーイお仕置きしなきゃなんねぇけど、お前はそういう子じゃねぇよな?」


 逃げようとしたけれど、私の身体の上にいる父さんに体重を掛けられ、両頬に手を添えられ至近距離で見つめられてしまう。
 ルビー色に輝く瞳が、私をジッと見据えていて。

 嘘をついたら即見破られてしまいそうな、神秘的で綺麗な瞳で――

「……っ」

 逃げ場がないと悟った私は、観念して胸の内を話し始めた。


「……好き、だよ……。気付けば、父さんのこと……『異性』として大好きで……。でも、“父さん”だから。今までも、これからも私の“父さん”だから、こ、このまま、気持ちを隠しておこうと……っ」


 言いながら涙が滲み出てきたけど、懸命に言葉を続けようとした唇に、不意に父さんの唇が塞がってきて――!?

「んっ……!?」

 咄嗟に逃れようとしたけど、両頬を抑えられているので身動きが取れなくて……。
 その間に私の口の中に父さんの熱い舌が無理矢理入り込んできて、口内を蹂躙していって。
 激しく暴れ回るその舌に、私の息が段々と上がっていき――
 ようやく唇が離れる頃には、私はゼェゼェと荒い息を吐き、飲み込みきれなかった唾液が口を伝い顎に流れていった。


 父さんが私の顔の間近で「ふぅ」と艶めかしく息を吐く。
 その表情は、小さく笑っていて。
 何故か嬉しそうに――

 私の頭の中は、ひどく混乱していた。


「……とう、さっ……。な、な……んで……っ?」
「あぁ……。お前のその顔と言葉に、我慢の限界がきちまった……。はは、ダメだろユティ? そんなの、どう我慢しろって言うんだよ」
「……っ? ど、どうして……っ?」

 私ははちきれんばかりに目を大きく見開かせ、父さんを見上げる。
 父さんは少し焦点の合っていない瞳で私を見下ろし――そしてフッと口の端を持ち上げた。


「と、とうさ……?」
「……本当は、お前から自主的に言わせるつもりだったんだけどな。お前がオレのことを好きなのは随分前から分かってたんだよ。だから、お前の『好きだ』って言葉をずっと待ってた」
「え……?」


 父さんの衝撃の告白に、私は愕然となり頭が真っ白になる。

 そんな……。私の気持ち、とっくの昔に父さんに気付かれていたなんて――


「……けどお前は、最後までそれを隠してオレから逃げようとしたな」
「だ、だって! 叶う筈のない想いだと思ってたから! 父さんは私を“娘”としか見ていないでしょ!?」


 責めるような父さんの口調に、私は思わず反論してしまった。
 そんな私の言葉に、父さんは何故か可笑しそうに笑う。


「ど、どうして笑うの……?」
「さっきのキスで分かんねぇのか。どんだけ鈍感なんだよお前」
「え……?」
「ったく、直接言わねぇと駄目みてぇだな。――オレも好きだ」
「――え?」
「愛してるんだ、お前を。この気持ちは……子を想う親の気持ちじゃない。“女”として、お前を心の底から愛してる。“抱きたい”と思っている。お前を骨の髄まで貪り尽くしたいほどに」


 父さんの口から紡がれるその言葉達を、私は信じられない思いで聞いていた。


「……父……さん。何を……一体何を言ってるの……? だって、いつも“娘”、“娘”って――」
「そう言って自分に自制をかけないと、歯止めが効かずすぐにでもお前を襲っちまいそうだったからな。――けど、もういいんだよな? もう我慢しなくってさ。だってオレ達、“相思相愛”だし? なぁ、ユティ?」
「と、父さん、待って――」


 父さんは美麗な顔に笑みを貼り付けたまま、私のワンピースの胸元をビリッと豪快に破いて……!?

「あっ……!」

 破けた部分から私の胸が零れ出て、父さんはそれを大きな手で掴むと激しく揉みしだいていく。時折胸の先端をキュッと抓られ、私の口からあらぬ声が出てしまった。

「あぁっ……! ――や……やだやだっ! やめて、父さん……っ」
「……ははっ。やっぱ想像通り、可愛い声を出すんだな、ユティ。胸の大きさも柔らかさも最高だ。いいぜ、思いっ切り声を出しても。ここにはオレとお前しかいない。お前のその可愛い声、沢山聞かせろよ。オレはお前の声も大好きなんだよ」

 ふ、とその綺麗な紅い瞳を細めて笑った父さんは、頭を下げ、私の胸の先端を口に含むと、甘噛みし強く吸っていく。もう片方の手は、もう一つの胸の突起を擦り上げてきて……。

「あっ! やだ、いやだぁ……っ」
「……“いい”、だろ? ユティ、ウソは良くないぜ? こんなにも物欲しそうに尖らせてさ……」

 掠れた低い声でそう言って口の端を上げると、父さんは胸の愛撫を一層強くして――

「……んっ、やあぁっ!?」

 私の頭の中が真っ白になり、身体がビクビクッと意図せず大きく震えてしまう。

 ……え、何……? 何が起こったの……?

「――ふっ、くくっ。胸だけでイッたのか? 感度いいな、お前。ははっ、最高だぜ」
「えっ? や……ち、ちがっ……」

 父さんは楽しそうに笑うと、破れて使い物にならなくなった私のワンピースをサッと脱がし、下着もスルリと抜き取っていく。
 一糸纏わぬ姿になった私は身を縮こませようとしたけど、父さんがそれを許してくれなくて。
 私の両脚の間に身体を入り込ませた父さんは、薄く笑みを浮かべながら私の裸体を食い入るように見つめる。


「……あぁ、やっぱりキレイだな。お前の裸は何度も見る機会はあったが、絶対に見ないようにしてたんだ。見ちまったらオレの理性がどうなるか分からなかったからな。――ははっ、想像以上だ」


 父さんは恍惚な表情でそう言うと、私の下半身へとその手を伸ばしてきた――



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