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1章 文明は崩壊しました。

消失の始まり

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「はぁ。本当に鬱だわ。」
そんなこといわずに頑張ってくださいよ。
「人間の不手際で滅亡寸前だっていうのにどうして私が救済しないといけないのよ!」
女神さまは人間というあなたの子を作ったのですからより良くなるために助けてあげる責任があるんです。
だから、天罰(しつけ)がゆるされていたんですよ。
「そんなこと言っても限度ってものがあるじゃない。」
気持ちはわかりますが、手を動かしましょう。人が完全に滅びてしまう前に。

「ハムスケが何をしたっていうんだ!」
まあ、ボタンを押したんですけど。
しかし、生き物であるハムスケが死んでしまったのがわからない。
こういうのはペットがすごい強くて頼りになる相棒なはずなのに。
死んでしまっては、どうすることもできないじゃないか。
どうせ、こんなボタン冗談に決まってる。
AIを無くしたいと思う人を抹消するための作り話だろう。
人間がそんな高度な技術を持っているわけないからな。
ロボットはAIが作る。これが常識だ。
「それにしても眠いな。近くの店で缶コーヒでも買うか。」
大きく伸びをして大げさに立ち上がる。
目をこすりながら大きな扉を開けるとそこは廃墟であった。
空の底は赤くなっている。夕日だ。
「ビルがあって見えなかったけど、空ってこんなに広かったんだな。」
風は冷たく体も冷える。
けれど、どこか暖かく感じた。
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