【R18】《用無し》と放り出された私と、過保護な元《聖騎士》様の旅路

望月 或

文字の大きさ
上 下
49 / 134

49.繋がる心と身体 2 ※※

しおりを挟む



「挿れますね……。楽にして下さい……」
「ん……っ」


 少しずつ……少しずつ、私の中に、イシュリーズさんの熱いソレが入ってきます。
 お、大き過ぎる……っ! 痛みもあるし、圧迫感がものすごいっ!
 でも、初めての私のことを想って、イシュリーズさんは少しずつ挿れてくれてる……。顔を顰めて、自分も辛いだろうに……。

 ここでクシャミなんかしてビックリさせてしまったら、その想いを台無しにしてしまう! もし出そうになっても絶対に我慢しなきゃっ!


 ――って思った矢先に、唐突にクシャミが出そうになるのは何でですかねえぇーーっっ!?
 お約束!? お約束ですかぁっ!?
 今お笑いの神様はお呼びじゃありませんよっ!?


 ……あぁっ、ダメッ、鼻がムズムズして我慢出来ないぃっ!!
 ごめんなさいイシュリーズさんっっ!


「…………くちゅんっ!」
「……っ!? か、かわっ――」


 私の腰からフッとイシュリーズさんの手の感覚が無くなり、お尻がストンと下に落ち――
 ズンッ! と勢い良く、私のソコにイシュリーズさんのソレが突き刺さりました……。
 何かが破ける感覚が私を貫きます。

「くっ……!!」

 イシュリーズさんが何かを堪えるように歯を食いしばる声が聞こえてきたけれど、私はそれを気遣う余裕はありませんでした……。


「~~~っっ!!」


 声にならない声を上げ、顔を大きく仰け反らせます。再び目から火花がカチカチッと飛んだ気がしました……。しょ、衝撃がものすごい……っ!!
 突然視界が真っ暗になり、咄嗟にイシュリーズさんの首に腕を回し、何とか落ちないように身体を支えます。
 い、今一瞬意識が飛んだっ!? あ、危なかったぁ……!

「……す、すみません柚月っ! 予想外の可愛いクシャミに驚いてしまって……。大丈夫ですかっ!?」

 顔を赤くしたイシュリーズさんが慌てふためいています……。
 よ、予想外って……。私が「ぶへっくしょぉいっっ!!」って豪快にクシャミするとでも思っていたのでしょうか?
 心外な……いやたまに出ますけどね!?

「ん……。だ、大丈夫ですよ」
「本当にすみません。初めてなのに、痛くさせてしまって……」

 すっかりしょげてしまったイシュリーズさんに、私は慌てて首を横に振ります。

「い、イシュリーズさんの所為じゃないです! 私がヘンな時にクシャミをしてしまったからで、あなたは何も悪くないですっ」
「柚月……。ありがとうございます。挽回として、次は貴女を沢山気持ち良くさせますから……」

 イシュリーズさんはそう言うと、結合部分に手を伸ばし、そっと触ります。その指には、何と血が付いていました!?

「えっ、イシュリーズさん!? 怪我されたんですかっ!?」
「……いいえ、これは貴女のですよ。貴女が初めてだったという証です。俺に大切な初めてを捧げてくれて、ありがとう……柚月。愛しています――」
「あ……、んっ」

 そして、唇を濃厚に重ねられました。

「少しずつ、動かしますね……」

 イシュリーズさんが低く掠れた声で言い、彼の片方の手は私の腰を掴み、もう片方の手は私の胸を揉みながら、腰がゆっくりと上下に揺さぶられます。
 動かされる度、結合部から聞こえるグチュグチュという卑猥な音と、私の喘ぎ声が重なります……。

「あぁっ! んんっ……」

 最初は圧迫感と痛みがあったけど、徐々にそれが薄れ、次第に気持ち良さが浮き上がってきました。

「柚月の中、温かくてすごく気持ちが良い……。だから、もう……っ」

 イシュリーズさん、眉間に皺を寄せて辛そうです……。
 いいですよ、と言おうとして、そこでハッと気付きました。

 避妊は? 避妊をしてないっ!?

「イシュリーズ……さんっ。ひ、避妊は……っ」
「……あぁ、それは大丈夫です。こちらの世界では、タイミングと、お互いに子供が欲しいと切に願わないと受精しませんから……」

 そうなんだ……。まさに『子に過ぎたる宝なし』の世界なんですね……。
 子供は可愛いけど、やっぱり結婚してから欲しいから……。
 なら、大丈夫……ですね。


「いいですよ、きて下さい……」
「柚月……っ! くっ!!」


 私が言ったと同時に腰の動きが早くなり、熱いものが私のお腹の奥に勢い良く入ってきました。
 イシュリーズさんのソレが大きく脈打ち、ドクドクいっているのが感じられます。
 すごく、沢山出された気がします……。


 ……あぁ、終わった……。気持ち良かったけど、長かった……。


 脱力感が押し寄せ、イシュリーズさんの胸にくたりと寄りかかります。
 そんな私にイシュリーズさんはクスリと笑ってキスをすると、私からソレを静かに抜き、そのままお姫様抱っこをされました。
 そして近くにあったタオルで下半身を拭いてくれ、ベッドの上に優しく押し倒されます。

 ん? もう寝るのかな?

 私を押し倒したイシュリーズさんは、極上の笑顔を浮かべました。
 くぅっ、天使の笑顔! ものすごく眩しいっ!


「本当に……想像以上に至福な時間でした。ありがとう、柚月……。俺はこの時を一生忘れません」


 そう言うイシュリーズさんは、微笑んでいるけど何だか泣きそうで……。
 え、どうして……?

「……イシュ――」
「――では、次は挽回いきますね」

 それは一瞬で消え、代わりにニコリと笑みを浮かべると、イシュリーズさんはとんでもないことを言い出しました!?

「……へっ? さっきので終わりじゃ……?」
「『“次”は貴女を沢山気持ち良くさせます』と言ったでしょう?」
「えっ!?」

 それって“二回目は”って意味だったの!? てっきり挿れた後のことだと……!
 でもあんなに大量に出したばっかりだし、流石にまだ戻っては――って、おっ、おっきくなってるぅ!?
 きょ、脅威の回復スピードッ! これも《聖騎士》の為せる技っ!?


「や、あのっ。待って、イシュ――」
「あぁ……可愛い。すごく可愛い、俺の柚月……。身も心も、沢山愛してあげますね……?」
「だ、だから、待って――あっ……」
「愛しています、柚月。一生貴女を離さない――」


 恍惚にとろける笑顔を浮かべ、問答無用で二回目を開始するイシュリーズさんに、私は為す術もなく、気を失うまで愛されたのでした……。


しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道

Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道 周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。 女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。 ※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

処理中です...