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89.花と果実の香りに包まれて 2 ※

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 その疑問は、濃厚な口付けと濃密な胸の愛撫によって、すぐに消えることになりました。
 相変わらずの胸に対する執拗な責めに、私の息がどんどんと上がっていきます。

「んん……っ」
「……ふふっ、可愛い……柚月。こんなに尖らせて……。感じてくれて嬉しいですよ。じゃあココは?」

 イシュリーズさんは、熱を帯びた声でそう囁くと、胸の先端を弄っていた手を下に伸ばし、スカートの中へと潜り込ませてきました。
 そして私の太腿を撫で上げると、大事な部分を下着の上からギュッと押してきて!?

「…………っ!」

 私の叫びは、咄嗟に塞いできたイシュリーズさんの口の中へと消えていきました。
 彼の二本の指で押した部分から、下着が徐々に染みが出来ていくのを感じます……。

「……あぁ、濡れてきていますね……。そんなに気持ち良かった? ココも触って欲しい? ねぇ柚月、教えて?」

 唇を離すと、イシュリーズさんは私の顔を覗き込み、目を細めて囁くように訊いてきます。
 その間、スカートの中の彼の手は、私の下着を上からサワサワと軽く撫でるだけで、それ以上は何もしてくれません。
 私の身体の熱がどんどん上昇していくのが分かります。よく分からない涙も滲み出てきました……。

 うぅっ、イシュリーズさんってこんなに意地悪でしたっけ……? でも、この熱を何とかして欲しい。何とかしなければ、私がおかしくなってしまう。
 ……だから、だから……っ。

「……き、気持ちいいっ。あなたの手が、すごく気持ち良かったの……。だから……さ、触って? また、その手で気持ち良くさせて……。お、おねがい……」
 
 私の顔は、熟したトマトのように真っ赤になっていたと思うし、涙も目尻に浮かんで言葉もタドタドで、しかもこの口から勝手に出てきた台詞! とんでもなくキモかったことでしょう……。
 最後の部分は、羞恥の所為で消え入りそうな声になっていました……。

 イシュリーズさんは私を見つめ、その言葉を聞いた途端目を大きく見開いたかと思ったら、片手で顔を覆って下を向き、盛大に息を吐き出しました。

 や、やっぱりかなりキモかったですよね!?
 あぁ……穴があったら更に深く掘って入りたい……っ!

「……まずい。これは、かなりクるな……。酔い掛けの柚月はこの上なく恐ろしい……。実際に飲んで本格的に酔ったらどうなってしまうのか……」
「……え?」

 イシュリーズさんが何やらブツブツ言ってますが、意味がよく分かりません……。
 心配になって、顔を覗き込もうとした途端にイシュリーズさんが顔を上げ、貪るようなキスをしてきました!
 そして、下着の中にスルッと手を入れると、直接触ってきて――

「…………っ!」

 クチュリ、と微かな音が聞こえ、私の顔に更に熱が灯ります。
 イシュリーズさんは私と唇を重ねたまま、下着の中の手を動かし、上部にある小さな芽を人差し指で擦ってきました。

「…………っ!!」

 どんどんと奥から蜜が溢れて来るのが自分でも分かります……。
 無意識に身体がビクビクと震え、口から出る嬌声は、次々とイシュリーズさんの口の中へと消えていきます。
 彼はその蜜を自分の指に絡ませると、二本の指を膣の中へと潜り込ませてきて!?
 
「んんっ!!」

 ビクッと、一段と強く身体が跳ね上がりました。
 グチュグチュと下部で卑猥な音が鳴り響き、私の顔が羞恥と快楽でこれ以上ないくらい真っ赤になります。

「……ふふ、すごくい顔……。本当に堪らないな……。我慢しないでイッていいですよ、柚月? さぁ――」

 そっと唇を離したイシュリーズさんは、息が荒く――けれど恍惚な表情のままそう言いました。

「んっ、イっ……あ――」


 そこで私はハッと思い出します。
 私が座っている場所は、あの高級ソファだということに!!


「――だっ、だめぇっ!」

 私はイシュリーズさんの首に腕を回し、ギュウッと強くしがみつきます。

「え、柚月……?」
「ソファを汚しちゃう! 私、こんな高級なもの弁償できない! これ以上は絶対だめぇっ!」
「…………ふはっ!」

 イシュリーズさんが、堪え切れないといった感じに盛大に吹き出しました。

「く、ははっ! さすが柚月、貴女らしい……。けれど、そうですね……。貴女を前にして、時と場所を顧みず我慢出来なかった俺が悪かったです。すみません、柚月」
「え? あ……いやそんな……?」
「けど、そのイク寸前の中途半端な状態だと辛いでしょう? だから――」

 イシュリーズさんは話しながら、私をソファに静かに押し倒します。

「え、イシュリーズさ……?」
「柚月。申し訳無いですが、手で口を塞いでいて下さい。声を出さないように。貴女のその可愛らしい鳴き声を、あの人には絶対に聞かせたくない」
「…………っ」

 有無を言わさない口調でイシュリーズさんは言い、私は慌てて両手で口を塞ぎます。
 すると、イシュリーズさんはワンピースのスカート部分をたくし上げ、私の両足を難なく開くと、下着をずらして隠されていた秘所に口をつけて!?

「…………っ!!」

 反射的に大きく跳ねた私の身体に構わず、イシュリーズさんの唇が、舌が、恥ずかしい場所を這いずり回ります。
 溢れる蜜を丹念に舐め、唇も使ってそれを吸い取っていきます。
 その度に身体が大きく反応し、私の両目からは、知らず涙が零れ出ていました……。
 そして、ぷっくりと膨らんでいるであろう小さな芽を口に含み、強く吸い甘噛みされた時、私の頭の中は真っ白に弾け飛びました。

「……っ、…………っ!!」

 ガクガクと強く身体が震えましたが、出ようとする声を必死に抑え込みます。
 その間もイシュリーズさんは顔を離そうとせず、更に出てきたであろう蜜を吸い、綺麗に舐め取っていました。
 ようやく気が済んだのか、イシュリーズさんはゆっくりと顔を上げます。
 その顔は妖艶で……まるで満ち足りたといった感じで口の端を持ち上げ微笑んでいて……。


「……あぁ、甘い……。やはり貴女の蜜は、驚くほど甘くて美味しい……。ふふ、最高だ――」
「…………っ」


 狂気に近いようなその表情と言葉に、私の肌がブワッと粟立ちます。
 イシュリーズさん……なんて顔をして――

「……い、イシュ――」
「――上手にイケましたね、柚月。いい子だ。ソファも汚していませんよ。とても名残惜しいですが、続きはまた近い内に……ね?」

 先程の表情は一瞬にして消え、ニコ、といつもの笑顔でイシュリーズさんは言いました。私のワンピースを直すと、手を引っ張り起こされて、そのまま胸の中に抱きしめられます。
 私は、しばらく言葉が出せませんでした……。


 その時です。廊下からバタバタと誰かが駆けてくる足音が聞こえたと思ったら、突然ガチャッと乱暴に扉が開きます。
 
 そこに立っていたのは、ゼェゼェと息を切らし、怒りの表情を浮かべた父さんでした……。



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