裏切られた死にたがりの二人は、残酷な世界でただ穏やかに暮らしたい……だけなのに

「――よし、死ぬか」

ラエスタッド王国の第一王子であるヴィクタールは、文武で弟に勝てた事はなく、国民からも陰で馬鹿にされていたが、婚約者のヘビリアとは良好な関係を築けていると思っていた。
しかし何者かに騙され、不貞と見られる姿をヘビリアに目撃されてしまい、釈明の為に向かった部屋で聞こえてきたのは、ヘビリアと弟であるスタンリーの情事の声だった。

何もかも絶望し、死を決意したヴィクタールは、二人の目の前で絶壁の海崖から落ちていった――


「――よし、死のう」

リントン侯爵家の使用人リシュティナは、侯爵家の姉妹に毎日苛められていたが、好意を寄せていた同じ使用人のロッゾに告白され、喜びで一杯になっていた。
しかしその翌日、ロッゾと侯爵家の長女が密通しながら自分の悪口を言っている場面を目撃し、更に理不尽な理由で侯爵家を解雇されてしまう。

何もかも嫌になり、死を決意したリシュティナは、死に場所に決めた浜辺で倒れている瀕死の男を発見し……?


一方その頃、スタンリーはある理由でヴィクタールを血眼になって捜していた――



※作者独自の世界観全開で、精霊や召喚等ファンタジー要素強しです。ツッコミは心の中でお願いします……。
※サイコパス野郎の所為で残酷な描写があります。毒されないよう御注意下さい……。
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