24 / 134
24.《水の聖騎士》登場
しおりを挟む*
「はい、ご心配なく……
では、失礼します。」
青木さんには、あまり詳しいことは話さず、とにかく今夜は美幸さんをうちに泊めるということだけを伝えた。
当の美幸さんはかなり本格的に熟睡されてて、電話をかけてる間もソファの上で眠りこけたまま。
私は、その間に客間に布団を敷き、美幸さんの肩を叩いた。
「美幸さん、あっちに行きましょう。」
「う…うん…」
よろよろされながらもなんとか歩いて下さって、布団に寝かせるとそのまままた静かになった。
*
(それにしても、美幸さんの落ちこみようは酷かったなぁ…)
美幸さんは起きられる様子がなかったので、お風呂にお誘いするのはやめておいた。
明日の朝にでも入っていただけば良い。
お風呂の中で、さっきの会話を思い出しながら、どうしたものかと私は考えた。
やっぱり、KEN-Gさんにはお話しといた方が良いだろう。
KEN-Gさんなら、シュウさんと直接話すことも出来るだろうし、それとなく聞いてもらえるんじゃないかしら?
それにしても、純平さんがあんな露骨なことをおっしゃるなんて、ちょっと信じられない。
美幸さんと純平さんは、傍目にも気が合ってるように見えたのに……
あ…そういえば、私も純平さんの名刺はもらってたんだ。
連絡して訊いてみたいけど…でも、私が突然電話なんてかけたら驚かれるわね。
それに、言いにくいことだし……
お風呂から上がって、リビングで寛いでいると、携帯の着信音が鳴った。
それは、美幸さんのバッグの中から……
もしかしたら、青木さん…!?
申し訳なかったけど、バッグを開けて美幸さんのスマホを取り出した。
そこに表示されてたのは、「純平くん」の文字。
「は、はいっ!」
私は反射的に受話ボタンを押してしまった。
「……あれ?これって……」
「は、はい、みゆ…ひかりさんのスマホです。」
「え……?あの…あなたは?」
「美咲です。」
「あぁ、美咲さん。あれっ?ひかりちゃんは?」
私は手短に今の状況を話した。
「そうだったんですか。それでさっきも出てくれなかったんですね。
じゃあ、また掛け直します。」
「ま、待って下さい!」
「え…?」
「純平さんにお訊ねしたいことがあるんです!」
「はい、ご心配なく……
では、失礼します。」
青木さんには、あまり詳しいことは話さず、とにかく今夜は美幸さんをうちに泊めるということだけを伝えた。
当の美幸さんはかなり本格的に熟睡されてて、電話をかけてる間もソファの上で眠りこけたまま。
私は、その間に客間に布団を敷き、美幸さんの肩を叩いた。
「美幸さん、あっちに行きましょう。」
「う…うん…」
よろよろされながらもなんとか歩いて下さって、布団に寝かせるとそのまままた静かになった。
*
(それにしても、美幸さんの落ちこみようは酷かったなぁ…)
美幸さんは起きられる様子がなかったので、お風呂にお誘いするのはやめておいた。
明日の朝にでも入っていただけば良い。
お風呂の中で、さっきの会話を思い出しながら、どうしたものかと私は考えた。
やっぱり、KEN-Gさんにはお話しといた方が良いだろう。
KEN-Gさんなら、シュウさんと直接話すことも出来るだろうし、それとなく聞いてもらえるんじゃないかしら?
それにしても、純平さんがあんな露骨なことをおっしゃるなんて、ちょっと信じられない。
美幸さんと純平さんは、傍目にも気が合ってるように見えたのに……
あ…そういえば、私も純平さんの名刺はもらってたんだ。
連絡して訊いてみたいけど…でも、私が突然電話なんてかけたら驚かれるわね。
それに、言いにくいことだし……
お風呂から上がって、リビングで寛いでいると、携帯の着信音が鳴った。
それは、美幸さんのバッグの中から……
もしかしたら、青木さん…!?
申し訳なかったけど、バッグを開けて美幸さんのスマホを取り出した。
そこに表示されてたのは、「純平くん」の文字。
「は、はいっ!」
私は反射的に受話ボタンを押してしまった。
「……あれ?これって……」
「は、はい、みゆ…ひかりさんのスマホです。」
「え……?あの…あなたは?」
「美咲です。」
「あぁ、美咲さん。あれっ?ひかりちゃんは?」
私は手短に今の状況を話した。
「そうだったんですか。それでさっきも出てくれなかったんですね。
じゃあ、また掛け直します。」
「ま、待って下さい!」
「え…?」
「純平さんにお訊ねしたいことがあるんです!」
32
お気に入りに追加
1,813
あなたにおすすめの小説
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道
Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道
周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。
女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。
※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる