【R18】「お前を必ず迎えに行く」と言って旅立った幼馴染が騎士団長になって王女の婚約者になっていた件

望月 或

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 ――あの時、確かに感じたあなたの温もり。


 あなたの腕の中で、私は安らぎと愛しさを感じていて。

 あなたの唇が、私の額に落ちて。
 それは頬へと移り、程なくして私の唇へと重なる。

 ……優しく、温かな口付け。


 あなたは私を見つめて嬉しそうに、愛おしそうに微笑んで。
 私もそれに、恥ずかしがりながらも笑みを返す。


 幸せな時間が、確かにあの時は流れていて。


 そんな時間が、永遠に続けばいいのにと思っていた。




 けれど、あなたは遠くへと旅立ってしまった。



「必ずお前を迎えに行くから。待っていてくれ」



 そんな、“希望”と“束縛”の言葉を残して。






 ――そして、六年後。


 意図せず再会したあなたは、この国の『騎士団長』になっていて。

 あなたのすぐ隣には、この国の第一王女がいて。
 彼女は笑いながら、あなたの腕に自分の腕を密着させ絡みつかせていて。
 ピットリと身体を寄せ合う二人は、この国の王公認の“婚約者”同士で。



 私を見下ろすあなたのアメジスト色の瞳は、とても冷たく、そこには確かに“憎悪”の感情が込められていた――



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